僕と寝ぼすけ男 - 僕と寝ぼすけ男

ああ、僕はなんで…。
頭が痛い。

ぐちゃぐちゃになった僕の顔は、さぞかし醜いだろう。
燃え上がる炎と肉の焼ける匂いがフラッシュバックする。



気持ちが、悪い。








僕と寝ぼすけ男










「ゥ、おえッ!」

吐いた。

ビタビタ、と気色の悪い音を立てて吐捨物は広がっていく。
乾ききったカーペットは吐捨物を吸い、変色していった。

「は、ああ…、ああぁ…」
サヤは頭を押さえて、嗚咽を漏らした。
ぐしゃぐしゃと青い髪を掻き毟る。

「ぅわああああぁぁあああぁぁぁああああっ!! 」

ガチガチと顎が震える。
「僕は……、僕はァァああぁァアッ!! 」














************************

炎が轟々と燃え盛る。

蒼い髪を長く伸ばし、一括りにしている男が、前に立っていた。
「サヤ、無事か? 父さんが、絶対にお前をこの街から出してやるからな…!」
『父さん』は、細身の剣を中段に構えて、向かってくる人間を切り伏せた。

赤い服を着た、軽装の男たちが所々に倒れている。
恐らく『父さん』が殺したのだろう。
「エリザ、早く来い!」
『父さん』が女性を呼んだ。
女性は、美しい顔立ちで、プラチナブロンドの髪を肩の辺りまで伸ばしている。

「フロワード、もう無理! 村の出口にはもう火が…!」
「私の魔法で消す。万が一私が死んだときに、母親のお前がいなくてどうするんだ!」

『父さん』―――――フロワード―――――は、『僕』を抱え、走り出した。

「おお、まだ生きていたのか。こりゃ大したネズミだぜ」

街の入り口に、どっかりと腰を下ろしている男が『僕』たちを睨む。

「貴様がリーダーか」
フロワードは目を細めた。
男はひるまず立ち上がり、手に持っていた酒瓶を振った。
「ハッハァ、わかったか。そうよ、俺がこの街を襲わせた」
フロワードは無言で剣を構えて、『僕』を下ろした。

「おい、魔神族の族長さんよぉ。そんな安っぽい剣で俺を倒せると思ってんのか」

男の挑発にも乗らない。
男はツバを横に吐いて、眉を吊り上げた。
「さっさとその腰に下がってる剣を抜けよ。聖剣エミリアをながぁ?! 」

鼻の骨はへし折れ、粘り気のある鼻血を流した。
フロワードが男の鼻を剣の鞘で殴ったのだ。
男は鼻を押さえ、フロワードを睨んだ。

「これを受けても、聖剣を抜けとほざけるか」

体が凍るような冷たい眼だった。
「ヒィッ?! 」

男は短く悲鳴を上げたが、直ぐに口をゆがめて、『僕』の服の襟首を掴んだ。

「お、おい、コイツ、お前のガキなんだろ? ガキの命が惜しければ…!」

酒瓶を割り、男は瓶の破片を『僕』に突きつけた。


フロワードは眼殺せんとばかりに男を睨んだ。
だが、男に剣は振るわなかった。

喉の奥から搾り出されたような声で、「貴様…!! 」と言うだけ。

男はそんなフロワードのそんな声を聞き、
「ハハァ、そんなにガキが大切か。なら武器を捨てろ! はは、はははは!!」




しかしフロワードは、剣を構え直して走り出した。








続く

後書き

久々です。最近やる気が全く起きないのでスランプ気味です。
コメントくださると元気が出ます。
ううわぁぁ・・・・

この小説について

タイトル 僕と寝ぼすけ男
初版 2007年3月29日
改訂 2007年3月29日
小説ID 1413
閲覧数 918
合計★ 3
霜柱 光の写真
ぬし
作家名 ★霜柱 光
作家ID 97
投稿数 45
★の数 83
活動度 5973
まったりファンタジー。
最近幽霊部員と化してましたが生きてます。

コメント (2)

★トリニティ 2007年3月29日 13時04分38秒
フロワード、サヤが捕まってるんだぞ!?
何してんだ、アナタは!

どうも、トリニティです。
エミリア・・・カッコイイ名前ですね。
プラチナブロンドってハリーポッターに出てくるマルフォイ君と同じ色。
彼女はフロワードが走り出したとき何も言わなかったのでしょうか。
どうなってしまうのか全く分かりません。
早くコウタとのギャグが見たい!
★霜柱 光 コメントのみ 2007年3月29日 14時35分46秒
ども、寝癖がどうも取れない霜です。
前編と後編に分けたのでまた妙な所で終わってます。
まぁ、何故フロワードが走ったかは次で解ると思います。
エミリアですが…。そうだ、サヤくんのファミリーネームまだ出してなかった!あ、あ、ああぁー…
最後の所…、エリザの事忘れてたよ!(ぅわ
ギャグ書きたいなぁ…。番外編でも書いてみようかな??
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