狐遊び - お昼寝

陽射しが強まり。
空は快晴。
絶好の遊び日和。
絶好の昼寝日和。



昼時、僕は部屋で本を読んでいた。
「…………」
穏やかな午後なんだけど、何か物足りない。
いつもはバタバタと納狐が走ってくる音が聞こえて来る筈なんだけど。
うん、珍しく今日は聞こえない。
「少し……様子でも見てみようかな」
パタンと本を閉じ、布団の隣に置くと、僕はゆっくりと納狐の部屋まで歩いた。
結局、なかったらなかったで物足りないものだ。



「あれ?」
部屋を覗くと誰の姿も無い。
だとすると……居間か台所か庭かな。
とりあえず、居間と台所を見に行ったけど、誰もいなかった。
残るは庭か。
「…………」
結論を言うと、いた。
庭ではなく縁側に。
気持ち良さそうに昼寝をしながら。
「ん……」
納狐が小さく寝返りを打つ。
「こんなに天気よかったんだ」
僕は空を見て呟く。
透き通るような青空。
よし、ここで先の続きでもしようかな。
僕は一度部屋に戻ると、布団の隣に置いた本と枕と薄い毛布を取って縁側に向かった。



お茶を飲み、茶菓子を食べて、本を読む。
隣には毛布をかけられ、枕を抱える様に寝ている納狐が居る。
「平和だなぁ……」
小さく呟くと、本を閉じて寝っ転がる。
すぐ隣には納狐の顔。
「ん……イコ……」
小さく小さく納狐が呟く。
「ん? 起きた?」
「…………」
納狐からは反応はない。
……寝言かな。
「僕も少し寝ようかな」
僕はゆっくりと目を瞑る。
陽は暖かくて、眠気はすぐにやってきた。





「……!?」
目を開けるとイコが居た。
目の前に、凄く目の前に。
ちょっとでも近付くと、オデコがぶつかるくらい近い。
「イコ?」
小さく呼び掛けてみるけど、寝息だけが帰って来た。
……寝てる。
「…………」
私はイコの顔をマジマジと見る。
髪からオデコ、マユゲと目からハナ、顔全体。
最後に口元に目がいく。
後少しだけ前に行けば……。
「あはは……なんてね。変な事考えてないで、もう少し寝よっと」
私は後ろを向くと、また眠る事にした。
結局、私は臆病だったみたい。
でも、それでいいかなって思った。
「……う〜」
とりあえず、横になって目を閉じてみるけど、なんだかすっかり目が覚めちゃった。
どうしよう?
私は体を跳ねお越し、空を見た。
風は冷たい。
空は少しだけ薄暗くなってきた。
「風、気持ち良いな」
小さく呟き、私の下にあった枕を、ゆっくりとイコの頭を持ち上げて置いた。





「……あれ?」
冷たい風で目が覚める。
いつのまにか僕の頭には枕があり、目の前にいる筈のナコが居ない。
今何時なんだろう?
体を起こし空を見る。

──とても綺麗な茜色。
──金色の髪が風になびく。
──彼女は庭で手を広げて立っていた。

時間が止まった気がした。
あまりに綺麗すぎて、僕は呼吸をするのも忘れた。
彼女はクルリと振り返り、僕を見た。
「おはよ、イコ」
「おはよう、納狐」
納狐は笑い、僕も笑う。
穏やかな一日。
眠りすぎた一日。



暗くなり始めた空。
夕食時。
狐達は縁側に座り。
暮れゆく空を見ていた。

後書き

はい、こんばんは。
月鏡です。
ここまでよんでい頂いてありがとうございます。

物語の大筋となる話を作ってたらまたしばらく更新してませんでした。
今回はお昼寝をテーマに書いてみました。
お昼寝っていいですよね〜。
草むらとか川原で日光当たりながら昼寝でもしたいです。

この小説について

タイトル お昼寝
初版 2007年12月25日
改訂 2007年12月25日
小説ID 1761
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