糖度高めのSS - 彼女と彼の場合

<彼女と彼の場合>

「……またボーっとしてたでしょ。ねぇ、私の話聞いてた?」
 私の友達−如月佳奈美はそう言った。
 で、今、私たちはラウンジでまったりしていた。
「全然」
「はぁ……。深草君に夢中になるのはいいけど、人の話ぐらい聞きなさいよ」
「ごめん。で、何の話?」
「そこから話すの!? 面倒くさいわよ、何考えてるの?!」と佳奈美は怒ったように言った。
「だって、佳奈美の話の最初からずっとボーっとしちゃっていたんだもん」
 佳奈美はまた溜め息をついた。
「佳奈美ー、溜め息ばっかりついてると幸せ逃げちゃうわよ?」
「うっさいわねー。アンタのせいでしょ、あ・ん・た・の・!」
「ひゃうっ!? そ、それだけは勘弁してー。うきゃー」
 口の端を掴んで横に引っ張られた。
「うー……っ」
「あのね、さっき言った話はね――」
 唸りを無視してさっきの話を続ける佳奈美。
「……という訳よ」
「それで?」
「『それで』って……。冷たいわよ、瑞葉ぁ!」
「ごめん。佳奈美の話、私からすればホントどうでもいい話だったから」
 私−高槻瑞葉は言った。
 佳奈美の話した内容は、彼と上手くいかなくてどうしたらいいって話。
 順調に付き合えている私にはどうでもいい話。
「けど、一つ言うならその原因を探れば?」
「……あ」
 単純馬鹿だ、この反応……。こっちが溜め息つきたくなるよ、佳奈美。

 ◇

 で、私の彼氏は深草知希。
 佳奈美みたいに馬鹿だけど、彼の場合は理解力が低い。けど優しいの。
 話を聞くと女の子と関わることが少なかったらしくて、私の前で話すコトも緊張したらしい。
 でもそんな彼が好き。そりゃ、会って抱きつきたいぐらい。
 ……キス? もうしたよ?
 最初のうちはぎこちなかったけど、今はすっとキスできる。
 はぁ〜……、知希に会いたい……。

 知希と授業がダブっている時は、幸せのひと時。
 知希の隣で授業を聞けるから。
 でも、知希は私がいるのにわざとなのか分からないけど、気づかずに授業を受けている。
 それが少し寂しい。大好きな子が近くにいるのに……。

 授業が終わると、知希にベッタリくっ付く。
「ちょっ、瑞葉!?」
「いいじゃない、べっつにぃー♪」
「……全く。可愛い奴……」
 そう言いながらもくっ付いた腕を放さない私の彼。
「ねえ、知希はまだ授業があるの?」
「あるよ。お前と一緒のな」
「あ、そうなんだ♪ それじゃ、一緒に行こう?」
「そうだな、どうせ一緒なんだしな」
 満面の笑みで知希と一緒に歩く私。
 知希といる一瞬一瞬が凄く幸せに思う。……愛してるから。

 放課後はわがまま言って一緒にいてもらった。
「……キスしたくなっちゃった。周りに誰もいない?」
「いないけどって……お、おいっ……」
 ちゅっ、と知希の唇に軽くキスした。
「えへへ……♪」
「………。は、恥ずかしいな……、なんか」
「まだ恥ずかしいのぉ?」とニヤニヤしながら言う私。
「どうしてもさ……。キス……した後って、瑞葉の顔を直視出来ないから」
「え? なんで? 私は直視できるよ?」
 顔を赤くする知希の顔を覗き込んで言う。
 なんかどんどん赤くなって、ゆでダコみたいになってる。なんか可愛い……。
「……頼むから止めてくれぇ」
「いーやーだー♪」
 ここぞとばかりに甘えまくる。
「ああっ、もうっ!」
「――!?」
 え……。抱きしめられてキス……!?
 いきなりの事で驚く私。
 でも、悪くないって思えた。
 知希からキスしてくれるの、ずっと待ってたから。

 ◇

 家に帰ると、どうしようもなく寂しさに襲われる。
 ずっと知希の傍にいたから離れると寂しい。
 家に居ると四六時中、無意識の内に知希の事を考えちゃう。
 大好き……。知希の事が……。

 ある時、私はいつか来る時の為の下着を買ってみた。
 買ったのは黒色のブラとショーツにスケスケのベビードール。
 スケスケのベビードールを試着してみたら、ちょっと扇情的じゃないかなーって思ったけど深草知希(あの莫迦)ならこれで落ちるでしょ、とか思ったり。
『これだけスケスケだと見せた瞬間に「いただきます」なんて言われちゃったり……♪』
 細い上に胸大きいですから私って。
 ベビードール着て一人妄想できゃあきゃあ言ってしまって、後で少し恥ずかしい気分になった。
『……とりあえず、これはしまっておこう』
 それをタンスにしまい、その後、窓の外を眺めた。
 知希、どうしているんだろう……。私は知希の事、ずっと想ってるよ。
 だって愛しているから。知希も私の事を考えてくれなかったら割に合わないもん……。
 ……今、会いたいって言ったら迷惑かな。
 そこで私は知希にメールを送ってみた。
 返事は「俺もだから来ちゃっても良いんじゃない」と。
 その後の行動は早かった。
 下着を履き替え、はやる気持ちを抑えながら知希の家へ向かった。

 知希の家に着いて、知希の部屋に入る私。
「……どうしたのさ、急に会いたくなったって」
「何となく、そう思ったの……。だって、知希のこ――」
 言葉を遮るように抱きしめてきた知希。
「それ以上言わなくても分かるよ……。俺の事、好きでどうしようもなくなったんだろう?」
「う、うん……」
 そっと抱き返す私。知希の鼓動が近くで聞こえる……。
 私、なんでこんなに知希が好きなんだろう……。
 きっと訳わかんないほど好きなんだよね……。
「……知希」
「何?」

「……大好き、愛してる」

 知希の首元に腕を回して、そっと彼の唇に触れる。
 愛してる、って気持ちがどんどん溢れてくる。
 もう知希しか見えない。
「……俺もだよ、瑞葉」
「ずっと……。ずっとだよ、知希……」
 わざと胸元を開けて知希に抱きつく私。
 黒色のブラが知希の目に映っているかな?
「……瑞葉、それは……わざとか?」それに頷く私。
「わざと、か……。それじゃ……いいよな……?」
「え……。あ、うん……」

 その日の夜に見た夢は、知希と結婚する夢だった……。

 ◇

 私はあの夜の後、今まで以上に知希にくっ付いていた。
 知希も授業中、意識して私の方向いてくれるようになったし。
 なんかわざとらしく、手とか触ってくる。
「もう、知希ぃ……」と言うと、知希はノートを見せてきた。
 そこには、
『お前の手、細くて綺麗だな。……ま、全身を見た俺が今更、って感じだけどさ』
『ま、わざとらしく手に触ってくるのもお前に全てを預けられるからさ。愛してるぜ?』と。
 ……凄く顔が赤くなった。
 私はそのノートに『バカ知希ッ……! 何度も「愛してる」って書いてやろうか!?』と書いた。
 それを見て知希は『ははっ、いいぜ別に。俺だってお前のノートに「愛してる」って何回でも書いてやるぜ』と返ってきた。
 私は大きく『知希のバカーッ!! もう、愛してるって書きまくってる!』と書いてずっと「愛してる」って文字を書きまくってやった。

 ……結局、私たちは授業どころではなくなってしまい、佳奈美にノートを写させてもらう羽目になった。
「……このバカップルが。『いっぺん死んでみる?』って言ってやろうか、ええ?!」
「何怒ってるんですか、如月さん」
「あ・ん・た・ら・の所為でしょうが! 瑞葉も瑞葉だけど深草くんも深草くんもね!」
 佳奈美は怒っていたけど、そんなに言うほど怒っていないような気がする。
 そう言った後の佳奈美は少し笑っていたから。
「それにしても、ホント瑞葉は羨ましいわね」
「え、どういうコト?」
「……良いから写す!」
「ハイハイ」

 その後、知希と共にラウンジに向かった。
「知希」
「ン、なんだ瑞葉?」
「あ・い・し・て・る」
 周りの目を気にせずに、知希にキス。
 私はもう、知希を見ると抑えが効かなくなっちゃった。
 知希に恋する心はもう誰も止められないわ。周りが何を言っても気にしないもん。
 大好きだよ、知希……♪

後書き

どうも、蒼井幹也です。
高めのSS第3弾。今度は女性視点で書いて見ました。
尚、これは俺自身の妄想なので違う部分は多くあると思いますが、宜しければまたコメントどうぞ。ではでは。

この小説について

タイトル 彼女と彼の場合
初版 2007年3月29日
改訂 2007年3月29日
小説ID 1414
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ぬし
作家名 ★蒼井幹也
作家ID 12
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活動度 6308
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