僕と寝ぼすけ男 - 僕と寝ぼすけ男

嘘だ、嘘だろ!?
なんでにーちゃんが、何で…!
どうすればいい、考えろ!


………タスケテ。タスケテタスケテタスケテタスケテ!







僕と寝ぼすけ男





「案外よわっちいんだね、みんな」
手を汚す赤い血を、シノンはベロリと舐め取った。
コウタはその場から動けずにカタカタ震えている。
「うちの一族って神様の末裔だって聞いてるけどさ、神様ってこんなに弱いもんなんだねぇ」


「ぜーんぜん、手応えなかったなぁ」
シノンは血に汚れた口を拭いもせずに笑った。
手に持っている片刃の剣は血の雫をボトボト垂らしている。
「ねぇコウタ、コウタは俺のこと信じてた?ねぇ?」
シノンがコウタに歩み寄る。血の広がる床を、裸足で歩いてくる。
コウタは生唾を飲み込み、乾いた声で、
「か、家族なんだ、と、当然だろ…」
その言葉を聞いて、シノンはにんまり笑った。




「そうかぁ、俺たち、家族だもんねぇ、コウタ」
大股でコウタに近づく。コウタは後ろに下がり、足元にあった赤い刀身の剣を手に取った。
「…。聖剣レジェンディア」
血がこびり付いた柄をしっかり握り、シノンに刃先を向けた。
正直物凄く怖い。
「コウタ、なんでお前が選ばれたんだ!俺の方が神にふさわしいのに!」
コウタの首を掴み、血溜まりに押し倒す。
「家族だから余計に腹が立つ!俺はお前の失敗作じゃない!」
「ぐ…ァ、な、何言って…、」
コウタの体と服は血に汚れている。だがもうそんな事を気にしてはいられない。
強く締め付ける指を剥がそうとコウタは必死にもがく。
シノンは血生臭いコウタの顔に顔を近づけた。
「運命なんて信じない。コウタ、コウタもここでぶっ壊してあげるよ、あははは! 」
「離、せ、離せ!! 」
シノンは悪戯を思いついた子供のように笑い、コウタの顔を再び覗きこんだ。
「ねぇ、今殺すのも勿体無いよねぇ。あは、ははは」
意識が朦朧とする。手が離され、喉がひゅうひゅうと音を立てる。

「ふふ、次会った時にじっくり殺してやるってのも楽しそう」
狂ってる。
「どうやって殺そうかな、ねぇ?コウタにはどんな殺し方が似合うかなぁ? ふふ、あはは」

シノンは思い出したようにコウタから離れて、3つの死体を引きずってきた。

「言い忘れてたよ…。コウタ、13の誕生日オメデトウ」
死体をコウタに押し付けると、シノンは笑いながら家を出た。

腐臭が鼻を突く。コウタは死体をどかして、抑えきれないモノを吐き出した。
「うえ、ぉえぇぇッ!! けほ、ゲホゲホ!!」
吐捨物が血と混ざり合って気持ち悪いマーブル色を作っていく。

「ゆるさない」

死体を見て、コウタは言った。
「俺の家族を殺したお前を許さない」






「死ぬのはお前だよ…、シノン=レジェンディア!! 」









続く

後書き

この頃暗いなぁ…
グロイし。内臓がどうのこうのっていう物凄いグロイネタもあったんだけどやめときました。グロイの苦手な人がいますしねー。

この小説について

タイトル 僕と寝ぼすけ男
初版 2007年1月30日
改訂 2007年1月30日
小説ID 1243
閲覧数 928
合計★ 6
霜柱 光の写真
ぬし
作家名 ★霜柱 光
作家ID 97
投稿数 45
★の数 83
活動度 5973
まったりファンタジー。
最近幽霊部員と化してましたが生きてます。

コメント (3)

★トリニティ 2007年1月30日 21時38分44秒
シノンさん、ひどすぎ。

どうも迷える子羊トリニティです。
グロイ・・・ねぇ。
ですが、まだ許容範囲かな、と。

家族を殺された挙句、狂った兄の覚えの無い嫉妬。

ううっ、シノン好きだったのに!!
★冬野 燕 2007年1月30日 23時37分51秒
 ……あれかな?
 死体を押し付けるシノンもあれだけど、押しのけちゃうコウタもすごいと思うんだ。
 神様の一族怖い、怖いです(震

 しかも聖剣、赤!?
 呪われて……ないですよね、やっぱり。
★霜柱 光 コメントのみ 2007年1月31日 19時51分25秒
ども、カレーうどんでヤケドしそうになった霜です。
>トリニティさん
コメント有難うございます。あ、まだ許容範囲内でしたか、よかったよかった。
子供時代にシノンとコウタは一遍打ちのめさないとキャラが成り立たないのですよ〜。
そしてこの後2人がどう動くかが運命の分かれ目って事ですね。
シノンを潰した私をお許しください(泣

>冬野 燕さん
コメント有難うございます。兄弟揃ってぶっ壊れてますねぇ…。
この物語中の神様の一族は揃って何らかの不幸を味わってます。ちょっとネタバレしそうになっちゃったよ(笑
聖剣は元から赤ですよ〜。呪われた…といえば近いものもあるかもしれません。
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