僕と寝ぼすけ男 - 僕と寝ぼすけ男

僕は全部思い出した
父さんの事も、母さんの事も。
そして、この街の事も。

だけど、ここにも、僕の居場所なんて、ない。







僕と寝ぼすけ男








―――――時は少し戻る…。レリーフ城―――――



「女王様、クロウクが殺されたとの報告がありました」
女王――イリカ――の乳母、シャーンが頭を下げた。

「そんなこと、とうに解っている事ですわ」
「誰かを向かわせたのですか?」
イリカは赤いワインを揺すり、唇を吊り上げた。


「ふふ…、彼女は完璧よ。私が望む事を必ず叶えてくれる」
シャーンは頭をさげたまま、
「と、申されますと、やはり…」


「ええ。『死体使い(ネクロマンサー)』のジュリア」


イリカの口にワインが注がれていく。



「彼らは完璧に、私の手中に納まるのよ」















―――――時は進み、廃墟ガンシェル―――――


「サヤ、見てみろよっ! コレ」
なかなか目覚めないコウタを叩き起こし(実際叩くどころではなかった)、サヤが思い出した記憶を話し終えた。

そこで、サヤの看病につきっきりであまり屋敷の捜索を出来なかったので、今捜索に至っている。


「すっげー綺麗なレイピアじゃねぇ?」
コウタが鞘から抜いて見せ、ひゅ、ひゅ、と空を斬った。

シノンがコウタの手からレイピアを奪い、刃をなぞった。
「これってさ、サヤ君のお父さんの剣じゃないのかな? 話にあったろ?」

透き通るような白銀の刀身に、純金でできた鍔に描かれているジェルベ模様(サヤの部屋に入るドアにあったもの)

柄頭には丸い半球型のジェムがついている。





間違いない、聖剣エミリアだ。




「持って行っちゃえば? サヤのお父さんのなんでしょ?」
サヤはシノンから鞘に収められた聖剣を受け取って、
「で、でも、僕は…」
「一族のお宝みたいじゃん? ここは後継ぎのサヤ君が持っとかなきゃ」
シノンがサヤの腰のサーベルを抜いて、刃をなぞってサヤに見せた。
「ほら、この剣だって刃毀れしてるし。使っちゃおうよ」
コウタはふらふら色んな物を物色している。
「うを! スゲェぞコレ! 片刃両手剣じゃねぇか!」
一人で盛り上がっている。

「僕、レイピアの使い方なんて解りませんし…」
「俺が教えてあげるって〜。史上最強天才美少年剣士シノン様にお任せぶわぁ!?」
ゴン!! とシノンの顎に高価そうな青銅の壺がぶち当たった。

「なぁサヤ、コレすっげカッコイイから持っていっていい? …………あれ? 俺、ピンチ?」
「ふ、ふふふ。死にたいのかなぁコウタは……?」
シノンはコウタの手にある壺と取り上げ、キッ! とコウタを睨んだ。
    少し涙ぐんでいる。痛かったのだろう。

「こんなモン持っていったら邪魔になるだけでしょうがこンのバカ弟!」
「うわぁぁぁ、兄貴がキレた! サヤ助けてー!」




       第一回、シノンお兄ちゃん(25)説教大会。



















「笑ってられるのも、今のうち。久しぶりね、サヤ…」
綺麗な金髪を、ピンクのフリルがついたリボンで2つ結びにしている。
同じピンクのエプロンドレスを着込み、華奢な体躯にはそぐわない大杖を携えている。
右手に大杖。左手に、



青色の髪をした少年の人形。
目を大きなボタンで作っている。が、片方は糸が緩み、だらんと口元に垂れ下がっている。
人形の腰の辺りには革のホルスターにコンバットナイフを刺している。
恐らくモデルとなった少年が使うサーベルに見立てたものだろう。



「うふ、うふふ。逃がさないわよ、うふふふ」









続く

後書き

シノンがお母さん口調です。
テスト終わったので続きを。。

この小説について

タイトル 僕と寝ぼすけ男
初版 2007年4月11日
改訂 2007年4月11日
小説ID 1461
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霜柱 光の写真
ぬし
作家名 ★霜柱 光
作家ID 97
投稿数 45
★の数 104
活動度 5973
まったりファンタジー。
最近幽霊部員と化してましたが生きてます。

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