僕と寝ぼすけ男 - 僕と寝ぼすけ男

はぁ…、また厄介なのが来ちゃったなぁ…。
弟の次はお偉い王国軍様。
めんどいなぁ…、はぁ…。

まぁ、邪魔しただけの対価は払ってもらうけど、ね?








僕と寝ぼすけ男





クロウクがパキン、と指を鳴らした。


逸れを合図に、周りを囲む兵士は3人に斬りかかった!
「ちっ…、数が多すぎる!」
サヤはサーベルを使って応戦するが、成人男性の力には到底適わない。
サーベルを引いて、よろめく兵士の腹目掛けて足を突き出した。
後ろに倒れる兵士。甲冑が金属の擦れる音を五月蝿く鳴らす。
『うおおおっ!』
兜の中で声が反響する。
両刃の剣がサヤの頭上に振り下ろされる!
「うわあぁっ!!」

サヤはサーベルを横に倒して剣を受け止める体勢に入ろうとする。

が、遅い!

サヤが空いている左手を、兵士をどかすように横に振った、そのときだった。





ビキビキビキ!! と、周囲の兵士が氷の中に閉じ込められる!


「な、何だ…!? 」
シノンは長剣で兵士たちと応戦している。

サヤの左手には、冷気を纏う氷剣が握られている。


「……、これ…また僕が…!? 」
間もなくして氷剣は光に消え、左手には何も残らなかった。

クロウクは笑い、サヤにさらに近づいた。

「はは、何だァ、その妙な力は?! 詠唱無しに魔法を発動させるとは…」

シノンは返り血を袖で拭って言う。
「魔神族の末裔さ」

クロウクはシノンを一瞥して、サヤの前髪を掴んだ。
「ほう、お前は神の末裔の一人だったか。それなら今の奇妙な事態も説明がつく」

サヤはクロウクを睨み、声を張り上げる。
「くっそ…、離せ、離せ!!」

クロウクは暴れるサヤを見下ろし、
「黙ってろ、化け物が!」

サヤの動きがぴた、と止まる。

化物。

「ばけ、ものだって…?!」
「そうだ化物。奇妙な術を使う化物だ。もっとも、イリカ様は貴様を救世主などと呼ぶだろうがな」

嘲笑う。


サヤは唇を強く噛む。



血が滲む程に、強く。強く。





刹那、サヤの髪を掴む手が内側から爆発し、手首から先が吹っ飛んだ。

切断部は焼かれ、血すら出ない。
ボト、と手が地面に落ち、ようやくクロウクは悲鳴を上げた!

「うぅわぁぁぁぁあああああぁぁあああぁぁああああああぁああ!!」

シノンは突っ立っている。

突っ立っている事しか出来ないからだ。


サヤの周りは異様な威圧感があり、近づくのもままならない。




『化物だって? 僕が化物? は、はは、ふざけるな、ふざけるなよ!』



別人だ。


普段は落ち着いている、普通の少年とは思えないほどの殺気。



「ひぃっ!」
クロウクは情けなく声を漏らし、吹き飛んだほうの腕を前に突き出した。
サヤはクロウクに近づき、サーベルを振り上げた。

「わ、悪かった! 化物なんて、う、嘘だ、だから、だから命だけ、  あ  」



首が跳んだ。




鈍い音を立てて、頭が地を転がる。

その表情は恐怖を刻んでいる。




『はははっ、お前等は僕を何と呼ぶんだ?はは、勇者か? 救世主か? 神か!? それとも化物か!? はは、ははははははは!』


笑う

笑う

笑う。

シノンの周りに居た兵士は、悲鳴を上げて逃げ出していった。

サヤは逸れをつまらなさそうに見た後、力が抜けたように前のめりに倒れた。









少年の青い髪は、赤色に染まっていた。












続く。。

後書き

まぁた微妙な…
それにしても時間がたつのが遅いなぁ。
サヤ君がやっと主人公らしく…。。

この小説について

タイトル 僕と寝ぼすけ男
初版 2007年2月15日
改訂 2007年2月15日
小説ID 1301
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霜柱 光の写真
ぬし
作家名 ★霜柱 光
作家ID 97
投稿数 45
★の数 104
活動度 5973
まったりファンタジー。
最近幽霊部員と化してましたが生きてます。

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