LENS - LENS7

 俺は今、駅の前にいる。なぜかというと、それは三日前の金曜日の放課後にさかのぼる。

「おっ。日曜からじゃん。」
と、言ったのは、誠で何が日曜からなのかって映画の公開日。誠が指差したのは、とある歌手の実話を元にした。恋愛映画。
「俺、この人の歌好きでさ。この映画にも目をつけてたんだ。」
と、誠は言った。
「ええ!?そんな女もん見んのお前!」
快人の反応は、男子としてもっともの意見だったが、
「快人、そんなこと言ってたら彼女につれてってっていわれたときくろうするわよ〜」
そういったのは、飛鳥井さんだった。それからいつもの夫婦漫才と呼べなくもなく、夫婦喧嘩とも呼べなくもない言い合いが始まった。

「日曜日・・・。」
と、言ったのは珍しくも文月ちゃんだった。
「どうしたの文月ちゃん。」
「いえ、気になってるというか、実は、今読んでる小説の映画化が日曜日に公開なんだそうで」
「どんな内容?」
「えっと、これも恋愛系なんですけど、とある少年が、図書館で女の子と会って、その女の子は実は、小説家でって言うお話です」
「ふうん。」
そう返すと、快人に腕を引っ張られ、耳元でささやかれた。
「何やってんだよお前。」
「何って何が」
「ここは普通、一緒に見に行かないとかいうとこだろうが」
と、小声でしかられた。
 たしかに、さっきの雰囲気で、一緒に行かないかとかいえないこともなかったのだが、それは、俺の気持ちがばれるだろう。
そのことを話すと、
「いっそのことばらせ」
小声でかえってきた。
「無茶言うな。」
「あの。」
小声で話し合いをしていた俺たちに話しかけてきたのは文月ちゃんだった。
「よろしければ、みんなで一緒に言ってもらえないと思ったんですが、だめでしょうか。」
「ぜんぜんいいよー面白そうだし。」
文月ちゃんの誘いに一番に乗ったのは、飛鳥井さん。
「もちろんだよ。」
次に相楽さん。
「いいよー。」
次に誠。
「日曜日に用事はない」
遠まわしの健一。
「俺も行くー。」
快人がいったあと、俺は迷っていた。
「斎賀さんは、どうですか?だめでしょうか」
リスのような目で文月ちゃんは俺を見上げる。
  そんな目で見ないでくれ。その目は絶対反則だ
「じゃ、決定って事で。」

で、今に至る。
「よー。夏也。早いな。」
「おはよー。斎賀君」
俺の次に来たのは、快人と飛鳥井さん。
「二人できたのか?」
「「家が近いからな(ね)」」
「そうかい。」
そして、次々と集まって、最後に文月ちゃんとなぜか浅井佳奈美さんがいた。
「友人が一緒になってしまったんですが、よろしいでしょうか」
文月ちゃんの問いにみんなは許可を出した。

それから、映画館でチケットを買い、十分待たされたが、大勢いたので、雑談で十分はつぶれた。
みんなで席に着いた。それまではよかった。なぜか俺は文月ちゃんの隣だった。どうやら、快人が先に入れといっていたのはこのことを狙っていたようだ。
  みんなして、快人とグルになりやがって
それから映画が始まるという直前で、俺は寝てしまったらしい。
暗くなるとすぐ眠くなるという体質を俺はすっかりと忘れていたのだ。

「斎賀さん。斎賀さん」
文月ちゃんの声で目が覚めた。俺は、眠ってしまった上に、文月ちゃんに寄りかかっていたのだ。
「ごめん!文月ちゃん」
「いえ、それは別にいいんですが、みなさん、飲み物を買ってくるといって、先に出てしまわれて。で、斎賀さんがおきるまで待っていたんですが」
「ごめん。マジで」
そして、外にでた。すると誰一人見かけなかった。なぜかって言うと
『俺達は、二人のために先に帰るぜ。ガンバレ!』
こういうわけである。
「文月ちゃん」
「はい?」
「これからは二人で行動になりそうです」
「は、い?」
  何だよこの展開
俺はこの後、ため息ばかりが出たのはいうまでもないだろうか。

とりあえず俺は、文月ちゃんを連れて、駅前の大型デパートに行くことにしたのだった。
「これからどうしましょうか。帰るのももったいないですものね」
「う、うんそうだね。」
文月ちゃんと二人きりというのが気まずいし、なにより、これからどうしろと。
「あ、あそこはいっていいですか?」
「うん。って本屋?」
「だめですか?」
「いいや、らしいなって」
こういうところで、アクセサリーショップとかに行くことがないのが文月ちゃんらしいと思える。
 本屋に入ると、文月ちゃんは、真っ先に新書の方向へ歩いた。
「あった。」
と手に取ったのは、なんとも分厚い本。そして、会計を済ませていた。
「はやいなぁ。」
「いえ、この本がほしかったんです。付き合ってくれてありがとうございます」
にこりと、彼女ははなのような笑顔を見せた。その笑顔に俺はドキッとする。
そういうときに、俺はやっぱり文月ちゃんが好きなんだと再確認する。
「斎賀さん。小腹がすきましたね。」
「そうだね。」
と、俺達は、会話をして、ドーナツショップにいって、それぞれ自分のものを頼み、席に着いた。そして、
「斎賀さん。私の父について語ってもよろしいでしょうか。」
文月ちゃんは切り出したのだった

後書き

なんか、長くなった気がします。
でも、書いてて楽しかったのです。
楽しんでいただけたら幸いです。

この小説について

タイトル LENS7
初版 2009年6月14日
改訂 2009年6月14日
小説ID 3214
閲覧数 692
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音桜の写真
ぬし
作家名 ★音桜
作家ID 504
投稿数 21
★の数 20
活動度 4200
すっごい未熟ですけどがんばります。自分の小説にコメントをいただけたらうれしいです。応援よろしくお願いします。

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