バジリコ×バジル - (6)ハチミツ革命

なんだか、飽きた。
味の無い砂糖湯も、同じことを繰り返す毎日にも。
 ハラハラすることがやってみたかったんだ。


「行こうよ!」

 言ったのは、カーリーではなく、ハントリーだった。
みんなは、笑っているハントリーの方を一斉に向いた。

「闇市なんて、どんな怖い所か・・。やめとこうよ」

 慌てて言ったのは、心配症のロンだ。
しかし、そんなロンの言うことなんか、無視してみんなは、ハントリーの続ける話に聞き入った。

「いいか? 今の俺達は、朝起きて、工場に8時までに行く。帰ってくるのは、夜の11時だ。飯も夜だけ。しかも、味の無い砂糖湯ときた。」
 
話しながら、ハントリーは、近くにあった布団の山に登った。
そして、さらに続ける。

「毎日毎日、それの繰り返しだ。そんな生活が、もう何百年と続いている。この生活は、永遠だろう。それに、この戦争がどこまで進んでいるのか、それすらも知らない。闇市は、色んな人が行きかっている。何か、この戦争を終わらせるヒントがあるかもしれない!」

「行こう! 行こう!」
 みんなは、拍手をした。音がでないように・・・。
そして、賛成した。

「いやだ。」

 若干、反対する者が1名いたのだが・・・。


「出発は、明日の11時30分丁度だ。監視があるかもしれないから、慎重に行こう」

 カーリーは、ハントリーの乗ってる布団の山に、同じように登って言った。時計の針は、もう深夜2時をまわっている。

「みんな、挨拶するよ」

 カーリーがそう言うとみんなは、南の方角に向けて正座した。
ハントリーは、アニーの方に行き、肩を貸した。
そして、アニーとハントリーが正座をするのを、カーリーは確認する。みんな正座したようだ。

「兵隊様の活躍のおかげで、今日1日を過ごすことができました。ありがとうございました」
カーリーが頭を下げるのに続き、みんなも同じように頭を下げて挨拶とやらが終わるとみんなは、足を崩した。
 
 この挨拶は、毎日、毎日、朝と夜にする。
『戦争のおかげで、生活できている。』と言う考え方を頭に叩き込み、忘れないように、毎日呪文のように自分に唱える。

「えっっ!」

 後ろから、ハントリーの驚く声が響いた。みんなは、驚いき慌てて後ろを振り向いた。

「どうしたんだ? ハントリー。」
 カーリーは「大きな声を出すな!」と言わんばかりにハントリーの方を見た。

「いや、明日行くさぁ、闇市にアニーも行くって。言うんだよ・・・。」
 みんなは、病弱のアニーを、闇市に連れていくつもりはなかったのだが。アニーは、ベッドの上でみんなの話を、しっかり聞いていた。

「僕だって、10班のメンバーだ。みんなと同じことがしたいんだ」

「そう言うわけには、いかないだろう。お前、その体じゃあさ・・。」
 ピーターは、立ち上がろうとする、アニーを支えながら言う。

「薬があるさ。僕は、大丈夫だっ」
 アニーは、ピーターの手を振りほどく。




「確か、先週の配給品の中に常備薬があったよな・・・」
カーリーは、台所の辺りを見ながら言う。

「あぁ〜そう言えば、あったよな〜〜!!」ピーターが立ち上がる。

「だけどさぁ。アレ胃薬じゃなかったっけ?!」ロンがニヤリと笑いながら言う。

台所に向かったピーターは、戸棚の奥の方に右手を入れて探った。
「確か・・。この辺りにあった気が・・・。あっ! あったあった!!」
 ピーターは、黄色でオレンジの線が入った、長方形の箱を手に持った。

「何薬って書いてある??!」カーリーが向こうの部屋からピーターに言った。

「おっ! おう」
 ピーターは、慌てて黄色い箱に書かれた名称を見ようとしたが、ホコリがかぶって良く見えなかった。

フッフッフッー!!

「ゲホゲホッッ!」
ピーターの周りに灰色のホコリが、舞う。
 「こりゃすごい! いったい何年使ってないんだよっ! もうっ!」
上面のホコリは、すぐに落ちた。こびり付いたホコリは、爪でカリカリと削ると、薬の名前が浮かび上がってきた。最初の文字は・・・。『胃』2つ目は、『薬』・・。やっぱり胃薬だ。

「胃薬だった〜〜!!」ピーターは、黄色い胃薬の箱を高くあげて、大きく振りながら言った。

「それじゃ無いよ。もう1つあるじゃん?」

 ピーターが顔を上げると、そこにはアニーが咳をしながら立っていた。ピーターが探っていた場所を、もう一度探り直すアニー。
「さっき、そこ探したよ!」
 ピーターが言うのも無視してアニーは、探した。

ゲホゲホッ・・・。
「アニー! そんなホコリっぽいところに居たら、体に悪いぞ!」ハントリーが心配そうにアニーを呼ぶが、アニーは知らん顔した。

「アイツ。よっぽど俺らと、行きたいんだな・・。」カーリーが言う。

「あぁ。そう言えば、アニー。作業所に俺らと行ったのも数える程だし・・。」ロンが言う。

そして、「アニーも連れて行こうっぺよ!!」トッドが言った。


「あった〜〜〜!!」
 アニーは、ホコリを手で、はらいながら薬を確かめた。アニーは、これだ!これだ!とみんなの元に駆け寄った。アニーの後ろに続いて、胃薬を持ったピーターが部屋に入った。

「これで、僕も、みんなと一緒に行ける・・・。」
 アニーは、優しく笑うと、その場に倒れこんだ。息が荒い。それに、汗が出てガクガクと震えている。「寒い・・。」アニーが言った。薬をギュウッと握りしめたまま・・。

「アニー!!!」 
 すぐ近くに居たピーターは、横向きになったアニーを抱きかかえて、名前を呼んだ。
「熱い。熱があるな・・。」
 カーリーは、アニーのおでこに手を置いた。

「ベッドの準備が出来たっぺよ!」
 トッドが言うとピーターは、アニーをベッドの所に運んだ。ロンが布団を被せる。

「さぁ。持ってきたよ。みんなで飲もう!!」
 フワリと甘い匂いが後ろからした。それは、今までになく、濃い匂い。甘く、とろけそうな・・・。ロンの手には、さっき飲み干したコップに何かが入ってトレーに乗っていた。

「今日は、何百年同じことを繰り返しやっている俺達にとって、革命がおこる日だ。砂糖がハチミツに変わるようにな。
だから、警察に捕まっても構わない。俺達の生きる意味を探しに行くのだからな。それに、俺達のこの革命で、ゲーム(戦争)が終わる方法が分かれば、俺たちは、記念すべき英雄だ。コレを飲んで、互いに祝そうじゃないか!!」

 ロンは、泣きながらトレーのコップをみんなに配りながら、そう話した。

「ロンの奴、闇市行くの怖がっていなかったか? それにアイツ、心配症だろ?」

「もう、諦めているんだろうよ。この間、『諦めが肝心』だって笑ってたぞ」

 カーリーとピーターは、笑いながらそう言って、コップを受け取った。

「コレ、何だっぺ?」
 トッドが、薄黄色のお湯を見ながらロンに言った。

「ハチミツさっ!!」ロンが鼻を高くして言った。

「ハチミツ??!! ハチミツって高級なモンだろ? どうやって手に入れたんだ?!」
 ピーターは驚いてコップを覗き込んだ。

「実家がよ、戦地から離れているんだよ。俺らの生活状況を母さんに話したら、仕送りをしてくれるようになったんだ。で、その仕送り第1号がこのハチミツなんだっ!」
 ロンは、実に嬉しそうだった。みんなの目もキラキラしている。

「ウマかっぺ〜〜」

「砂糖湯よりず〜っと甘いな〜!! とろけそうだッ」

「オレ、将来ハチミツと結婚する〜!」

「これは、ウマいわ!」

 飲み終わったコップには、まだ甘い匂いと、温かな湯気がたっていて、みんなは、いつまでもそのコップをペロペロ舐めていた。
アニーも飲み終わったらしく、優しい表情で眠っていた。

「アニーは眠ったか??」カーリーが下を向いたまま言った。

「あぁ、睡眠薬が効き始めた。もう、タヌキ寝入りは出来ないよ」
 ハントリーがアニーの分のコップを持ってカーリーの傍に行った。

「だっぺ。睡眠薬の配給があった時に置いといて良かったっぺな〜」

「アニーは、あぁ言っていたけどやっぱり連れて行くことはできないよな。アニーが捕まりでもしたら、看病するの誰もいなくなるしっ。」



「ここからは、アニーを除いての作戦会議だ。」
 カーリーは、床をめくって作戦を考えた紙を引っ張り出した。

「ここの工場と宿舎を中心として直径3キロは、警察の目が光っている。言わば、警備が厳しいと言うことだ。それに、その3キロまでは、魔法が使えないようようにする魔方陣が張ってあるらしい。と、言うことは、だ、トッドどう言うことだ?」

「だっぺ! その魔方陣を壊せば、俺らの封じられた魔法が使えるようになると言うことだっぺ!!」

「そう言うことだ。出発は、11時半ではなく11時10分だ。
宿舎には帰らず、工場から直に、闇市に行く。それでは、次に仕事が終わってから闇市に行くまでの手順をピーターから聞こう。」

「おう! まず、11時10分に工場の倉庫に集合して、魔方陣を壊しに3キロの道のりを行くんだ。魔方陣を壊したら、その時から俺らは魔法が使えるようになる! そうなると、もう何も考えず闇市に行くんだ!!」

「よし、じゃあハントリー、注意事項を言ってくれ」カーリーが言う。

「分かった。まず1つ目、集合時間に遅れないようにすること。
        2つ目、警察に見つからないようにすること。
        3つ目、死なないこと・・・・。以上です」

「ありがとう。以上で作戦会議を終了する。明日と言う明るい日を楽しもうじゃないか。そして、成功を祈願する!」
 みんなは、音のない拍手で作戦の成功を誓った。
そして、2時間ばかりの短い仮眠をとることにした。


後書き

疲れました〜〜・・・・。
今回の休日、もうフル回転で・・。勉強も執筆も。
だけど、物語は、最高の出来上がりだと自己満足しております。
こんな訳のわからん物語につきあって下さる方、是非是非、お友達になりましょう!コメントANDアドバイス待ってます!
※コメ下さった方のところには、必ず、作品を読みに行きます!
辛口コメントになるだろうけど・・・。(笑)

この小説について

タイトル (6)ハチミツ革命
初版 2008年10月19日
改訂 2008年10月24日
小説ID 2767
閲覧数 930
合計★ 12
まごひげの写真
ぬし
作家名 ★まごひげ
作家ID 391
投稿数 12
★の数 73
活動度 4253
小説を書いておりますがまだまだ未熟者です。
ここでは皆さんが私の先輩であり先生です。こんな私ですが
どうぞ末永くお付き合い願います。

コメント (7)

★亀田むっこ 2008年10月19日 20時57分17秒
こんばんは!

まごひげさんの作品、読ませていただきました!

私のも読んでもらったみたいで、初のコメントが来て嬉しかったです♪

私、実はまだ小学生なんです。(!?)

まごひげさんの作品は、★の数とかすごいので目標にしています!

話の内容とか、表現の言葉とかすっごく良いので、天才だと思います♪

有名な小説家になってくださいね★
★まごひげ コメントのみ 2008年10月20日 21時27分06秒
むっこ様★小説の閲覧誠にありがとうございました。
えっ〜!!!小学生なんですか?
ありえないです!!
天才じゃないですか?!
 あの物語は、並の大人でも書かれないストーリーだと思いますよ

読んで下さってありがとうございました!
コメント嬉しかったです(号泣)
また、更新しましたらよろしくお願いしますね!!!★
★風味譚 2008年10月20日 23時46分28秒
先日は、私の作品にコメントと★ありがとうございました!!
すごく励みになります。
今回もまごひげさんの作品読ませていただきました。
変わりばえのしない毎日を捨てて、危険だけど、新しい世界へ踏み出す。
不安と、期待の入り混じったキャラクターの高揚感が伝わってきました。
続き楽しみにしています!
お互い更新がんばりましょう!!
では、失礼します。
★さんたろー 2008年10月21日 9時19分31秒
久々の更新ですね!
私も6話はうまくできてるなぁと思いました。
登場人物は多いけど、それぞれ個性が出てわかりやすいし。
今後の展開が楽しみです。

あえて言うと、「・・」や「・・・」に違和感を感じました。
業界の正式(らしい)3点リーダは「……」のようですが、ネットは横書き文化なので、「...」でもいいかも。ちなみに、私は後者を使用しています。

3点リーダの使い方については、ネットの世界でも意見が分かれているようですが、まごひげさんは小説の基本を守って書いているように思えるので、とりあえず書いておきます。

では、次の更新も楽しみにしてます!
私の更新はしばらく時間がかかりそうですが...(泣)
★まごひげ コメントのみ 2008年10月21日 19時04分22秒
風味譚様・さんたろー様>コメントありがとうございました!!
すごくうれしかったです!

風味譚様へ
 いえいえ、風味譚様の小説は面白く、いつも更新されるのを楽しみにしているのですよ!
次回の更新も、楽しみにしているので、早く更新してくださいね!
また、遊びに行きます★

さんたろー様、3点リーダーって言うんですか?!
今まで知りませんでした・・・。
そうなんですね!!
 次回からは、さんたろー様の意見に賛同して、変えてみようかと思います!!
貴重なご意見本当にありがとうございました!!
 さんたろー様の更新は、まだかかるんですか・・・。
しかたありませんね。更新を楽しみに待っているので、頑張ってくださいね☆
私の小説もまた、よろしくお願いします!!
★さんたろー コメントのみ 2008年10月24日 12時59分06秒
私信でコメント増やしてすいません。
私の更新ですが、まごひげさんがお休みの間に5話まで進んでます。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪

で、何も書かずに帰るのも何なので、再度拝見しました。
何だか「!」が多いですねぇ。会話が多いので仕方ないのかなぁと思いますが、多すぎると、人によっては鬱陶しく感じるかも。

それでは、バジリコの7話が出る前に、うちの6話が更新できるように頑張ります!(笑)
★千春 2008年10月24日 16時45分48秒
こんちはっ!!!

まだ駆け出しの千春です☆☆


『バジリコ・バジル』、全部読ませていただきました(^o^)/

1から読んだのですが、代表としてこの『ハチミツ革命』にコメントを書かせてもらいま〜す♪


えっと、まず最初に、


行間がちょうどよくて良ィっ!


あと、


話の内容がおもしろいっ!


良ぃですね。もう完璧です。

まごひげさんは、★の数とかすごいし、コメ数もいっぱいだし、もう『ぬし』だし、超目標にしていますっ。


まだ小学生の私が書いたド素人の作品ですが、ぜひぜひ私の小説にも遊びに来てくださいっっ!!


※まごひげさんのコメントが欲しいので、できたらコメントお願いします♪


7話にも遊びに来まァすv
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