そして世界は・・・ - 独白

    
      あのときの わたし もはや すくいようもなく

 この闇からは抜けられない。誰も私を救えはしない。救われたいとも思わない。

 朝陽が昇ると絡まる蔦は私の心に食い込んで
 夕日が沈むと絡まる棘は私の細胞を食い殺す。

 もしも今日今までに捕まえてきた人間達に殺されてもきっと何の感慨も浮かばないだろう。
 さしたる疑問もないまま命を落とすに違いない。

 私の精神はもう、極限にまで異常を来たしている。
 あんな自由も何も無い場所に閉じ込められていたのだから、こうなったのは私の所為でないことは明らかだ。

 よく同じ字や単語を並べていて
 「この字これで合ってたか?」
 などということがあるだろう。その現象は科学的にも生物学的にも証明されている。
 ある種の脳の疲労によるものらしい。
 性質は違うが似たようなものでデジャヴがあるが、そんな事はどうでもいい。

 私は時々鏡の前に立ち、本当にこの鏡に映っているのは自分という存在だろうかと疑問に思うときがある。
 自分という存在を見過ぎて自分が分からなくなるときがあるのだ。

 メビウスの輪のように、私の立っている地点から一周してここに戻ってくると

 そこは元の姿の鏡像になっているのかも知れない。

 いや。

 もしかしたらこの世界自体が鏡像で果てのその向こう側が真の世界なのかもしれない。
 ここにいる私こそが、鏡。偽者。目の前の鏡の私の、影。

 時々、本当に時々、思っていたのだ。
 
 この闇からは抜けられない。誰も私を救えはしない。救われたいとも思わなかった。

 100の存在が知れるまでは。
 黒い奔流の存在が、私を変えた。
 
 天才はおまえだけでいい。
 私の望むものの糧になれ。

 それまでは


 私の暁はこない。
 嵐も、止まない。

後書き

誠に勝手ながら、本編の方を一時中断してこれを書かせて頂きました。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。

ここでこれを敢えていれたのは個人的な意見で桐崎の壊れ具合がいまいち読者の皆々様に伝っていないかな、と思ったので。

トリニティの中で、彼のキャラクターとは狂いの中にあってそれが逆に正気を保つものとして位置づけています。

  狂気による正気。

それが桐崎という男の今の状況であると知ってもらいたかったのです。

中身が少々本編に出てきていない箇所がありますがそれはこれから本編にて明かしていく事なのでそちらの方を。

長い後書きになりましたがこれからの話もどうぞ読んでやって下さい。

>>冬野 燕さん、コメントありがとうございます。ええ、自分自身がデスノ好きなので「あららー」なんてことになってしまいました。よくなるんですよ・・・。全くオリジナル性の欠けることです。

推理は次です。ここまで引っ張ったにしては・・・うーん?・・な内容なので興ざめするかもしれませんが、それはあくまで桐崎、ゆかり、柳原の謎がメインということでご容赦のほど。

この小説について

タイトル 独白
初版 2006年12月23日
改訂 2006年12月23日
小説ID 1088
閲覧数 706
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トリニティの写真
作家名 ★トリニティ
作家ID 95
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活動度 25049
文と音楽と絵と食事を大事にする南部人

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