鬼姫 - -強襲-

ライン
鬼姫対一文字怜。
今、
この二人が頂上を極めるために、
勝負を行おうとしている。
ギャンブルの題材は
本のページ当て。
極めてシンプルで簡単。
だが、その代償は
あまりにも重いものだった。
敗北条件は、
「命」。

「・・・ウフフッ。
 本当に良いの、鬼姫ちゃん?
 命なんて軽々しく言っちゃって」

「・・・・?・・・・
 何で・・・・・」

「・・・・・何て言うのかしら。
 そう、
 殺しちゃうわ、私。
 鬼姫ちゃんを、きっと殺しちゃう。
 だから、命は・・・」

「・・・・・アンタも同類か・・・・。
 命をバカみたいに大切にする、愚民・・・・。
 ・・・ククッ・・・・
 ・・・・・死んじゃえよ・・・。
 ・・・アンタも私も・・・・・
 ・・・・・死を賭けることしか、残されて無い・・・。
 ・・・死しか、決着をつけるにふさわしくない・・・」

「・・・あらあら」

曲げない。
あくまで鬼姫、命を張る。
それを淡々とした口調で
止めようとする一文字怜だが、
鬼姫の
積極的な言動、
そして異常としか思えない言葉に、
言いかけた言葉を詰まらせる。
そして、
一つ間を置いて、
答えを出す。

「・・・・私ね、
 やっぱり心の片隅では思ってるの。
 ・・・アナタを殺させない、って。
 だって、嫌よ。
 ・・・私と対等の者が消えるなんて。
 それは生き地獄。
 ・・・・生きる希望を失うこと」

「・・・・・・・」

「・・・あの中部校との戦いだって、
 アナタがもし負けでもしたら、
 私が庇うつもりだった。
 ・・・・足でも手でも賭けて、
 アナタを守るつもりだった」

「・・・・・・・」

「・・・・アナタを求めていた、ずっと。
 私と対等、
 いや、
 私という存在に立ち向かう者を。
 それも、
 ちゃんと理に適った強さの者で」

「・・・・・・・」

「・・・・・命は、賭けられない。
 アナタは殺させない。
 ・・・愛してるの、鬼姫ちゃん。
 アナタを地獄の底まで・・・・・。
 ・・・私に生きる希望を・・・」

「・・・・・ふぅ・・・・・。
 仕方無い、か・・・・」

「・・・?・・・・」

「・・・・・こうなったら・・・・
 嫌でも命を賭けてもらうしかない・・・・」

一文字怜の本心が、
ついに明らかとなる。
怜は孤独だった。
「神に愛されし女」と
言われてからは、
もう超人扱い。
対峙者は減る一方。
例え、
戦う者がいるとしても、
ほとんどは偽物。
勝負をチャンバラ程度にしか考えない、
うつけ者。
だが、一文字怜の前に現れる。
その名を、鬼姫。
求めていた、最高の逸材。
一文字怜は興奮していた、鬼姫に。
だが、鬼姫拒む。
すると・・・。

「・・・・・ククッ・・・・
 本当・・・・
 ・・・・クズだよね、アンタの死んだ男・・・」

「!!」

「(!?
 お、鬼姫の奴、
 いきなり何を言い出しやがんだ・・・!?)」

鬼姫が語りだしたのは、
どうやら一文字怜の過去のことのようだ。
そう、
一文字怜の彼氏は、
遠い昔に殺害されてしまった。
自分のギャンブル中毒のせいで。
それは、
鬼姫しか知らない事実。
弁慶は何がなんだか分らず、
ただ、
鬼姫の挑発に耳を傾ける。

「・・・・死んで同然・・・・・。
 チンピラ程度にからまれて・・・
 ・・・脅しに同意して、
 ・・・・戦わせられてる程度じゃ、
 死んで当然・・・・。
 ・・・・ククッ・・・・・
 ・・・・・死んで正当・・・・・」

「ッ!!!!
 ・・・お・・・鬼姫、ちゃん・・・・・!」

「・・・・そんなゴミに好意を抱くアンタも、
 結局はその部類・・・・。
 ・・・命を賭けられない、ゴミ・・・・。
 ・・・・ククッ・・・
 お似合いじゃない・・・・
 ・・・彼とアンタで・・・
 ・・・・・不燃物同士・・・・・」

「ッ!!!!!!!!
 ・・・・・・い・・・な・・・・・」

「・・・・?・・・・
 何か言った・・・・・?
 ・・・・一文字怜・・・・・・」

「・・・・彼のことを・・・
 悪く、言うな・・・・・・・。
 私の彼を、悪く言うなっ・・・・・。
 あの人は、あの人は・・・・・・・・!!」

現る、狂気。
さきほどまで、
寛容、穏やか、優美だった
一文字怜の体が、
震え始める。
うつむいていて、顔は見えない。
だが、簡単に想像できる。
一文字怜の、今の表情。
悪魔のように、
殺戮に飢えた表情を。
そして・・・。

「・・・・・ククッ・・・・
 そう、それよ・・・・・・・。
 ・・・・もっと、むき出せ・・・・
 怒りを、殺意を、闘志を・・・・・・・。
 ・・・・・・どうする?
 ・・・命、賭ける・・・・・?」

「・・・・・後悔、するわよ、鬼姫ちゃん。
 ・・・後悔・・・・させるわっ・・・・・・。
 ・・・・鬼姫ちゃんの大事な物・・・
 ・・・・命・・・・
 ・・・・奪い取る・・・・・・!」

「・・・・ククッ・・・
 それでこそ、一文字怜・・・・
 ・・・私の対峙者・・・・」

鬼姫の、
巧みとも取れる、
残忍な挑発によって、
鬼姫対一文字怜の勝負、
命を賭けることに
決定。
だが、挑発してしまった。
あの一文字怜を。
鬼姫、
とんでもないことをしてしまった。
弁慶もそれを悟り、
鬼姫に近づく。

「お、おい、鬼姫っ!!
 何言ってんだが
 サッパリだが・・・
 火に油注いでどうすんだよっ!
 一文字怜が本気になったら、
 一瞬で・・・・!!」

「・・・・・ふーん・・・・」

「ふーん、じゃねぇよ!!
 だいたい命なんて、
 それこそ無謀っ!!
 相手は神に愛されし女・・・・!
 考えろ、
 考えてくれよっ・・・!!
 今まで通りに
 勝てる相手じゃねぇ!!
 相手は・・・・
 ・・・本当の、強敵・・・・
 神なんだぜ・・・・・!?」

「・・・・・どうでもいい・・・・」

「あ、あぁあ!?」

「・・・・それより、頼みたいことがある・・・」

「?」

「・・・・もっと・・・・・
 ・・・・・そばにいて・・・・・」

「ッ!!!!!!!!!!!!!!!!」

鬼姫を問い詰めていた弁慶の顔が、
一気に真っ赤に染まる。
バカな。
あの鬼姫が、
あの鬼姫が、このようなことを言うなど。
鬼姫のあり得ぬ言葉、
地球が突然、
大爆発を起こすほどの奇跡に、
弁慶はただただ、
顔を赤らめて、
今、生きていることを実感する。
やはり鬼姫も女。
何処か心寂しいところがあるのだろうか。

「・・・ハ、ハハッ・・・・。
 夢じゃ、無ぇよな・・・・?
 鬼姫が・・・
 鬼姫が、そばにいて・・・・・!!
 う、うぅううう・・・・!!
 お、俺は・・・俺はっ・・・・!!
 もう死んでも・・・・!」

「・・・・・近過ぎ・・・・・
 そこは邪魔・・・・・」

「へ?」

「・・・・・アンタを利用する・・・・
 アンタを利用して・・・・
 ・・・・まず、強襲する・・・・。
 ・・・・・一文字怜狩りの、
 第一歩・・・・・」

「きょ、強襲って・・・・!!
 どういうことだよ!?
 (ってか、
 俺のさっきまでの期待もどういうことだよ?)」

「・・・・ククッ・・・・・
 見てれば分かる・・・・・・」

「?」

鬼姫、怪しき微笑。
やはり鬼姫。
そんな女らしい
可愛らしく、微笑ましい台詞など
吐くワケがない。
悲しいほどに、
勘違いも甚だしいことだろう。
ならば、
鬼姫が弁慶をそばに寄せた理由はなぜ?
そして、
一文字怜狩りの第一歩、
強襲とは。

「・・・・使う本は、
 この電話帳。
 二人とも、まったく同じ電話帳よ。
 800Pまである。
 ・・・分かってると思うけど、
 最初の100Pまでと、
 最後の700〜800Pは宣言不可能」

「・・・・・・うん・・・・・」

「先に10Pを先取した方が勝利。
 ・・・決着がつかない場合は、
 ポイントが多い側に軍配があがる」

「・・・・・」

「無いとは思うけど、
 イカサマ防止のため、
 本は交互に使う・・・・。
 ・・・・これが、全てよ・・・・・。
 ・・・・じゃぁ、始めましょうか。
 最初の第一戦。
 序章を・・・・・!」

「・・・・・ククッ・・・・・」

理に適ったルール。
使う本は、
二人とも同種類、まったく同じの電話帳。
一文字怜の言うべく、
最初の1〜100P、
最後の700〜800Pは
ほとんど予知可能。
勝負にすらならない。
運否天武でない。
だからこそ、その範囲は廃止。
まことに、理に適ったルール。
そして、始まる。
ついに始まる、
第一戦。
鬼姫と、一文字怜の、
生死を賭けた、
運命の、一戦・・・!

「・・・・私は、345P・・・
 にしようかな。
 鬼姫ちゃんは?」

「・・・・・ククッ・・・・
 随分、半端な数値ね・・・・・。
 ・・・なら、私も・・・
 ・・・・661P・・・・・」

「(やっぱり、
 キリの良い数値は出さねぇか・・・。
 いや、
 ハッキリ言って、
 400Pも、231Pも
 まったく変わらない。
 だが、精神っ・・・・・!!
 精神面は別っ・・・!
 誰でも、
 200Pを当てろと言われるのと、
 743Pを当てろと言われるのじゃ、
 プレッシャーのかかり具合が違うっ!!
 ・・・そこはまず、
 了承済み、か・・・・)」

弁慶の言うとおり、
これはすでに、精神面での対決でもある。
半端な数値は、
絶望感を味あわせる。
正当など不可能という、絶望感を。
そして第一戦、
鬼姫が怜に指示するのは661P、
怜が鬼姫に指示するは345P。
お互い、
宣言は終わった。
後は、ページを引き当てるのみ・・・。

「さぁ、行くわよ鬼姫ちゃん・・・。
 第一戦。
 ・・・このバカげた勝負の、
 幕開けを・・・・」

「・・・・・ククッ・・・・・
 バカげてるほど・・・
 ・・・敗北を味あわせてあげる・・・」

「(来るっ・・・・!!
 第1戦っ!!
 流れを掴む、重要な戦っ・・・!
 鬼姫が言ってた、
 強襲っ・・・・・!!
 一文字怜狩りの、強襲っ・・・!!
 何かある、
 一文字怜が面喰らうほどの、
 何かをしてくるっ・・・・・・!!
 どっちだ、
 どっちが勝つ・・・!?」

ついに始まった、
鬼姫対一文字怜。
果たして、
鬼姫の言った強襲の意味とは。
二人の指が
導き出した、
本のページとは・・・。
 

後書き

最初に言ったとおり、鬼姫は
ツンデレとゆーもんではないです。

というよりも、
ツンデレの鬼姫を史上最強のMの弁慶が
愛することが
できるかどうか・・・?

次回、パターンっ!!

この小説について

タイトル -強襲-
初版 2008年10月31日
改訂 2008年10月31日
小説ID 2791
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コメント (1)

アル コメントのみ 2008年11月1日 0時34分48秒
どこの小学生が書いたのかは知り得ませんが、漫画と小説は違いますよ?
お父さんとお母さんに、文章の書き方を習っていらっしゃい。
書物に、小説の書き方を習っていらっしゃい。
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