LENS - LENS6

 本日は、遠足とか言うくだらない行事が行われる日で、現在、午前中の時間(移動時間を除く)をすべて使ったオリエンテーリングが終了した。そして、いまは、昼食中。それから、班の男子をどう思ってるかという乙女会議が行われている。
「輝璃ってさ、やっぱり、高山くんの子と好きなわけ?」
普通に昼食をとっている途中に急に言ったのは、美波こと飛鳥井美波だった。
ついでに言えば、話を振られた輝璃こと、相楽輝璃は、ご飯を口に入れた状態だったため、むせた。
「な、な、なに言ってるの!?み、美波ちゃん?」
かなり動揺している。当然といえば当然だ。
「え?別に普通のこと」
と、美波さんは、言うが、どこが普通といえるのだろうか。興味深くはあるが、あえて突っ込まない。
「ふ、ふ、つうじゃない。そんなこと、絶対普通じゃない」
輝璃さんは、すごく動揺している。これも当然といえば当然である。いきなりあんなことを振られた日には、私もむせかねない。
「普通ジャン。普通の女子トークでしょ?」
「今ここに、女子トークをする必要がどこにあるの!?」
「いやだって、さっき、手を貸してもらってたときにさ嬉しそうにしてたじゃん」
「し、してない。絶対してない。してないよね。文月ちゃん!?」
輝璃さんは、顔を真っ赤にして、とてもかわいらしい。そのせいか、すごくからかいたくなる。
「してましたよ。」
「!?ふ、文月ちゃんまで〜」
「と、言うのはちょっとした冗談です。わかりませんよ。疲れてましたし。」
「文月ちゃん〜。」
と、輝璃さんは、私の肩をぽかぽか殴る。輝璃さんの、たたきはぜんぜん痛くない。
「ま、それは置いといて。で、実際どうなのよ。輝璃。」
「ど、ど、どうってな、何が!?」
「高山さんのことでしょう。恋愛感情があるのかと」
「そそ。」
輝璃さんの顔は、赤いまま。というより、赤さが増している。熟したトマトのように赤い。
「あ、もう!そうですよ。小学校四年生からの、片思いです!ふんだ。」
  小学四年。五年間。長い片思いですね。
と、思う。もっとも、私はそんな長い片思いはしたくはないし、したこともない。
「長いわね。」
「そっちのほうが長いでしょ!?」
「え!?なんのこと?」
とぼけている美波さんだが、輝璃さんの言葉の意味はしっかり理解できている。その証拠に、顔の色がだんだん赤くなっている
「とぼけたって無駄だよ!その、えと、萩原くんのこと」
「なっ。あ、あたしは別に、か、快人のことなんて」
その言葉は嘘だ。絶対。顔を赤く染めながら、そっぽを向くなど、明らかに彼のことを意識しているという証拠だ。
「嘘ですね。」
「文月〜!あ、そうだ、あんたこそどうなのよ」
「はい?何のことですか!?」
とりあえずそう聞き返す。
「「斎賀くんのこと!」」
二人は同時に言った。
  二人同時に来た。
「あの、落ち着いてください。お茶吹きかけましたよ。」
「お茶なんかはどうだっていいのよ」
「そうだよ。」
「斎賀さんですか?別にどうとも思ってませんよ。話しかけてきてくれるいい人だなって」
「だったら黒川くんも同じじゃない」
「黒川さんと、斎賀さんは、違うって言うか。斎賀さんが話しかけてくれるとほっとするんですよね。」
 彼と出会ったのは、中学三年生の始業式だった。それまで知らなかったわけではない。斎賀夏也という人間は、有名人だった。
そのことを教えてくれたのは、今はクラスが離れてしまった友人、浅井佳奈美だった。彼女は、まぁ趣味が悪いことに、黒川さんがすきなのだという。
きっかけは、詳しく覚えてはいないが、情報通だった彼女は、黒川さんを徹底的に調べて、その報告をよく私にしてくれた。
故に、黒川さんと常に一緒にいる斎賀さんの情報は、彼女のおかげで、知ってしまっている。
 彼が話しかけてくれた理由は、よくわからない。ただ、あの時読んでいた。
ハ○ーポ○ターの表紙に興味を持っただけかもしれない。

「それって、さ。やっぱり文月って。斎賀くんが好きなんじゃない?」
「そうなんでしょうか。」
だとしたら、私が、彼に恋愛感情を抱いたのは、彼と会話を交わしたあの時だろう。
だって、男子の話は、聞き流して無視。が普通なのに、彼は、普通に話すことができたのだから。

後書き

えっと。ほんとに文月チャン視点にしてしまいました。やっぱなれないのは難しいですね。文月ちゃんの場合は敬語キャラですし、とても疲れた気がします。けど、女子の視点から書くのも楽しいものだな。と、思えたりした今日この頃。さて、次も文月チャン視点になる、と思われたりそうじゃなかったり。(どっちやねん)

この小説について

タイトル LENS6
初版 2009年6月3日
改訂 2009年6月3日
小説ID 3191
閲覧数 756
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音桜の写真
ぬし
作家名 ★音桜
作家ID 504
投稿数 21
★の数 20
活動度 4200
すっごい未熟ですけどがんばります。自分の小説にコメントをいただけたらうれしいです。応援よろしくお願いします。

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