偽彼氏はひどい奴。 - [3]


[3] 心臓が壊れそう。
    あんたと同じベッドだなんて。


 原稿中…――。

 なんて疲れんだか。
 いつもはこんなに疲れないぞ?
 宇宙人の仕業なのか?

 「あーもうっ!眠いと思ったらもう(午前)4時じゃん!早く終わりにしてよ!」

 私は紙をぐしゃぐしゃと丸めながらそう叫んだ。
 …そして、遠くにあるゴミ箱にその紙を投げつける。

 「――お見事。こんな遠いのによく入れられたね。その変な紙くず。」

 となりにいる宇宙人が、気楽に本を読みながら言う。

 「宇宙人!あんたも仕事しなさいよ!編集の仕事とかないわけ!?」

 私は、白い紙の束をバシッと宇宙人に叩きつけた。

 …あ。説明すんの忘れてたね。
 今はね、プロットを作っていたの。
 早速今日から徹夜なんて。
 これが毎日続いたら、私締め切りの日には死んでると思う。

 「今は2月27日。来月の4月号の編集くらいしてあるに決まってるだろ。」
 「じゃあ、5月号の準備は?」
 「3月に入ってから。今は他の雑誌のお手伝い。」
 「その手伝いは?」
 「もう全部済んでるそうだ。松谷社の社員や作家はみんな偉いからな。」
 「あたしも?」
 「お前は抜いて。」
 「ひっどっ!ホントに宇宙人だねあんたは。」
 「…てかさ、宇宙人ってゆーのやめてくんないかな?」
 「…何でよ。」
 「キモい。」
 「あんたにはぴったり!」
 「“渚佐”で良い。」
 「無理。編集長に向かってそれは無理。」
 「お前のことも“藍良”って呼ぶ。」
 「更に無理っっっ!!!」

 私は、ものすごい大声を出して叫んだ。

 「藍良〜。プロット完成させないと寝れないぞ〜。」
 「うっさいっつってんじゃん!」

 私は、素手で宇宙人の頭を叩く。

 …宇宙人は、ずざさささささと後ずさりする。

 ほーっほっほっほっほっ。
 宇宙人が後ずさりするところなんて初めて見たわ。
 私って、ものすごく天才かもしれない。

 「早く仕事しろっ!」

 今のでカンカンになってしまったのか、宇宙人は角を出してそう言った。

 「はぁぁぁい。…じゃあ宇宙人、このプロット見て。OK出たらネーム行くから。」

 私は、マンガの大体のあらすじを書いたプロットを差し出した。

 「…不合格。最初からやり直しだ。」

 はあ…!?

 「ひっど!コレ過去最長の3時間24分かけて作った、歴史上に誇るプロットなんですけど!」

 「俺の死を前にする作品だ。思い出に残る作品を書いてもらおうと思ってる。」

 宇宙人が、急にしおらしくなった。(?)

 「…っ。分かったわよ!やりゃ良いんでしょ、やりゃ!」

 …んっとにムカつくヤローだな。
 プロットなんかどーでもいいじゃない!

 私は、イスにドカッと座った。

 「あと1時間で完成させてね♪」

 宇宙人はそう言って、私にニコッと笑顔を見せた。

 「…んなのあたしには効かないわよ!」


●●○○●●○○●●○○●●○○●●○○●●○○●●○○●●


 「ねみー。」

 私は、回転イスをぐるぐるさせながらそう言った。

 「そろそろ寝るか。」

 宇宙人が、失敗した紙を整理しながらこくんこくんと眠そうなジェスチャーをする。(ホントに眠いのか演技なのか…)

 「…ってあっっっ!!!」

 私は、急にあのことを思い出した。

 「寝る場所どーしたら良いんだ!?あたしの部屋にベッドなかったよ!?」

 眠気が覚めた。

 「藍良は床で寝て。あんたみたいな性格なら、床の方が似合うよ?」

 「気楽に藍良って呼ばないで。」

 はあ…。
 ホントにどーしよ…。
 一応今、真冬なんデスけど…。
 床で寝たら凍えて死ぬわよ。

 「…そんなにイヤだったら、良い方法があるんだけど。」

 私のムスッとした顔に気づいたのか、宇宙人がそう聞いてくる。

 「その方法って?」

 「――俺と一緒に寝る♪」

 …。

 「あんた本当にバカ?あたしが男と寝るなんて10000億年早いんだよ。だったらあたし1人でベッドに寝かせて。」

 あり得ないっつーの。
 しかもこいつとは昨日知り合ったばっかだし。
 いきなりすぎよ。

 …あ。でも。
 この宇宙人、意外とイケメンなんだよね。
 親社長だし。多分金持ちでしょ。
 あっちから追いかけてきてくれれば、私の貧乏性は解消されるのになぁ…。

 「さすがに、目上の俺が床で寝るなんて無理だろ。イヤな気持ちは分かるが。」
 「宇宙人の事情なんか知らないよっ。」
 「俺は宇宙人じゃないっ!」
 「どう見たって宇宙人だよ。」

 「…おやすみ。」

 宇宙人はそう言って、ドアノブに触れた。

 …っ。
 ムカつくっ!

 「渚佐!」

 私は、思い切って渚佐と呼んだ。
 渚佐は、ピタッと足を止める。

 「寝かせて。渚佐のベッドに。」
 「…。」

 返事なし。

 ――渚佐は私の言葉を聞かずに、スタスタと自分の部屋に向かっていった。

 「…?」

 私は、頭の中がパニック状態になっている。

 …だって、渚佐が布団を私の部屋に投げているんだもん。

 「藍良、俺の布団使って床で寝ろ。」

 なぎ…さ…?

 「俺はそのまま床で寝る。」

 渚佐はそうつぶやいて、自分の部屋のドアを閉めた。

 「…ちょっと待って!」

 ドアが完全に閉まるのと同時に、私は渚佐の部屋に寄った。

 「やっぱあたしが床で寝る!さっきのウソ!あんたにそんなことできない!」

 ドアをドンドンと叩いて、私はそう叫んだ。

 すると…――渚佐が、ドアをゆっくりと開けた。

 「…。」

 渚佐は、ずっと黙っている。

 …は?

 いろんなことを考えていると、私はグイッと渚佐に引っ張られた。

 「ちょ…何すんのよ!」

 そして私を部屋の中に入れた。

 「早く寝ろ。」

 渚佐が、私をベッドに押し上げる。

 「…重てーな。ダイエットぐらいしろよ。」

 渚佐もベッドの中に潜り込んで、そうつぶやいた。

 「…心臓が壊れそう。あんたと同じベッドだなんて。」

 私は横になって、そうつぶやいた。

 「俺は平気だけど。」

 「ふーん。こんなあたしでも嬉しいんだ?」

 私は、上から目線でそう言った。

 「お前は…――。」

 ドキドキ…。
 私は、更に心臓の音が強くなる。

 「全く嬉しかぁない。…てかそもそも、藍良に恋なんかしたくない。」

 「うっさいわね!」

 私はそう叫んだ。

 枕を渚佐に投げつけて…――。


●●○○●●○○●●○○●●続く●●○○●●○○●●○○●●

後書き

新しい登場人物出てきますよ。次。
藍良のライバル的な人が。

…でわでわ、今後もよろしくお願いしマス<(_ _)>

この小説について

タイトル [3]
初版 2008年11月14日
改訂 2008年11月23日
小説ID 2815
閲覧数 1199
合計★ 5
ショコラの写真
ぬし
作家名 ★ショコラ
作家ID 425
投稿数 9
★の数 28
活動度 2125
初めまして!ショコラです(^o^)/
私は全く良い小説を書けない未熟者ですが、よろしくお願いします。
ちなみに、恋愛小説とケータイ小説が好きです。

コメント (4)

★真幸珠 コメントのみ 2008年11月15日 8時06分08秒
読ませていただきました^^
内容が深くなってきましたね♪
次ぐに出てくライバルがとても気になります。

そして、「常連」昇格おめでとうございます\(^O^)/
わたしもがんばらねば!!
★ショコラ コメントのみ 2008年11月15日 14時15分44秒
[真幸珠様]

またまたコメントありがとうございました。
ライバルと言っても、少し勝ち目のない強い子ですが…。
また読んでくれればと思います(^^)/

ああ。そういえば私、常連になってましたね。
気づかないうちになってました。
真幸珠さんも、がんばって常連目指してください!!!
“芋”まで一緒にがんばりまショウ!!!

でわ、また真幸珠さんの小説にも遊びに行きますね☆☆
次もよろしくお願いします<(_ _)>
★ 2008年11月15日 21時05分04秒
あ、こんにちは。私の小説へのコメント、有難うございます(ペコリン
『偽彼氏はひどい奴。』の、シリーズ読ませて頂きました。

んーやっぱりショコラ様の作品の方が読みやすい&面白いです(ニコ

なんか…アドバイスなんてつけようがありません、上手すぎてw

次回作がとても楽しみですw

私もショコラ様に追いつけるように頑張りますw
★ショコラ コメントのみ 2008年11月16日 9時41分43秒
[愁様]

コメント、ありがとうございました!!!
“★”5つも付けてくださって…。
感謝でいっぱいです!!!
とゆーか、上手すぎなんてもんじゃありません:-)
愁さんの方がもっとすばらしいですよw

でわでわ。また愁さんの小説にも遊びに行きます。
ぜひ次回も、遊びに来てくださいね♪♪
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