鬼姫 - -逆襲-

ライン

「お、おいおい・・・・・
 一体・・・・
 どういうことだよ、こりゃぁ・・・・!?」

それは、弁慶の情けない発言から。
ただ、驚くしかなかった。
現在、
第6回戦目。
すでに4回戦が終了している。
だが、異変。
弁慶は絶望な顔もせず、
はたまた、
うれしそうな顔もしない。
ただ、驚愕。
その対戦結果に、
弁慶は驚愕する他無かった。
果たして、
今までの対戦結果とは・・・。

「(6勝1敗っ・・・・・!!!???
 鬼姫が・・・
 ・・・鬼姫が6勝っ!!!
 連勝中だとぉおおっ!!???)」

そう、何と、
鬼姫がまさかの連勝。
しかも、6勝。
あの影を使って勝った勝負から、
負けなし。
一文字怜から一回も
負けていないという事実。
弁慶はもう、
何がなんだから分からない。
絶望かと思いきや、
ここで、鬼姫が食い下がるのだから。
そして、第8戦は・・・。

「・・・鬼姫ちゃんが指定したのは、
 確か、345Pよね・・・・。
 ・・・・私は・・・・
 ・・・・・330P・・・・」

「・・・・ククッ・・・・・
 悪いね、神様・・・・・・・。
 ・・・アンタが指定した300Pに対し、
 私は312P・・・・
 ・・・・・勝たせてもらった・・・・」

「(ま、まただっ!!!
 また・・・・
 また鬼姫が勝っちまった!
 これで、7連勝!!
 7勝1敗っ!
 もう、何がなんだか分からねぇ・・・・!)」

まさかの鬼姫、7連勝。
あの一文字怜を相手に、
不利かと思いきや、
絶好調。
流れを完璧に掴んでいる。
一文字怜を勝たせない、
一度も勝たせずに
7勝1敗という好結果までに。
残り3勝すれば、
自然に鬼姫の勝利。
勝負に、
決着がつく。

「お、鬼姫ぇ・・・・
 鬼姫ぇ・・・・・・・!!
 俺、俺ぇ・・・・!
 素直に喜びたいんだけど、
 凄すぎて、
 何ていえば良いか分からねぇよ・・・!」

「・・・・・ふーん・・・・」

「あの、
 あの一文字怜に7連勝だぜ!?
 神に愛されし女から、
 7連勝だっ!!
 これだけで、快挙・・・・!
 もう最高っ・・・!!
 このままいけば、
 勝っちまう、
 本当に勝っちまうよっ!!
 あの一文字怜にっ・・・・・!!」

「・・・・ククッ・・・・・」

弁慶はようやく、
その異常現状を認め、
喜びをあらわにし始める。
なぜ、
これほど運は鬼姫に傾いたのだろうか。
ピタリと数値を
引き当てるという勝利はないものの、
着実に、
1勝。
ゆっくり、確かに、
鬼姫は勝利の階段を上りつつある。
それに対し、一文字怜は。
あくまで、平然。
負け越しているにも関わらず、表情を変えない。

「(どう見ても流れは鬼姫っ・・・・!!
 ツキも鬼姫に乗った!!
 ・・・だが、どうだよ・・・・?
 一文字怜、焦ってねぇ・・・。
 全然、焦ってねぇ・・・・・!!
 不気味だぜ・・・。
 なんだか、全てを見透かされてるようでよぉ・・・)」

「・・・・あらあら。
 ・・・何で勝てないのかしらねぇ。
 確か・・・
 弁慶君、今までの結果、
 覚えてる?」

「え、えぇ?
 ・・・7勝1敗。
 鬼姫が7勝で、一文字怜が1勝」

「・・・ふぅ、1勝か。
 寂しいものね、鬼姫ちゃん。
 もっと勝ちたいけど、
 どうしましょう・・・」

「(今思えば、
 あの鬼姫の影を使った策・・・!
 アレが良かった!!
 まず、
 集中させないっ・・・!
 一文字怜を、混乱させる・・・!
 まだ何か作戦を練って無いかと、
 本来の勝負そっちのけで、
 考えちまう!
 よって、集中力はガタガタ・・・!
 勝負に身なんて入らねぇ!)」

鬼姫連勝。
まさかの一文字怜の7連敗で、
勝負は続く。
だが、これで本当に
終わるのであろうか。
あの一文字怜が、
神に愛されし女が、
果たして、
このような所で負けるのだろうか。
そして、
続く第9回戦。

「さて、9回戦目と行きましょうか。
 どうしましょうかしらねぇ・・・・。
 このまま負け続けたら、
 私、
 本当に何もできないかもしれないわ」

「・・・・・・・・・・」

「(いける、
 いけるぜっ!!!
 一文字怜の本調子が出て無い今がチャンス!!
 ここで叩くっ!
 倒す・・・・
 倒せるっ・・・・・!!
 行け、鬼姫っ・・・・・!!
 神を、ブッ倒してこいっ・・・・!)」

「・・・・・・じゃぁ・・・
 そろそろ、本気でいかせてもらおうかしら」

「ッ!!!!!」

凍えた。
7連勝して、沸騰していた体が、
一文字怜の言葉を前にし、
一気に冷めた。
それは弁慶だけでない。
あの鬼姫とて同じ。
ついに来る。
神に愛されし女の、本領。
ここまでは、
あくまで勝たせてもらっていたのかもしれない。
全ては9回戦。
この結果によって、
全てが分かる。

「・・・・・ク、ククッ・・・・。
 来なよ、神様・・・・・・」

「・・・・ウフフッ。
 私の指定は、234P・・・・」

「・・・・・私は、250P・・・・」

「・・・決まりね。
 それじゃぁ・・・・
 第9回戦、始め・・・・!」

不穏な空気を残したまま、
9回戦、
始まる。
弁慶は、今までに無いほと
恐怖を感じていた。
それはまた、
鬼姫も同じハズだろう。
一文字怜が「本気」を出すと言ったのだ。
あの一文字怜が。
神が、ついに本気を出す。
それはつまり・・・。

「(た、確かに言った・・・・。
 ”本気を出す”って・・・・・・。
 ・・・嘘だ・・・・
 嘘だっ・・・・・・!!
 今の流れは、鬼姫っ・・・・・!!
 その流れを断ち切るなんてことは、
 できねぇ・・・・!
 できてたまるかっ・・・・!!
 ・・・頼む、できねぇでくれ・・・・・!!)」

震える弁慶。
一文字怜の言葉を、
ただ嘘だと信じるしかなかった。
これまでも、
すでに一文字怜は本気だった。
そう思いたかった。
そうでなければ、
鬼姫は・・・。
そして、ついに終結する9回戦。
その結果は・・・。

「・・・・ククッ・・・・
 私は220P・・・・・・・」

「(まずは鬼姫っ!!
 234Pだったから、
 誤差は14Pっ!
 やっぱり、
 流れ的には鬼姫っ・・・・!!
 これを覆せるのか!?
 一文字怜、
 神がこの流れを
 断ち切れるってのかぁ・・・・!?)」

「・・・・ウフフッ・・・・。
 ・・・・・やっぱり、ダメみたいね」

「・・・?・・・」

「・・・・ダメみたい。
 貴方でも。
 ・・・鬼姫ちゃんは、最高の逸材。
 でも、ダメ。
 ・・・・私を相手にしちゃ、誰もがゴミなの。
 ・・・・・私のめくったページ・・・」

「(ま・・・まさか・・・・・
 ・・・・まさか・・・・・・
 やめろ・・・・
 やめてくれ・・・・・
 嘘だ・・・・・・・・・!!)」

「・・・・・250P・・・・
 ピッタシよ・・・・・」

「ッ!!!!!!????????????」

ついに来た、神。
いや、
ここまでハズしてきたのが
逆に至難だったのかもしれない。
ここにきて、
8連勝中の鬼姫の流れを
完全に断ち切る、
250Pのピタリ当て。
これが、神。
神に愛されし女、
一文字怜。
最強の敵である。
それを目の当たりにした
弁慶と鬼姫は、
ただ茫然とするしかなかった。

「う、嘘だ・・・・
 ピッタシなんて、そんなのあるかよっ!!!
 だって、
 何百分の1の確率なんだぜ!?
 あり得ねぇ、
 あり得ちゃいけねぇだろっ!!!
 こんなの、
 どうみてもイカサマしかっ・・・・・!!」

「・・・あらあら。
 鬼姫ちゃん、私、
 ・・・イカサマしちゃったかしら?」

「・・・・・・・・・・」

「・・・お・・・・
 鬼姫ぇ・・・・・
 ・・・・鬼姫ぇ・・・・・!
 頼む・・・・頼むぅ・・・・・!
 笑ってくれよ、
 不気味な笑顔、見せてくれよ・・・!
 余裕かまして、
 イカサマだって、言ってくれよ・・・・!!!
 じゃなきゃ・・・
 じゃなきゃぁ・・・・
 ・・・こんな超人、どうやって倒せんだよぉ・・・・!」

鬼姫、何も答えず。
イカサマじゃない。
それは、
問いただした弁慶すら了承のこと。
だが、尋ねたかった。
尋ねるしかなかった。
こんな勝利、あり得るわけがない。
認めたら、
起きてしまうかもしれない。
鬼姫の、完全敗北が。
そう、死が・・・・。

「・・・というよりも、
 逆よね、鬼姫ちゃん・・・・?」

「ッ!!」

「え、えぇ・・・・?
 鬼姫・・・・・・・・・?」

「・・・・ウフフッ。
 ・・・最初から分かっていたのよ、鬼姫ちゃん」

「あ、あぁ・・・?
 どういうことだよ!!
 一文字怜、
 イカサマって・・・・!!」

何と、
ここで鬼姫にさらに追い打ちをかけるが如く、
一文字怜の発言。
その言葉に、
鬼姫が初めて、動揺を見せる。
その姿を見て、
弁慶は必死ながらも、
その根拠を一文字怜に問う。

「・・・イカサマって程じゃないけど、
 まぁ、作戦ね・・・。
 鬼姫ちゃん、私を利用してたのよ」

「え、えぇ?」

「・・・私が250Pと言えば、
 鬼姫ちゃんは240Pと宣言する・・・。
 この不可解な点がわかるかしら、
 弁慶君?」

「・・・・そ、そりゃぁ、
 どう見ても、指定したページが近いってことだろ」

「そう。
 故に、二人は同じようなページを
 めくり合わなきゃいけない。
 ・・・これで分かるかしら、弁慶君?」

「・・・・あ・・・・あっ・・・・・・!!!
 ま、まさかぁああ・・・・・!!」

「・・・・ウフフッ。
 鬼姫ちゃんはずっと・・・
 私の手元を見ていた・・・・。
 つまり、私のめくるページを見て参考にしていた。
 ・・・当然よね、ページが近いんだから。
 それに、
 相手は神って言われてるほど強運なんだから、
 正確なのは確証済み。
 ・・・それを利用して、
 自分のページをめくっていた・・・・。
 どう、鬼姫ちゃん?」

「ッ!!・・・・・・・
 ・・・・・・・・ク・・・・ククッ・・・・・」

何と姑息な作戦。
鬼姫の連勝の理由は、これだったのだ。
まさかの、
一文字怜の利用。
神を利用していたのだ。
当然だろう。
相手が自分と近い数値をめくるのだから、
相手のめくるページを観察して、
自分も同じようなページをめくれば、
必然的に、圧倒的な敗北は無くなり、
逆に、
勝ち運にさえ乗れる。
だが、一文字怜には通じなかった。
見破った。
この場面で、いとも簡単に、
見破ってみせた。

「(う、嘘だろ・・・・。
 じゃぁ今で・・・
 鬼姫は泳がされていた・・・・!?
 一文字怜に、
 情けをもらってたってのか・・・・!?
 じゃ、じゃぁ・・・・ 
 じゃぁもう、鬼姫はっ・・・・!!)」

「・・・・さぁ、鬼姫ちゃん。
 ・・・・・本当のギャンブルの始まりよ・・・
 ・・・ウフフッ・・・・」

「・・・・・ク・・・・
 ・・・ククッ・・・・・・」

後書き

「・・・イカサマって程じゃないけど、
 まぁ、作戦ね・・・。
 鬼姫ちゃん、私を利用してたのよ」

「え、えぇ?
 (じゃぁ、イカサマじゃ無いんじゃ・・・)」

弁慶、そこはツッコんじゃダメだぁ!!


次回、絶望・・・!

この小説について

タイトル -逆襲-
初版 2008年11月14日
改訂 2008年11月14日
小説ID 2818
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