僕と寝ぼすけ男 - 僕と寝ぼすけ男

昔の俺は殺人兵器だったよ。
俺に罵声を浴びせる人間全てが憎かった。
俺の存在を示す為にあれだけ殺したんだ。



だけど、俺は間違ってたんだ。認めて欲しいって事だけに、頭が一杯だったんだ。









僕と寝ぼすけ男






「おしゃべりはそこまでよ」
イリカの赤い唇が弓なりに歪む。
「貴方たちが苦しむ前に殺してあげますわ…、大人しくしてなさい!」
彼女は手を動かし、魔法陣を描いていく。
サヤはそれにすかさず反応し、無意識に手を動かしていく。
「悪あがきを…![炎の魔人よ、我が前に集いて、敵を燃え尽くさん!]」
サヤは勿論魔法の使い方など知らない。
だが、手は動いている。口も動く。
「な、なんだよ…ちょ、[その手が掴みし洗礼の矛は全てを浄化せん…、水の女神よ!]何言ってるんだよ、僕は!」
イリカは魔法陣を描いた右手を前に突き出し。
サヤは同じように魔法陣を描いた左手を上に伸ばす。
コォ、と風が渦巻いた。
コウタは何も言わずに、驚いた顔で突っ立っている。

「[フィアフルファイア!!]」
「[メイルストローム!!]」

空が赤く光る!
雲が渦巻き、中心から赤い閃光が地上に向かって走る。
地面からはどこからともなく水が噴出し、波のようにうねる。

ゴゴン!!と大きな音が王都内に響いた。
炎と水は互いを拒み、互いを飲み込む。

コウタは粉塵が巻き上がっている中、唖然として座り込んでいるサヤを抱え上げた。
イリカの力は膨大なものだ。今の自分達では抵抗すらも出来ずに死ぬだけ。
コウタはそう思い、サヤを抱えたまま、高さが何メートルもあるテラスから飛び降りた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
サヤの叫びも虚しく、2人は地面へと突っ込もうとしていた時だった。
「ガドリア―――――――!!」
コウタが横で、名前らしき言葉を叫んだ。





ぼふ、と。
地面に激突していれば出ることはないであろう音がサヤの耳に入った。
無論、痛くも何ともない。
「し、死んでない…、生きてる!?」
サヤの指は、ざらざらしたものを感じ取った。
ひぃっ、と声をあげて、サヤはすぐに起き上がった。
「こ、こここ、コレ何!?」
「ん、ドラゴン」

ドラゴン、すなわち、龍。

コウタは龍神族に生まれたと言った。
それが本当ならば、今の状況も理解できる。

彼は、龍を呼んだ。



赤い鱗を張り付かせたドラゴン――――ガドリア――――の背には、大きな皮袋があった。
鱗に引っ掛かっていたのだ。

「これ、俺たちの荷物じゃねぇか!」
轟々と風が髪を揺らしていく。
「僕のサーベルもある!これであいつと…!」
コウタは後ろにいるサヤを振り返った。
「サヤ、さっきの魔法みたかよ。サヤが魔法を使って対抗してなかったら俺たちは死んでた」
サヤは眉を吊り上げ、
「じゃぁ逃げろっていうのかよ!僕は嫌だぞ、今あいつを殺してやるんだ!」
コウタは返事をせず、ガドリアに指示を出した。

「アルルに飛んでくれ。あそこにはレリーフの基地がある」

サヤは舌打ちをして、俯いた。












「姫、逃げられたようです」
イリカは乱れたドレスを整えて、口の端を上げた。
「良いですわ、シャーン。あの人たちは必ずここに戻ってくる」

イリカはシャーンを振り返り、にんまりと笑った。

「珍しいワインはなかなか口に出来ないのよ…。そうでしょう、シャーン…」
シャーンは深く頭を下げ、
「クロウクに後を追わせます。必ず捕らえてくるでしょう」


「んふ…、あの人にできるかしら…?」





続く

後書き

期待に添えていない部分が多いと思います…
すいません。

この小説について

タイトル 僕と寝ぼすけ男
初版 2007年1月21日
改訂 2007年1月21日
小説ID 1215
閲覧数 1541
合計★ 3
霜柱 光の写真
ぬし
作家名 ★霜柱 光
作家ID 97
投稿数 45
★の数 80
活動度 5973
まったりファンタジー。
最近幽霊部員と化してましたが生きてます。

コメント (2)

★トリニティ 2007年1月22日 20時24分52秒
サヤー!

どうも、迷える子羊トリニティです。
コウタはドラゴンを呼んでいた。
やばい・・・かっこいい〜。惚れました。サヤはこの頃壊れ気味ですね。
かっこいい〜。コウタかっこいい〜 (しつこい
おおっ、予想だにしなかった展開にトリニティはどきどきを隠せないっ!
ただ一つ言う事があるとすればサヤの言葉の中に無理やり呪文を入れているのは少々強引だったかな、と。
もっといい表現があれば更にいい作品になると思います。
★霜柱 光 コメントのみ 2007年1月23日 19時27分48秒
コメントありがとうございます。

サヤが壊れ気味…かぁ。彼はずっと村に閉じこもった生活でしたからね。世界の事を知らなすぎた、とでも言っておきましょうか。一気に知識が押し寄せてくると理解できなかったりしますし。
コウタは近くに居たらいいなぁ、っていう男子がモデルですね。普段やる気ないけどやる時はやるし、いざとなったら力になってくれる。そんな男性いませんかねぇ(ぁ

セリフが無理矢理ですかぁ…、そうですね、ちょっと強引だったかも。別々にしたらもうちょい良かったかもしれません。
今後もよい作品を書けるようにがんばりますっ!
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