僕と寝ぼすけ男 - 僕と寝ぼすけ男

あれからの事はよくわからない。
ただ、僕は必死に鱗につかまってたと思う。

次に目が覚めた時、僕は一人宿屋にいた。






僕と寝ぼすけ男






「う、うぅ…」
光がまぶしい。
サヤはヒリヒリする手の痛みに、少しうめいた。

手には赤い血が滲んだ包帯が巻いてある。

サヤはそれを一目見ると、もう一回目を閉じた。
猛烈に眠い。
ここ最近、十分に休息をとってなかったしなぁ。
サヤはそう思いながら枕に頭をうずめた。


木製のドアが開いた。


「あれ、まだ寝てんのかぁ…」
ガシガシと頭をかく音と大きな欠伸の音が重なる。
「おい、僕には時間が無いんだ。早く精密検査をさせてくれよ」
コウタとは別の男の声がする。
「サヤ、起きろ。お前の知りたがってたことがわかると思う」
がば、とサヤは飛び起きた。
サヤが知りたかった事、それは身の危険が迫った時にほぼ強制的に発動する魔法のことだ。

イリカは魔神族だの何だのと言っていたような気もするが、サヤにはよくわからなかった。
男が口を開いた。
「君がサヤ君…だね?僕はシェイド。元レリーフ軍の生物研究員だ」
「サヤ、そいつが検査してくれるから。んじゃ、後は頑張れよ」

コウタは自分の荷物が入った皮袋を持ち、部屋を出ようとした。
「ちょ、コウタ、何処行くんだよ!」
「んぁ?ちょっと用があるからさぁ、少しこの街離れるんだよねぇ」
にへぇ、とだらしなく笑うと、そのまま部屋を出て行った。

サヤは何も言わずにベッドの上にいた。

サヤはアルルの町に取り残された。
*********************
「はい、検査はこれで終わり。お疲れさん」
シェイドはそれだけ言うと、サヤを検査室から半ば追い出すように出した。
「あ、あの、僕はこれからどうすれば…」
サヤは今のところ行くアテはない。
宿屋に泊まりつづけるにも、お金がいる。
シェイドは何も答えなかった。
サヤはドアに踵を返し、とぼとぼ歩いた。





「これからどうすればいいのかなぁ、僕…。」
サヤは軍の建物を出ると、店が並ぶ大通りを歩いた。

店の中には、今は街をもう出たであろう男が好きだったイカ焼きもある。

裏路地には怪しい男もいる。

サヤはそれらをボーっと眺めていた。






そんなサヤを見つめる男が一人いた。

つんつんの黒に近い蒼の髪に隠れた銀色の瞳がサヤの姿を捉える。
右目下には泣きボクロがあり、薄い唇は弓なりに歪んでいた。


「へーぇ、あの子がコウタの連れ?女の子かなーって思ってたけど、違うみたいだねぇ」
男は汚れたマントに付いているフードを目深に被り、裏路地から出た。
「はは、面白そうな子じゃん。サヤ=エミリア君だっけ?面倒臭がりのコウタが一緒にいるのもわかるなぁ」



「まっさか俺がコウタのお兄ちゃんなんてわかるはずないよねぇ」










続く

後書き

さて、主人公一人ぶらり旅(違
これからどうなるのかは既に考案しております。
お楽しみに〜(ぇ

この小説について

タイトル 僕と寝ぼすけ男
初版 2007年1月23日
改訂 2007年1月23日
小説ID 1224
閲覧数 1157
合計★ 8
霜柱 光の写真
ぬし
作家名 ★霜柱 光
作家ID 97
投稿数 45
★の数 104
活動度 5973
まったりファンタジー。
最近幽霊部員と化してましたが生きてます。

コメント (3)

★トリニティ 2007年1月26日 18時56分51秒

どうも、迷える子羊トリニティです。
この頃投稿もコメントもさぼりがちで・・・いかんなぁ・・・・。
カカイルお題ばっかやってちゃいかんなぁ・・・・。


ちょっとー!! 
いいところで終わってんじゃないのさー!
ああ、兄さん、兄さん、コウタと同じく自由奔放さや少し謎めいた部分など一文で読者に分からせるテクはすごい!
なんかコウタよりも兄さんを好きになりそう。
★霜柱 光 コメントのみ 2007年1月26日 20時48分38秒
どうも、霜です。
コメントはものすごく支えになってますです、ありがとう!
カカイルお題も頑張って下さいね〜。
兄さん、兄さん、あぁにきぃぃ(謎
どうやら龍神族の方々は自由奔放のようですね。でも兄さんが非情で残忍な方…ですよ、多分。何故コウタだけを生かしたのかも見所?
トリニティさんは龍神族の方に夢中?
匿名 2007年5月6日 16時17分50秒
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