りれしょ物語 - 9話・日曜日のデート

俺ら3人は図書室で課題を悩みながら終わらせた。御堂と煽さんはというと……二人仲良くホームズの話で盛り上がっていた。盛り上がっていたのは御堂だけで煽さんはホームズの話をしている御堂に夢中だった。そんな事を思い出していた土曜日の夜9:23。携帯に電話の着信音が俺の部屋に鳴り響いた。

「もしもし剛、今電話大丈夫?」
「ぁあ小雪かぁ今は大丈夫だよ。それよりどうしたぁ?」
「どうしたぁ・・・じゃないわよ!明日の約束は覚えているんでしょうね?」
「約束・・・?」
「まさかアンタ、ワスレタンジャナイデショウネ。」
「ちょ、ちょっと待て!今すぐに思い出すから。ぅん。」

頭の中を一気にフル回転をして前日・前々日と話していた言葉や行動を全て思い出そうとした。早く思い出さなければ小雪に何をされるか・・・じゃが旨男爵コロッケのおごりですみそうもないし、小雪拳でも足りない気がしたから。そんな事を思っていると昨日の朝の事を思い出した。

「あ!思い出した。そうだったな、明日はお前の弟の誕プレを買いに一緒に出かける約束だったな。」
「そ、そうよ!忘れてたのによく思い出したわね、褒めてあげるわ。まぁどうせ、じゃが旨男爵コロッケをおごらされるとか、小雪拳をくらわせられるとか思っていたんでしょ。」
「そ、そんなわけねえだろ。」

小雪め、アイツは超能力者か?俺の気持ちを見透かしやがって。俺の心臓はドキドキと鼓動を速めていった。

「じゃあ明日の午前10:00に鶴瀬駅に集合ね。」
「あぁわかった。それじゃあお休み。」

明日の諸連絡の電話を切った俺の緊張は一気に切れてしまい、一気に睡魔が襲い掛かってきた。携帯の時計を見てみるとPM10:03になったばっかりで、小雪とは30分電話していた。

「ふぅ・・・ねみぃ。まだ少し早いけど寝るかぁ。」

背伸びをぐぅ〜と伸ばし、部屋の明かりを消して自分のベッドにダイブした。





太陽の眩しさがカーテンの隙間から入り込んで俺の事をを照らしつけた。眩しさに俺は起きるしかなかった。

「眩しい!ゆっくりと寝られやしないじゃないか。」

太陽にブツブツ文句を言いながら小雪の待ち合わせ場所に行くための準備を始めた。家を出る時に携帯の時計を見てみるとAM9:20。駅まで約15分掛かるのだが、少し早めに行って小雪の奴を驚かせてやろうと思い、家を早々に出た。駅に着くと、一人の女の子が腕時計をチラチラ何度も見ていた。その女の子はいつも一緒にいる男勝りな奴で女の子として意識はしていなかった。でも今日のその子は白いワンピースで俺の中の完璧な女の子像をあらわしていた。それは小雪だった。

「ん?・・・お〜い剛。」
「ぁ、ああ。」

俺に気づいた小雪が手を振って合図をする。いつもとは違う小雪に対して動揺を隠しきれていない俺。

「ねぇどうしたの剛、調子悪いの?」
「だ、大丈夫だよ・・・さ、さぁ早く行こう!」

ヤバイ・・・声が上擦っている。平常心を保たなければ、俺の理性が吹っ飛びそうだ。そんな事を考えている俺の横では、無邪気に笑う小雪の姿が妙に嬉しくなっていつしか俺も笑っていた。いつもように笑い合うようになった俺たちは鶴瀬駅→東京・池袋まで電車に乗り込んだ。

「なぁ小雪、弟にプレゼントする物って目星はついてんの?」
「ついてる訳がないでしょ!目星がついていたらアンタなんか誘わないわよ。」
「そりゃそうだ、ハハハ・・・。」

こんなどうでもいいような話をしながらいろんなショップを歩き回った。夕方になるまで楽しい時間を過ごしていた俺たち。半分以上小雪の弟の誕生日プレゼントの事を忘れていた。

「あ!そういえばさぁ、お前の弟って絵を描くのが好きじゃなかったっけ?」
「そういえば・・・じゃあスケッチ・ブックにしよう。」
「結局、安上がりな物で終わっちまったな。」
「ハハハ、そうだね。でもアイツにプレゼントするんだからこれぐらいで十分だよ。」
「じゃあ飯食って帰るか。」
「ぅん!」

そう言ってスケッチ・ブックを買った店に近いファミレスで食事を済ましてまた電車に乗り込んだ。飯代は・・・もちろん俺が財布となった。電車の中では小雪の口数が減って大人しくなっていたので、俺は疲れたんだろうと勝手に思っていた。これから起こる事も知らないで・・・。

「じゃあな小雪、また明日な!気をつけて帰るんだぞ。」
「待って・・・。」

小雪が待ってと言い放ち、俺の服の袖を摘むように掴んできた。小雪の行動に驚きを隠せない俺だったが、やさしく問いてみた。

「どうした小雪?」
「・・・・・・・・・ボソリ。」
「えっ、なんだって?」
「少しでいいから送って・・・。」
「・・・・。」

それ以上なにも言えなかった。あんなにさっきまで笑い合っていたのに、急に顔を赤く染め上げて俺の後ろを追うようにして歩く小雪。どうしていいか分からずにとりあえず前を歩く。

「剛、送ってくれてありがとう。ここでいいよ。」
「でもお前ん家まではもう少しあんだろ?家まで送ってやるよ。」
「ぅぅん、ここでいいよ。」
「そうかぁじゃあな。」

来た道を引き返していたが急に小雪の事が気になり、小雪を見ようとした。そしたら、目の前に小雪がいて俺の後をつけていたみたいで、驚く暇もなく抱きつかれて俺の唇と小雪の唇が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

−ジリジリジリ。
時計の煩い目覚ましが部屋中に鳴り響き、ビックリして飛び上がってしまった。

「ハァ、夢かぁ。」

起きた時には体全身が汗ビッショリでかなり最悪なお目覚めだ。あの夢を見た後に小雪と会うのも凄く不安だ。時計をチラッと見てみるとAM9:50。

「ァァァアアアアアア・・・・。」

俺の嘆きの叫びが部屋中に響いた。





後書き

お待たせしました!
やっと書く事が出来ました^^
今回の私のテーマは3歩進んで2歩下がるだったのですが
主人公の剛と小雪を少し発展させようと努力したのですが
あまりにも発展しすぎてしまったので最後に夢だったというオチを使わせていただきました。
でも自分としては満足のいく作品に仕上がったのではないかなと思っています。
さぁ〜て次の作者ですが、東雲ヤクモさんにお願いしますね。

この小説について

タイトル 9話・日曜日のデート
初版 2008年6月3日
改訂 2008年6月3日
小説ID 2189
閲覧数 929
合計★ 9
達央の写真
ぬし
作家名 ★達央
作家ID 183
投稿数 22
★の数 140
活動度 6872

コメント (4)

★日直 2008年6月3日 18時56分03秒
おお、どうりで急すぎる展開かと思ったら……夢オチですか!
愉快な夢ですね〜。まあ正夢になる可能性もありますが。

次はヤクモさんですか。
頑張ってくださいね
ひとり雨 2008年6月3日 19時45分17秒
達央さん、読みましたよ!
夢ってよく見るんですよ、私も。
でも、剛の様に惜しい所で夢オチというのはなかなか経験できない事ですよ。
もしかしたら、そういう思いがあるから夢にまで…?
やー何だか羨ましいです!!

次、ヤクモさんですね。
楽しみにしています、頑張ってください!
梨音 2008年6月3日 19時50分53秒
夢オチというのが惜しいですね。ちょっとニヤけてたんですが...。まぁ...小雪ちゃんがかわいくてしょうがありません。
ツンデレですね。
★達央 コメントのみ 2008年6月3日 23時02分56秒
>日直さん・ひとり雨さん・梨音さん
コメントの方ありがとうございました^^

今回は剛と小雪の2人だけで話は進めましたが、夢オチで終わらせたのは正解だったと思います。
最終話がハッキリしない分、これからの事を考えると2人の仲が恋人同士になるのは危険だと踏み、やめにしました。


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