夜に咲く花 - 第五話 焼き鱈+レトルトカレー=楓の腹の中

「兄貴遅ーい!」  スパァァァン!!
急いで家の玄関の扉を開けると、いきなりスリッパで思いっきり頭を叩かれた。
「ごめん、悪かったよ。……って、お前、何食ってんの?」
「ん?焼き鱈」
………焼き鱈……?高一の女の子が、焼き鱈……?ま、まぁいい。そのことはおいといて……。
「……お前、それ親父のじゃねぇの?」
「そーだけど」
「親父、楽しみにしてたじゃん。焼き鱈」
「………」
楓は、左手に持っていた五本の焼き鱈のうち、三本を静かに、そしてゆっくりと俺にくわえさせた。
「なにしてんの?」
俺はされるがままに三本の焼き鱈をくわえる。
「おいしい?」
「おいしい」
もぐもぐと食ってしまう俺。
まぁ、確かにおいしいけど……。
「うまい?」
「うまいけど……?」
楓は左手のスリッパを足にはめ、その手でそのまま俺を指さして、
「共犯」
……。……?
「おい、コラ待て」
「ってか、主犯ね」
……謀られた―――!!?
「おいおい」
楓は残りの二本を食べながらリビングへ戻っていった。
俺は靴を脱ぎ捨て、後に続く。
「主犯はお前だろ?俺やだからな!親父きっとすっげー悲しそうな顔すんぞ!?」
リビングに入ると楓は食卓テーブルについていた。そのテーブルの上には空になった焼き鱈の袋が置かれていた。
……全部食ったのか……。200g……。
「もー。男は小さいことにいちいち文句ばっかり言わなーい!!」
楓はその袋をゴミ箱へと捨てる。
「………」
何となく返す言葉が見つからなかった。
何か悔しい気がする。理不尽だ……。
「お腹減ったー!今何時だと思ってんのー?」
「楓はテーブルの上にバタリと倒れる。
「今焼き鱈食ってたんじゃねーのかよ」
俺はソファに鞄を置き、学ランの上を脱いで、その上においた。
「アレはおやつ。これからご飯!」
……まぁ、いいか。不思議なことに食欲はあるのに太らないんだよなぁ。母さんの血か?
「……何食いたい?」
「んー……グラタン」
「今から作れるわけねーだろ」
「えー……じゃあ――」
「今日はレトルトカレーな」
俺は台所に立ち、鍋に火を掛ける。
「えー!?じゃあ聞くなー」
「お前に聞いたら手間のかかるものしか言わないしな」
「ブーブー」
「……子豚ちゃん、カレーの辛さはどーすんだ?」
「中辛ぁ」
「……ハイハイ」
俺は深くため息をついた。
こいつにいつか料理教えなちゃなー……。

「ハイ、おまちどー様です、お姫様」
俺は楓の前に乱暴にカレーを置く。
「うむ、ご苦労ご苦労」
楓は偉そうに頷き、カレーを食べ始めた。
ご苦労って、姫じゃなくねぇ?
「お前も料理ぐらい覚えろよな」
俺はため息混じりに言った。
「なによぉ〜。私が料理したらどーなるかわかってんでしょー?」
「うん。爆発するな」
俺はコップに水を注いで持って行ってやった。
「それは大袈裟!!」
「いや、なかなか適切だと思うぞ?」
「むー……」
返す言葉がなくなったのか、自分でもそう思ったからなのか、楓は低くうなった。
「ハハハ!」
高笑いしてやった。我ながら大人げない……。
「……ところで兄貴、今日は何で遅くなったの?」
楓はその場の心地が悪くなったらしく、話をそらした。
「あー。またコンビニに不良がきてさー。でも何で?心配したか?」
ニヤニヤして聞いてみる。俺はどこぞの親父か……?
「うん。晩ご飯まだかなーって」
……ひでぇ。
「……お前、人のことご飯運んでくる何かだとおもってねぇ?」
「で?その不良はやっつけたの?」
……話しそらしやがって……。
「まぁな」
「……でもそれだけでこんな遅くなる?」
「あー……女の子を家まで送ってたんだ」
「げっ!?彼女……じゃあないよね」
「違うけど……」
即否定か。気に入らねぇ……。
「ふ〜ん」
楓は、食べ終わって、水を飲み干してから、台所に皿を片づけにいった。
「その子かわいかったの?」
「そりゃあもう」
俺はあえて真顔で言う。
「ふーん。聖奈さんより?」
聖奈さんはバイトの先輩だが、楓は俺のバイト先に何度か来るので、聖奈さんの事は知っている。
「う〜ん……。タイプが違うな。聖奈さんは可愛い系だろ?俺が今日会った人はきれいなんだ。うん」
俺は腕を組んで頷く。
「……兄貴、なんかキモイ」
「は?」
……何だ……?そのゴミでも見るような目は……?
「あーキモキモ!!先風呂入るよー。あ、あと、ほっぺにカレー付いてる」
楓はキモイキモイと連呼しながら脱衣所へ消えた。
……キモイって何だよ……聞いといて。まぁ、カレー付いてんのはキモイかもだけど……。
俺は食べ終わった皿を片づけて、皿洗いにとりかかった。

後書き

こんにちは。秋水です。
ん〜……今回はギャグ重視ですねぇ〜。しかも面白くない……。短いし……。
まぁ、次だ!!よし!

最近違う小説の事ばかり考えていて、この小説や受験勉強に全く身が入らない。。。
こんなことだから苦節(?)四年、完結した小説がまだ出来ないんですよね〜。あー困った困った。。。
いつになるかは分かりませんが、これが完結した後に番外編を書きたいなと考えています。優紀メインで。
この小説の中のキャラはだいたい好きですが、やっぱり個人的に優紀が一番好きなんです。
だからもしかしたら本当に番外編を書くかも……?
ちなみに数少ない嫌いなヤツは蓮見先輩です(ぇ

というわけで、こっちの方が、ノートに書いている方に追いつきそうなので次の次ぐらいは更新遅くなるかもです。
ではでは〜ww

この小説について

タイトル 第五話 焼き鱈+レトルトカレー=楓の腹の中
初版 2008年2月17日
改訂 2008年2月17日
小説ID 1836
閲覧数 896
合計★ 2

コメント (2)

★達央 2008年2月17日 23時03分08秒
夜に咲く花−第五話・焼き鱈+レトルトカレー=楓の腹の中を読ませていただきました。

四話目がシリアス系だったので五話目も引き継いでくるかなぁと思っていました。
しかし読んでみれば、ほのぼのとした日常ってな感じで良かったです。
でも、日常の風景を描くのであればもぅ少しヒネリを加えても良かったかなぁ。

例えば父親が帰宅して、悲しそうな顔をするとか怒るとか、自分で焼き鱈を買いに行くとかして何かしらのアクションをいれれば、文章的にも長くなりますし、よりその場面を詳しく書けるかなぁと思いました。

スミマセン・・・なんか偉そうな事を言っちゃって><
秋水 コメントのみ 2008年2月18日 13時11分19秒
>達央さん
コメントありがとうございます。m(__)m
そうですねぇ……シリアス系はもう少し後になります。
それから、父が帰宅する……というのは次回に入れようと思っていたんです。
そのままつなげて書くと五・六話合同的な長さになってしまうんです。。。
スミマセン;;
ありがとうございます。
これからはそういうところも注意して書いていきたいと思います。
勉強になります。
では、六話目を書いてきます!!
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