怖い話シリーズ - −境界−

 




   冬の季節、僕はある体験をした……今でも身の毛のよだつ、そんな話をしたい……




 「はぁ……やっと解放された、まったく……何がしたいんだ、あの人たちは……」

ブツブツと文句を言いながら、僕は冬の夜の中を一人で歩いていた……

弱々しく光る電灯が、さっきまで降っていた真白な雪を照らしている……

ふと時計を見ると、既に深夜一時を過ぎていた……自然と力が抜ける。

何故そうなっているのか……これには理由がある、まったくくだらない理由が……


               ―三時間前―


 僕がシャワーを浴びて落ち着いていたところに、いきなり先輩から電話がかかってきた。


「先輩どうしたんですか?こんな時間に電話なんて……」

「おう有田!!今からカラオケ行くから、お前も来い!」

いきなりの命令口調と妙に大きな声、容易に酔っていることが分かった。

こういう時は大抵、めんどくさいことになるからあまり行きたくはない……断ろう。

「あ、すいません……今日はバイト後なので、疲れていますからゆっくり休みます、勘弁して下さい」

「大丈夫問題ないから!……来ないと、皆でお前の家に押し掛けるから!
場所はいつもの飲み屋の隣で、じゃあまた!!!」

先輩はそう言って、電話を切った……

何が、大丈夫だ……馬鹿野郎が……横暴にも限度というものがある……

しかしまずいな、家に来られては何をされるか分かったものじゃない……

その後は案の定……カラオケに行くことになり、酔ってウザさが増した先輩方とステキな
夜を過ごすことになった……割り勘で……





 そして今の現状に至っている……おかげで疲れとストレスだけが活性化されてしまった。

「くそ、酒でも飲んでないとやってられない……カラオケでは水を飲む機会すらくれなかったからな、
 コンビニでも行って、何か買ってこよう……」

幸いにも明日は学校も休みでバイトも無い、今日くらいお酒に頼っても良いだろう……

そう思い、僕は家の近くにあるコンビニへと向かった……




              今思うと、馬鹿なことをしたと思う……

    あのまま、おとなしく帰っていれば……あんな目には遭わなかっただろう……




 コンビニに向かう途中、ふと空を眺めると綺麗な満月が僕を覗いていた。

「今日は満月だ……雲も無いし、一人月見酒というのも良いかもしれないな」

実家の空とまではいかなくとも、都会の空にも星は輝いている……

僕は再び歩き出した……回りを見渡してみると、何人か道を歩いている。

「深夜一時過ぎたといえども、誰もいないわけではないんだな」

酔っぱらった二人の会社員らしき人、携帯電話で話をしながら早足で歩く女性、
僕のような飲み会帰りの若者……そのような人たちが、同じ道を歩いていた。

「都会の夜は実家とは違うな……ん、何だ……あの男?」

その中に、他の人とは違う雰囲気の男がいることに気がついた。

僕はつい立ち止まって、その男を見てしまう。

歳は、五十くらいだろうか……電灯に反射しているが、黒髪よりも白髪が多いことが分かる……

男の服装は、しわが目立つ白いワイシャツに色褪せた茶色のコート……
見た目は、定年が近い……普通のサラリーマンに見えた。

だが、何かがおかしい。何というか、何故かその男が……ひどく不気味に、感じられた。

理由は僕にも分らない……だが、直感的に何かを悟ったのだろう、
さっきから背筋に寒気が押し寄せてくる……早くコンビニに行ったほうがいいな。

コンビニはもう目と鼻の先にある……男を通り過ぎれば、すぐに入れるほどに……

その時、男が急に僕の方を見てきた。ずっと僕の方を睨んでいる……

僕は驚いて、すぐに目線をそらした。心臓が早く鳴り出す……
 
「まずいな……完全に目が合ってしまった……絡まれたらいやだな」

もう面倒なことにはかかわりたくない……そう思い、ずっと下を向き続けた。


……足音がする、僕の方へと向かって来ているようだ……どんどん、大きくなっている


きっと男が僕の方へと近づいてるのだろう。

僕はそんなに気に障るような、いやな顔をしていたのでしょうか……?

足音が止まった……下を見ると、黒い靴と細長い足が見える……

「はぁ、もう腹くくるしかないな……まったく、今日は運が悪い……」

僕は観念して、視線を戻す……適当に相手をすれば、すぐ帰してくれるかもしれない。

顔を上げると案の定、顔がくっつくぐらいの所まで男は近寄って来ていた。

「あの、何でしょうか……?どうかしましたか……?」

僕はしらを切ることで、その男をやり過ごそうとした……生憎、作り笑顔は得意中の得意だ……

頼むから、これで終わってくれ……それか、軽く文句言うだけでもいいから……!!

……ところが、男は何も言わない……無表情でただ僕を見ているだけだ。

ずっと僕を見ているだけ……何だか不気味すぎて、つい強い口調になってしまう。

「……あの、何か言いたいことがるんですか?無いならコンビニに行きたいのですけど……!」

しかし、男は黙ったまま……ただ僕の目の前に立っているだけ……何なんだ一体……

「もう僕、行きますね……失礼します」

これ以上、この男と関わりたくない……僕は男を通り越した、その一瞬……



         気に入った……見せてあげよう……



男が一言……微かな笑い声とともに、そう言ったのが聞こえた……

「……あんた、何わけの分からないことを……」



      振り返ると……男の姿は、そこにはなかった……



おかしい……後ろから、さっきまで声が聞こえていたはずなのに……

男が僕の視界から消える一瞬の間に、男は消えてしまっていた。

言い様のない違和感と、気味の悪い静寂が続く……心臓はまだ早く鳴っていた。

「あの男……最後に何か言っていたな……見せるって、何を……?」

僕には男の言っていることが分からなかった……

しかし、何かが僕の中で警告するように、不安が溜まっていく……

僕はもう一度確認するため、あたりを見渡す。

やはり男の姿はどこにもいない……そればかりか、人の姿などどこにも無い。

見えるのは、力なく光る電灯だけ……何故だかさっきよりも光が弱く見える……

その中に一人だけ佇んでいると、恐怖感がじわじわと生まれてきた……

「とりあえず、コンビニに行こう……そうすれば、大丈夫だろう!」

時計は深夜二時になろうとしている……

僕は暗い夜道から離れたいと思い、気分を変え、急いでコンビニまで走っていった。

後一つ、信号を渡ればコンビニだ……次第にペースが速くなっていく。

目の前の交差点には、いくらか自動車が行き来していた……

普段ならうるさいとイラつく僕だったが、
この時は自動車があるということで、不思議な安心感を得ていた……

僕は歩行者用のボタンを押した……

信号が青から黄色に変わっていく……よし、早く青に変われ……!


信号が赤になった……僕は自然と足に力を入れる……
僕は自動車が止まったことを確認すると、歩行者用の信号が青になるのを待たずに、
横断歩道を走りぬけようとした……



  しかし、僕は横断歩道の真ん中まで行ったにもかかわらず、足を止めてしまった……


         僕の目に飛び込んできた映像に、体が固まってしまう


         歩行者用信号は、青には変わらなかった……


        ただ、赤と青のライトが……激しく、点滅を始めたのだ……



「……おい、何なんだよ……これ……故障でもしたのか……?」

僕は茫然とその場で立ち尽くす……何が何だか分からない……!



          ブー!!!突然、クラクションが一斉に鳴り出した。



僕はクラクションの音で正気を取り戻し、横断歩道を渡る……

どうやら、他の人たちもこの状況に混乱しているようだ……

周りを見ると、他の信号も全部点滅している。

さすがにこの異常さだ……無理もない……

僕が横断歩道を渡り切っても……クラクションは鳴ったままだった。

左右の自動車から鳴り響くクラクションの音に、思わず耳を塞ぐ……

「……うるさいな、早く外に出て状況確認すべきじゃないのか……?

いっこうに外に出ない運転手たちに、僕はいらだちを覚え始める。 

「……おかしいな、誰も車から出ない……何をやってるんだ!」

耐え切れず、僕は自動車に近づく……クラクションは相変わらず、鳴り響いたままだ。

「おい、何で車から出てこないんだ!早く車から降りて話し合わないと……」

      そんな……そんな馬鹿な……こんなこと、ありえない……何で……!


       誰も乗っていなかった……さっきまで動いていたはず……


       それだけではない……今は誰も乗っていないはずなのに、クラクションだけが鳴っている。

「何でだ……さっきまで動いてたはずなのに……何で誰も乗ってないんだよ!!」

そして、他の自動車も同じく……誰も乗っていなかった。

僕はその場に立ち尽くす……いや、恐怖で体が震えて動けずにいた……

「一体どうなっているんだ……?幾らなんでも、おかしすぎるだろ……」

僕は完全に錯乱状態になっていた。この状況で冷静を保ってられる奴がいるなら、
是非何かアドバイスをもらいたい……誰か説明してくれ。

「そうだ、電話……警察に電話だ……!」

混乱しきった頭で、僕は何とか警察に連絡するという選択に行きついた。

僕はポケットから、携帯電話を取り出す。

だが携帯電話は圏外どころか、電源すら入らない状態になっていた……

「何だこれ、携帯ですらおかしくなってる……くそ!!」

僕は動けない体にげきを飛ばし、近くの民家へと向かった。

「誰かいないのか……!!誰か聞いたら返事してくれ!!!」

……涙を浮かべ、僕は必死に叫び続けた。

幸い、ここはアパートやマンションが多く建っている地区だ……クラクションと、男のみっともない
叫び声で民家の人も起きてるかもしれない……淡い期待を胸に、僕は叫ぶ……

扉を力強く叩いていると、玄関に明かりが灯った……人影も見える……!

「すいません、何か外の様子がおかしいんです!警察に連絡をしないと……
 お願いします……!!ここ開けてください!!!」

必死に僕はその民家の住人に頼みこむ……ところが、人影が見える限りピクリとも動かない。

僕は再び、電話を貸してくれと頼みこむ……だが、やはりその人影はびくともしない。

「くそ、何で黙ったままなんだよ……すいません、失礼とは思いますが勝手に使わせてもらいます!」

僕は腕に力をこめ、カギごと玄関の扉を開けようとした……勢いよく扉に力を入れる。

しかし、扉には鍵はついてなく……そのまま扉が開いてしまった……
その瞬間、僕はいやな予感にさいなまれる……



       そこには誰もいなかった……また、人の姿が消えてしまったのだ。



「また……人が消えた……明かりだけが付いている……」

ここもだ……ここも異常になっている……僕はもうそこで電話を借りる気はなかった。

僕は逃げるようにそこから立ち去った……もう勘弁してくれ……!!

しかし、追い討ちをかけるように……そこで、信じられないことが起こった。

 
    ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリッ!!


ありとあらゆる民家やマンションが明かりを灯し、
目覚まし時計のような火災報知機のような、不快な音が……一斉に鳴り出した。

しかもその明かりが灯る中に、一つ一つ人影も映し出している……

その全てが、僕を見つめているように、窓に張り付くような体制をしていた。

恐怖で再び体が凍りつく……ここまで恐怖を感じたことは、今までになかった……

「さすがに……これはだめだよな……気が抜けてしまった」

恐怖を通り越して、僕はおかしくなってしまったようだ……急に力が抜ける。

僕はその場に座り込んで、俯いた……もうどうでもいい……






 どれくらい時間が、経っただろうか……一人道路で、僕はうずくまっている。

相変わらず、民家やマンションの窓という窓から……人影が覗いていた。

僕は別の世界に来てしまったのだろうか……?そう思っても、不思議ではない……

「迷子か……この歳で、神隠しにでもあってしまったのだろうか」

自嘲めいた言葉も、あたりから響いてくる不快な音で儚く消えていく

きっと人間などここにはいないのだ……絶望の中、僕は再び眼を閉じた……


        コツ、コツコツコツ、コツコツコツ……



  不快な音の中……別の音が聞こえてきた……靴音……?


  その音は、僕の方へと向かっている……前にも、こんなことがあったような……



    「どうです、こちらの世界は……楽しかったでしょう?」




僕は勢いよく顔を上げる……さっきの年老いたサラリーマン風の男が、僕の顔を覗いていた……

そういえば……この男に会ってから、異常なことが立て続けに起こっている……まさか、この男が……

「あんた……さっきの……!!おい、この異常な空間は何なんだよ……考えてみたら、
あんたの妙な言葉を聞いてから、変な感覚になっていたんだ!!」

僕は男に噛みつかんばかりに、男に怒鳴りつけた。

「信号機はおかしくなるし、動いていたはずの車には誰もいない、クラクションの鳴っているのに!
携帯も電源が入らないし……民家にいっても明かりがついて人影も見えるのに、扉を開けたら誰もいない。
おまけにスイッチが入ったように一斉に目覚ましのような不快な音と、
あちこちに移る人の影!その全てが異常過ぎる……まるで、ここが……この世界が……」

「別の世界のようだ……そう言いたいのかい?」

僕の言葉を遮るように、男は話を始めた。

「そうだよ……ここは君が思った通り、別の世界だ……まぁ、強いて言うなら……『境界』かな」

男は、さっきまでとは別人のような紳士的な態度で、僕にこう説明した。

そしておもむろに空を指差し、僕に空を見るように促した。

僕は何が何だか分からないまま、黙って空を見上げる……

空を見上げると、さっきまでと同じく……満月があった。

だが、明らかに違う……これを見て、ここが別の世界だと……再認識した。


          月はあんなに白かっただろうか……?



まるで版画にでもしたような、凹凸も無い……紙で作られたような満月がそこにあった。

それだけではない、瞬いていた星たちも……飲み込まれたように消えている。

あるのは、黒の中に浮かぶ、白い円……それしかない……

「……ここが別の世界だということはわかった。でも何なんだよ『境界』って……
 ここはどういう世界なんだよ!」

それを聞くと、男は不敵な笑みを浮かべてこう言った。

「知りたいなら、今は逃げた方がいい……元の世界に着いたら、すぐわかるさ」

男は、今度は左の方へと指をさしながら再び僕にこう言った。

「君は私が見えるみたいだからね、ちょっとからかってみたのさ……
 だけどちょっと君がうるさくし過ぎたから、気づかれたみたいだね……
 ここから全速力で、私と会った場所へと行きなさい。そこが出口だよ」

「どういう意味だよ……僕は何から、逃げなければいけないんだ」

その時、あたりが静かになっていることに気がついた。

クラクションの音も、目覚ましの音も、そして……人影も全部……消えている



       ジジッ……ジジジッ……ジジジッ……


辺りから、ラップ音が聞こえ出した……それは遠くから、妙にはっきりと聞こえてくる……

どうやら、分かれ道の右の道路から聞こえてくるようだ……

僕は黙ってその方向へ目を向けた。

 向こう側から電灯が、点滅を始めている……そしてそれは徐々に弱まり、最後には消えてしまった。

それに間を開けず、今度は別の電灯が点滅し出し……そしてまた消えた……

一つ、二つ、三つ、四つ……まるで誰かが消しているかのように、僕の方へと近づいてくる。

ラップ音も次第に大きくなっていった……考えなくても分かる、
何か得体のしれないものが近づいてくるのだ……

そう思った瞬間、物凄いいきおいで電灯が消え始めた……僕を捉えたかのように!

僕はそれを見て、全速力でその場から逃げた……あれに捕まったらやばい……

「じゃあまたどこかで会おうじゃないか……」

遠くで、男が一言いっているのが聞こえた……だが僕はそれどころではない。

響き続けるラップ音の中を、僕は行きの続く限り必死に走り続けた。

さっきの横断歩道を渡り、止まった自動車を横目に……僕は走る。

信号は死んだかのように何も灯してはいない、車も同じだ。

左に曲がり、右に曲がり……また左に曲がる……
ただ逃げるということしか考えず、僕はただあの男とあった場所目がけ、懸命に逃げた……

僕は男と会った場所へと向かう……途中後ろを振り返ると、
既に十メートルの所まで、電灯の点滅が始まっていた。

僕は死に物狂いで、走り続ける……あと少し、もう五十メートル程でたどり着く……

その時、何かが僕のジャケットに触れた……いや、つかみそこねた……

まるで背筋に冷気があたっているような……そんな感覚が、僕を襲う。

いっきに恐怖心が増幅された……叫びながら僕は必死に逃げる……

「もう少し、後少し……間に合う!」

そう思った瞬間、僕の体がバランスを崩した……何かが、僕の足を引っ張ったのだ。

僕は勢いよく転び、スケートリンクのような道路を滑り、そこで倒れた……

「ちくしょう……ここで転ぶとは、今日は人生最悪の日だな……」

僕は諦めた、自然と笑いがこぼれる……ラップ音が、耳もとでなっているのがわかった。


     急にどっと疲労感が押し寄せてきた……意識が薄れていく……

    まぶたが重い……空を見上げると、黄色の満月が僕を包み込むように、輝いていた。



 


     ……月が黄色……?ということは……ここは……

僕は気力で、まぶたをこじ開けた。倒れていた僕の目の前に、本物の月が映っている。

どうやら僕は元の世界に戻れたらしい……僕は起き上がり、月を眺めながらそう思った。

「あの時……転んでもうだめだと思ったんだが、どうなったんだ?」

僕は自分の立っている場所を確認した……そこは確かに、男と会った場所だ……間違いない。

「どうして、ここまでたどり着けたんだ……?」

その答えは……意外に早く見つかった。僕が転んだ所を見てみる。

何か引きずったような、そんな跡があった……引きずったというよりも、滑ったというような感じだ。

「そうか、勢いよく転んだから……滑ってここまで来たんだ」

どうやら僕は悪運は強いようだ……自然と気の緩んだ笑顔になる。

「良かった……助かったんだ……疲れた」

気の緩みが体に伝わったかのようだ……全身に力が入らない……

辺りは心地よい静寂に包まれている……急に眠くなってきた。

「帰ろう……今日はもう、何もしたくはない……」

僕はアパートへの道へと歩いていった。いつの間にか携帯も正常に戻っていた。

帰り際、時間が気になり時計をみた……時間は深夜二時ジャスト……


      深夜二時……あれだけ色々なことがあったのに、たった一分しか経っていない……?


さっきまでの安堵感が、急速に無くなっていく……その時だ……


            後ろからラップ音が再び、聞こえてきた……


僕に後ろを向く勇気はあるのか……?できることなら、このまま何も見ずに立ち去りたい……

            −元の世界に着いたら、すぐわかるさ−

あの男の言葉が脳裏によぎる……『境界』その言葉の意味が後ろにある……そう思えてならなかった。

僕は勇気を振り絞り、ゆっくりと……後ろを振り向く……
そこには僕を追ってきた、何かの正体があった……


        無数の人間が、苦痛の表情を浮かべ……必死に、もがいているのが見えた……


僕はこの光景を見て、『境界』という意味を知ってしまった……

その人間たちは、僕のいるところへと行きたいらしい……
だが何かが壁となり……その人間たちは、そこに這いつくばるだけ……
ここへは入れない……おそらく、あちら側にも……


『境界』の世界にいるモノは、他の世界には干渉できない……そうことだろう。

じゃあ、『境界』が分けるモノは何か……?それは、僕の口からは……言えない


     −君は私が見えるみたいだからね、ちょっとからかってみたのさ−


あの男は一体何だったのだろうか……恐らく、こちらの住人ではないのだろう……

僕は再び、アパートへ向かって歩き出す……時計は深夜二時五分をさしていた。



    ラップ音に聞こえたものは、小さくなるにつれて……ある言葉だと分かった



        それが何重にも重なって、ラップ音に聞こえたのだ……



          それは、すべて一種類の単語から作られていた……




               「タスケテ」と……






後書き

読んでくださり、ありがとうございました。

今回の話で、少しでも恐怖感を味わってくれればいいと思います。

何とか書き上げたまではいいのですが、
やはりまだまだ未熟さがあるなと実感ました。

この作品を読んで、何かアドバイスをいただければいいなと思います。

気軽に評価してくださいね。

最後に、どうもありがとうございました。

次の作品も読んで下さいね!

この小説について

タイトル −境界−
初版 2009年1月31日
改訂 2009年1月31日
小説ID 2979
閲覧数 1441
合計★ 7
みかんの写真
ぬし
作家名 ★みかん
作家ID 445
投稿数 12
★の数 155
活動度 3999
みかんです、みかんと言ったら、みかんなんです。

コメント (5)

武士つゆ 2009年2月1日 1時32分21秒
どうも今晩は。武士つゆです。
作品、楽しく(怖く?)読ましていただきました。
今回も良作だな、と思いましたが、気になった点(とは言っても、欠点と呼べる程ではないのですが)もいくつか有りましたので、参考までに挙げさせてもらおうと思います。
まず、最も気になったのが、導入部の主人公(有田)の説明口調です。状況描写を口に出すのは、せっかくの一人称の魅力を潰しかねない、と感じました。例を挙げるなら、有田の、謎の男と目が合った際の一言。
「目が合ってしまった」
こういう表現には鍵カッコ要らないと思います。ましてや、主人公は一人で歩いているわけですし、説明する相手も居ないのに口で状況を表現するのは、おおよそ一般的では無いと感じました。
次に気になったのが、先輩との関係です。何故主人公がこんな先輩と交友を持ち続けているのかが果てしなく謎、とゆーか普通は縁を切るでしょう(笑)
恐らく、離れたいのに離れられない理由があるのでしょうが、そこいらを描写してくれないと読者としては想像でカバーするしかありませんので、描写お願いします(´ω`)
後、これは超個人的な意見ですが、主人公にもっと叫ばせたりした方が臨場感がでるんじゃないかな、と思いました。
・・・いい加減ウザイかも知れませんが、どうせなので最後にもう一つ。
主人公が恐怖を感じる描写に、肉体的な描写を多く取り入れると、読者に恐怖が伝わりやすいと思います。
例えば、人は恐怖を感じる、又は極度の緊張状態の時、呼吸が荒くなり喉が渇きますし、心拍数が上がり、心臓の音も大きく聞こえます。
こういった、心理面と肉体のコンディションが直結した描写をもっと取り入れれば、更に面白い小説が出来るんじゃないかなぁ、と愚考します。
・・・所詮素人考えですが(汗)
最後に、これからも執筆頑張って下さい。
では、長文失礼しました。
PJ2 コメントのみ 2009年2月1日 2時48分01秒
どうも、夜遅くに失礼します。
これを読んだときの時間は、午前二時半を回ったところでして、背筋が凍り後ろに誰かいる気がしたりと、いつもなら寂しい創作活動もスリルのあるものとなりました。
僕は昔からホラーなどに免疫が薄いのですが、このくらいのソフトタッチなホラーは大好きです。
近い形の作り方として、筒井さんの(時をかける少女などの著者)作品と似ている気がしました。
文章力の無さは本を読んでカバーです。これしかありません。
僕も文章力が無くてカバーするために、一時寝るのも忘れて一日中活字に向かっていたことがあります。
PJ2 2009年2月1日 2時49分30秒
星をつけるのを忘れたため、付けたします。
★みかん コメントのみ 2009年2月1日 11時43分11秒
武士つゆさん、いつもためになる評価をありがとうございます。

なるほど、臨場感ですか……良いですね、今回の作品も臨場感を出したいと思い書いたのですが、やはり私の苦手分野は心理表現ですね。もっと頑張りたいと思います。

カッコの使い方は、確かにいらないな、
と武士つゆさんのアドバイスで気づきました。

次の作品は、心理面が与える肉体の影響での描写、そして一人称の表現方法に注意して書いていきたいと思います。

また、ぜひこれからも評価をお願いしたいと思います。

思い切っていろいろ気づいたことを言ってくださったほうが、私としてはとても嬉しいのです。

ですので、どんどんアドバイスをくださいませ。

最後に、サークルの先輩のことなのですが……これはまた今度、いずれ触れたいと思います。申し訳ありません。

では、本当にありがとうございました。また来てくださいね!
★みかん コメントのみ 2009年2月1日 11時49分00秒
PJ2さん、コメントありがとうございます。

筒井さんには、遠くおよびませんが……
そういうことを言ってくださると、嬉しくなりますね。

文章力のカバーは、本を見て……これはもうたくさん読むしかありませんね。寝るのを忘れてとは、大変敬服いたします。

私も精進して、取り組みたいと思いますので、
これからもどうぞ、私の作品に評価をお願いします。

では、本当にありがとうございました!
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