糖度高めのSS - 恋と月夜と綾女と

「……愛してる、大好きだよ、行哉」

<恋と月夜と綾女と>

「はぁ〜……、綾女に会いたい……」
「行哉の口から出るのは、それだけね」と母さんが言う。
 外を眺めながらそんな事をふと言葉に出す。
 今は春休み。
 大学が休みなのは嬉しいけど、綾女に会えないのは寂しい。
 こんなにも綾女の事が好きなのに会えない。
 水樹奈々の曲とか聞いて気を紛らわしても、選曲に失敗すると胸がナイフで突かれる感覚がしてとてもイタイ。
 連絡してもタイミングが悪いらしく、ダメらしい。
 友人たちと梅田や日本橋へ行っても楽しく感じない。
 マジックアカデミーっていうクイズゲームをやっても、楽しくない。
 そのゲームをやり始めたのは綾女の影響だ。
 彼女が面白そうにやっているから、やってみようとやってみたら面白くて気が付けば5回ぐらいやっていた。
 そして、正解不正解でコロコロと表情を変える綾女が好きでゲームを止めて彼女を眺めていたこともある。
 ……そればっかり思い出されて、ゲームの結果はいまいち。

 家に帰ってボーっとしてみると、綾女の笑顔しか出てこない。
 黒色の腰まである長い髪。顔立ちは可愛く、身体つきは細くもなく太くもない普通。
 それ故に胸の大きさは誇れるほどじゃないが、表情豊かで笑ったり泣いたりが激しい。
 お涙頂戴モノでも平気で泣く。しかも鼻をぐしぐし言わせながら。
 そして新喜劇を見ると大笑い。漫才でも大笑いする。
 何事にも興味津ってコトは、好奇心旺盛ってコトなのかな。
 そればっかり思い出して、想像でその寂しさを埋め立てているのが余計に寂しい。
 恋するとどうしてこんなに辛いんだろう。

 実のところ、デートは何回もしているが、キスまでたどり着けたことがない。
 キスしようと思っても緊張して出来なかったり、時間がなかったり、タイミングが悪かったり。
 なんでこんなに好きなんだろう。愛しいって感情が溢れ出てくる。
 寂しいから会いたい……。

 ◇

 心に黒い雨雲がかかって全く晴れない。
 遂に夢にまで綾女が出てくる。というより最近の夢はそればっかり。
 会いたい気持ちがそうさせているのか、デートしてキスしてその先まで行って……。
 夢の中は凄く幸せなのに、目が覚めるととても寂しい気持ちになる。
 起きて全て夢だと思わされるとどんよりしてしまう。
 そんな毎日が嫌になる。

 ようやく会えたのは、月が出た夜の事。
 綾女は月ばかりを見ていた。
 一人で見るのがつまらないから誘われた男友達みたいな立場の俺。
「……楽しいのか?」
「うん、楽しいよ。行哉も見たら?」
 そう言われて見ると、月が綺麗に映っていた。
 ……確かにコレはコレで楽しいのかも、な。
「ねえ、行哉」
「何……?」
「キス、しようか。ずっとしたくて溜まらないんだ……」
「えっ……。あ、うん」
 俺と綾女はお互いに顔をゆっくりと近づけて、零距離になって唇が触れた。
 ファーストキスは数秒だったが、綾女とキスできたのが嬉しくして仕方なかった。
「……愛してる、大好きだよ、行哉」
「俺もだよ、綾女」
 そう言って綾女の唇に触る俺。驚いた顔をしているのかな、きっと。
「ゆ、行哉ッ!? い、いきなりのキスは反則だよっ。仕返ししてやるぅ!」
「ちょっ……、やめっ! うわっ!?」
 押し倒されてキスされた。
 しかもやたら長く、舌まで入れられた。
「はふぅ……。倍返し〜♪」
「こっ、こらっ。こっ、このっ! このまま家に引き込んで食べるぞっ」と言うと綾女は顔を真っ赤にした。暗くてもよく分かった。
「行哉ぁ、それいきなり言わないでよ、吃驚するじゃないっ」
「お前が悪いんだろうが、お前が……」などと言っている俺も顔が赤いんだろうな。
「……でも行哉のコト、大好き」
「俺も綾女が大好き。なんだったら叫んでもいいんだぜ?」
「それは近所迷惑になるから止めて」
「はは……。それぐらい好きだって言いたいの」
「んもうっ、行哉の馬鹿ァッ……♪」
 ……すげぇラブラブじゃねぇか、俺たちよ。

 ◇

 それから毎日と言って良いほど、会うようになった。
 二人っきりの時は思いっきりいちゃつく。抱きついたり、キスしたり。
「……行哉」
「……綾女」
 お互いの名前を呼んでキス。そのまま、舌を絡めあうディープキスへ流す。
 舌と唇を離すと、口から唾液が漏れた。
「ちょっと、エッチな気分になっちゃうね」
「まぁ……、仕方ないんじゃない。でも、こういうコトしたくなるぐらい好きだって分かって欲しいな」
「うん……」
 その後、耳元で「愛してる」と囁かれた。
 聞いた瞬間、一気に心臓を鷲掴みされたような気持ちがした。
 無理に抱かなくても幸せだし、満足しているからこのままでもいいんだ。

後書き

どうも、蒼井幹也です。
こうなるとベッドシーンとかも書きたくなるけど、いらないですよね?(汗
また宜しければどうぞ。それと↑に関しての意見も出来ればお願いします
ではでは

この小説について

タイトル 恋と月夜と綾女と
初版 2007年3月28日
改訂 2007年3月29日
小説ID 1409
閲覧数 1022
合計★ 10
蒼井幹也の写真
ぬし
作家名 ★蒼井幹也
作家ID 12
投稿数 49
★の数 87
活動度 6308
初期からいる人

コメント (5)

★トリニティ 2007年3月28日 13時36分19秒
甘すぎて、甘すぎて小豆を炊いてしまったァァアア!(意味不明

以前、蒼井さんの作品に影響を受けて作品を書いたことを遅ればせながらここに報告します。
もーうなんか終始いちゃいちゃらぶらぶ。
見ていて赤面通り越して顔が溶けてしまうような内容ながらもリアルな恋愛模様を見られた気がしました。

今度は是非、女性視点からの作品を書かれてみてはどうでしょうか?
★シキ 2007年3月28日 16時18分04秒
さ、砂糖が…!? どうも、お久しぶりです。そして血糖が上がりました。どうしてくれるんですか!!
★冬野 燕 2007年3月28日 20時16分41秒
 甘い! 甘すぎる!
 ラブラブだけのワンパターンなのにこっちが顔を隠したくなるよーぅ。
★蒼井幹也 コメントのみ 2007年3月29日 16時20分54秒
コメントありがとうございます。

>トリニティさん
作品に影響受けて書いた?! おお、それはそれは
いや、別に良いですよ。がんがん影響受けてください(笑)
女性視点の奴は、書き上げましたよニヤニヤ。

>シキさん
なんか、大分お久しぶりな感じですなw
あ、血糖上げちゃってゴメンね。でも死んでも責任は取らないよ?(ぉぃ

>冬野燕さん
書いた俺自身でさえ、後で見たら「うはwww恥ずかしいもん書いてたな俺www」って感じですから(笑)
★川原晴輝 2013年4月14日 6時38分23秒
こんにちは。コメントさせて頂きます。うぅ。憧れるぅ!!!
見ててこっちが恥ずかしい

»後書き
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