夜に咲く花 - 第七話 悪夢にうなされて

夕暮れの教室。
夕日が教室に入り込み、赤く染め上げる。
その中に俺と蘭丸が二人。俺は椅子に座り、蘭丸は夕日を背にして棚の上に座っている。
「なぁ、大賀」
窓から入る夕日のせいで表情は読み取れないが、真剣な口調だ。
「ん?」
俺は夕日のまぶしさに目を細める。
「あのな……その……」
何かを言おうとして口をつぐむ。
「何だよ?」
俺のせかす言葉に意を決したのか、棚から下りて口を開く。
「………お、俺……お前が好きだっ!」
「……………は……?」
しばしの沈黙……。
「……ま、まぁ、俺も好きだぞ?いつもチビチビ言ってるけど、幼なじみだしな」
「ち、違う!!そーゆう事じゃなくて……!」
……なんか、嫌な予感……。的中しないことを祈る!!
「……お前を…お前を、男として、あ、愛してるんだ!!」
蘭丸は真っ赤になって叫ぶ。
……ア、アいしテる??
俺は理解に苦しんだ。それはもう、苦しんだ。
その時、教室の扉がガラッと開けられる。あわてて振り返る俺。
「ら、蘭ちゃん……大賀……?」
そこに立っていたのは……優紀だった。
「優紀………。悪い。ずっと、俺が愛していたのは……大賀だったんだ」
「……そ、そんな……ッ」
優紀が教室から飛び出して行く。
「………!」
優紀が走り去ると、その後ろに楓が呆然と立っているのが見えた。
「……!!おい!お前何いってんだよ!?今すぐ優紀を追いかけろッ!!」
俺は立ち上がって蘭丸の両肩をつかんで揺する。
「……いや。俺は行かない。俺が愛しているのはお前なんだ」
目をそらし、ポッと顔を赤らめる蘭丸。
「うるせーよ!ポッ、じゃねぇよ!しかも、『愛』とか連呼すんな、恥ずかしい!いいからとにかく行けって!!」
俺は蘭丸を前に押し出すが、動く気はないらしい。
「くっそ、バカチビ!!」
仕方がないので、俺が説明をしに走ることになった。
……でも、説明って何を?
教室から飛び出すと、呆然と突っ立っていた楓が、俺に何かを言おうと口を開きかけるが、俺は楓の方に手をポンと置いてその横を走り抜けた。
「悪い!後でちゃんと説明するから!!」
俺は後ろを振り返りながら言う。楓はみるみる小さくなっていく。
だから、説明するって、いったい何を……?

俺は走り続けた。
走って、走って、走って、走って――。
………。
「……って、長くねぇか?この廊下!!」
走っても走っても終わりが見えない。せめて曲がり角くらいあってもいいはずだ。
いい加減、体力がつきようとしていた。
「……ハァ……ハァ、ど、何処まで続くんだよ……?」
と、そろそろあきらめようかと思い始めた頃、前方に優紀の背中が見えた。
「ハァ…ハァ、優紀!!」
俺はようやく優紀に追いつき、肩を引いてこちらを向かせる。
しかし、振り向いたのは遥さんだった。
「……え……?は、遥さん!?」
俺は驚いて後ずさりした。
すると、遥さんの体が見えて、その細い手には銃が握られている事がわかった。
「……遥さんって、呼ぶなって……」
「え?ちょっ、まっ……!」
遥さんがゆっくりと俺に銃を向ける。
「いってんだろーーっ!!」
バーーーンッ!!
遥さんの怒鳴り声と同時に銃口から鉄の玉が飛び出し、俺の胸にめり込んだ。
「……がっ…!?」
く、苦しい……。撃たれた所が、熱い……。
俺はスロー再生のようにゆっくりと後ろへ倒れながら、女の子三人が俺の方に走ってくるのが見えた。
「大賀くん!!?」
「大賀っ!!」
「……っ!!」
あぁ、聖奈さんだ……何か久しぶりに会った気がするなぁ……。
あれは、優紀!?何であっちから走って来るんだ?
そしてもう一人は……ん?誰だ?あのちっこい子は。蘭丸よりちっこいな……。……あっ!俺の隣の席の!!え〜っと……そうっ!大津あきらだ!そうだそうだ!!
あ〜スッキリ。でも妙な組み合わせだなぁ。
「……かっ!!あんた……っ!……ったの!?………のに!!」
優紀が遥さんに向かって何かと叫んでいる。俺が倒れているすぐ上でしゃべってんのに全然聞き取れない。
気付けば、視界もだんだんホワイトアウトしてきている。
あ〜、俺死ぬのかなぁ……?


「……きっ!あにき!!」
「………!!?うぎゃーーー!!!?」
気がつくと楓が俺の顔をのぞき込んでいた。
「なんだよ。うなされてたみたいだから起こしてあげたのに。もう七時半だよ?」
どうやら、一人寂しくソファーにどかっと座ったら、疲れて眠ってしまったらしい。ということは……
「フー……。じゃあ、さっきのは夢だったのか。良かった〜………って、七時半!!?」
そうなのである。梅崎家から学校まではチャリを全速力でぶっ飛ばしても、四十五分かかるので、今から出ないと結構やばかったりするのである。
「……わ、わりぃ。今日も弁当はなしだ」
俺は真っ青になって洗面所へ駆け込んだ。
後ろからは楓のブーイングが聞こえる。
昼飯おごるから許せ!と叫び、冷水を顔にぶっかける。


後書き

どうも。こんにちはw秋水です。
久しぶりの投稿ですねw
この小説を読んでくれていた方々、スミマセンでした;;
前の話を忘れてしまった方は「夜に咲く花」でご検索ください。。。
では、感想まってますw

この小説について

タイトル 第七話 悪夢にうなされて
初版 2008年4月21日
改訂 2008年4月22日
小説ID 2036
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ぬし
作家名 ★青嵐
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コメント (2)

★達央 2008年4月22日 0時58分48秒
お久しぶりです秋水さん。
なんだか凄い懐かしい感じがします。

まぁ今回も読ませていただきました。
本文はギャグ満載でとても面白おかしく読ませていただきましたが、タイトルに「悪夢にうなされて」となっていたので、完璧にオチを言っているので面白さも半減してしまったかなぁと思います。
次のシリアス系の方も期待してますので頑張って下さい!!
秋水 コメントのみ 2008年4月22日 17時28分42秒
いつもコメントありがとうございますw
そうなんですよねぇ〜……。
タイトルはかなり悩みました;;
でも、なんか一つ浮かんだらもうそれ以外はなかなか出てこないっていうのが私の悪い脳なんですね……。
もっと良く考えれば良かったですねw
次からもっと気を付けて見ますw
ありがとうございました。
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