出会いと人生は滑稽な - カード機Т饅兒佞判教皇


カード機Т饅兒佞判教皇


『前にも、そんなことを聞きにきた少女がいたよ』

私以外にも?
今、そこ子は?
それは、いつのこと・・・?
私は、何も分からない―――


「つ・か・れ・た」
「まだまだですよ。女教皇のいる場所は遠いんですから」
壊れたコンクリートでできた無残な家の姿があった。
そこも、紫色の霧が出ており、かなり怪しげだ。
そんなところを2人は歩いていた。
ガラッ・・・
「ひっ!」
オーディは思わず愚者に抱きつく。
「・・・家が壊れただけです」
「あ、うん・・・」
そうとう怖がりなことを、愚者は認識した。
「そ・・・その、女教皇って、何処にいるの?」
オーディは一刻も早くココを抜け出したくてたまらない様子。
「この瓦礫の町を抜けて、森に入ってそこを抜けたらです」
「また森〜!?」
またあのうす気味悪い森に入るのね・・・とオーディはため息をついた。
「この世界はほとんど森ですよ。町といっても今のようなところしかありません」
「昔は、誰かすんでいたの?」
「さぁ・・・少なくとも私が存在した時、既にこんな感じでしたよ」
オーディはその言い方に少し怪訝がった。
存在した時。
それは、どういうことだろう。
そういえば・・・愚者さんは、人間ではないのだろうか?
あ・・・れ・・・私、は?
「どうしました?」
「あ、うんん。なんでもない」
「・・・そうですか」
2人は町を抜けて、森へと向かう。
「ああ・・・うう」
森の中に入るとやはり動物達の骸が沢山。
木も相変わらず変色している。
葉も色も凄い有様。
オーディはまだ慣れないらしく森に入ったとたんうめき声を上げる。
それを愚者は相変わらずですね。といいながら見ていた。

「ちなみに、この森抜けるのにかなり時間がかかりますよ」
「え」
オーディはそれを聞いた瞬間動きを止めて固まる。
「奇術師のところはたまたまあそこから近かったのです。この森は大きいんですよ」
愚者はこの世界はほぼ森だと言った。
つまり、どこに行くにも十中八九森を通るわけだ。
「霧は出てるし、森はうす気味悪いし・・・気絶しそう」
気絶はして欲しくないですね。と愚者が言いながら2人は再び歩き出す。
数時間たった頃。
「まだ・・・?」
オーディが言った。
「まだです。12回目ですよ、その質問」
愚者が前を見たまま答える。
オーディは結構ふらふら。
直ぐにでも本人も休みたいわけだが、この森では無理だ・・・と思っていた。
「・・・大丈夫ですか?」
「うーん・・・多分」
今にも倒れそうな人がそう言った。
ホントに多分中の多分だろう。
「・・・仕方ないですねぇ・・・」
愚者はそう言って膝をついてしゃがんだ。
「え?」
オーディがそれを見て少し怪訝そうにする。
「疲れたのでしょう?」
まぁつまりは、背中に乗りますか〜?って聞いてるわけです。
「え?いや!でもー」
「?早くしないと、日が暮れますよ」
彼女的にはまぁそのほうが助かるのだが、自分って重くないだろうか・・・?
と、急に心配し始めた。
「愚者さんも疲れてるんじゃないの?」
「大丈夫ですよ。というか、ぶっ倒れられたらそれこそ大変です」
正直に返して、
「・・・じゃ・・・お願いします」
正直に答えた。


「確か、ここらへんのはずですが・・・」
あれからまた数時間後。
愚者が呟く。
「あ、もしかしてあれ?」
まだ背負われたままのオーディが城のような建物を見て言う。
愚者より今は視線が上なので見えたのだろう。
「やっと着きましたよ」
愚者はゆっくりとオーディを下ろす。
とんっと下りたオーディは城の入り口でわ〜と歓声を上げる。
同時にやっと着いた〜と続けた。
そこもやはり紫色の霧に包まれている。
奇術師の時と違う事を言えば、城の後は海ってことだけだろうか。
「でも、本当に行きますか?」
改まって愚者が聞いてきた。
「え?う、うん」
オーディは戸惑いながらもハッキリと答えた。
「では、行きますか」
それを聞いて愚者は城の重い扉をギィィと開ける。
「すご・・・」
奇術師のところとは正反対で、そこはとてもキレイな場所だった。
階段にはレッドカーペット。
天井にはシャンデリア。
「女教皇って・・・実は偉い人?」
絶句したオーディが愚者に尋ねる。
「偉いかは知りませんが・・・まぁ、只者じゃないって雰囲気はしてますよ」
愚者が青ざめた顔で言った。
「女教皇は2階の中央の部屋にいます」
「あそこ?」
階段は左の右とあり、それの上がると直ぐ傍に大きな扉が見える。
そこを指差した。
「そうです」
愚者は淡々と言って階段を上がりだす。
オーディもそれに続く。
ギィィィ・・・
2人が中央に着くと、自動的に重そうな扉が左右に開いた。
「あら、貴方だったの」
部屋の置くに、1つの机があった。
そこに、1人の女性。女教皇が座っていた。
「お久しぶりですね」
「会った事あるの?」
前にもここに来たことがあったから色々知っていたのだろう。
愚者はええ。と短く答えた。
とても嫌そうに。
「あら?そちらの人は?」
女教皇はオーディに気づいて彼女に視線を向ける。
「あ、私は・・・オーディです」
「へぇ。貴方が奇術師意外と一緒にいるところを見るのは初めてだわ」
女教皇は楽しそうに話す。
「あのですね。私だって彼と四六時中いるわけじゃないんですから」
呆れたような、そんな顔で愚者が言う。
「あらら、ごめんなさい」
彼女は全然悪気がなさそうに謝る。
この人は・・・愚者が小さくそう呟いているのが判った。
「あの、私・・・ちょっと貴方に聞きたい事があって来たんです」
「聞きたいこと?」
「・・・はい」
女教皇は興味津々といった感じで食いついてくる。
「声が、聞こえて。その声のこと、貴方は何か知りませんか?」
「ふ〜ん。22枚のカードねぇ・・・」
「!?」
オーディはそこまで言っていないのに判りきったように呟く彼女を見て驚いた。
「彼女は人の心が読めるんですよ」
愚者は不思議がって女教皇を眺めるオーディに小声で教えた。
「そのカード、意外に近くにあるんじゃない?でも、貴方が気づくのは遅そうだわ」
何でも判っているかのように、何でも知っているように彼女は言う。
「気づくのが、遅い?」
「ええ。私も、そのカードが何なのかはよく分からないけれど・・・近くにあるものね」
女教皇は顎に手を当てながら答えた。
「あの・・・声が誰のかは、判りませんか?」
「ごめんなさいね。それは判らなかったわ。情報がないのよ」
「そう・・・ですか」
残念そうに、そう言った。
そして有難うございました。そう言って立ち去ろうとした時。
バタンッ!
扉が勢いよく閉まった。
オーディはビックリして思わずビクッとなった。
「何かお礼を貰わないとね♪」
女教皇は、ハッキリと、大きな声で二コッと笑ってそう言った。
「えええ!?」
オーディは何か対価が必要とは思ってなかった。
愚者の顔を覗くと、とても嫌そうな顔をしている。
「さぁどうする?」
女教皇に凄まじいオーラを感じた。
「愚者さん、何か、ある?」
「残念ながら、ないです」
愚者は久々にけろっと答えた。
オーディはどーするのぉ!と彼女に聞こえないように、適度に叫んだ。
すると
「全く。相変わらずだな。お前は」
部屋に聞き覚えのある声が響いた。
だが、そこには3人意外の姿は見えない。
「どうしてお前がココにいる?」
愚者は空気に向かってそんなことを聞く。
「愚者さん・・・まさか・・・?」
「そのまさかですよ」
やっぱり?と思った。
姿を見せない。
声だけの存在。
そんな人を、2人は知っている。
「ふはははは。1回しかあってない彼女にもバレるとはね」
声はそう言った。
いや、普通バレるだろ。愚者は静かにそういった。
だが、相手には聞こえてなかったようす。
「で、対価は何が欲しいんだ?」
影のような物体が徐々に形になり、30代後半ぐらいの男が現れた。
「そうね・・・なら、貴方の研究の成果でも教えてもらいましょうか」
女教皇は、彼が現れても全く驚かず会話する。
「奇術師、何故お前が?」
愚者は驚いてはいないようだが、気になってはいるらしい。
「お前の事だから何も用意してないと思っただけよ。我が来て良かっただろう?」
「・・・ダッシュして逃げる気だったからな」
「聞き逃げってやつ?私はそう簡単には逃がしはしないけど」
3人が淡々と話し続ける。
1人置き去りにされているオーディ。
見たところこの3人は全員面識があるらしい。
「あ、あの・・・」
「おや。悪いねお嬢さん」
奇術師が軽く誤る。
「じゃ、オーディ。対価は奇術師から貰うから、帰りたければ帰っていいわよ」
さっきとは全く別の態度で女教皇が言った。
「え?でも、奇術師さんはいいの?」
オーディは奇術師をちらっっと見る。
「我は別に構わん。それに、その為に来たのだ」
オーディはどうして奇術師がそんなことをしてくれるのか気になったが、お言葉に甘える事にした。
断ってしまったら自分達が一生此処から出られない。
「じゃ、奇術師。あとは頼んだ」
「はは。相変わらずだなお前は」
愚者は奇術師に軽く手を振って先に行っていたオーディを追いかけようと、その場を去ろうとした。
そこに、
「あ、待って」
女教皇が彼を引きとめた。
机から立ち上がり、愚者の直ぐ近くへとやって来て、彼女はこう囁いた。
「本当に相変わらずね。あの時と変わらず、まだ自分が何なのか分からないのが怖いのかしら?」
「・・・私は貴方のその見透かした態度が嫌いです」
愚者は動揺せずにそう言った。
「あら酷い。でもまぁ、また何かあったら着て頂戴。今度は対価を用意してね」
バタンッ
重い扉がゆっくりと閉まった。


パキンッ
小枝が折れる音がした。
「どうする?何も手がかりはなかったね」
オーディ達が再び森の中を歩いていた。
「そうですねぇ・・・まぁ、なんとかなるでしょう」

「あ、そうそう。オーディに伝えて」
「はい?」
「このゲームを、貴方はクリアできると思うわ。って」

「・・・・・・」
「愚者さん?」
黙ったままの愚者を見てオーディが話しかける。
「あ、はい?」
「大丈夫?」
「え、ええ」
オーディは少し小走りし、振り返って」
「良かった」
一言、そう言った。

「私ね、女教皇のところで改めて思ったの」
「はい?」
オーディの顔が、一瞬悲しそうに見えた。
「私は、一体誰なんだろう。って」
「―――――」

その感覚は、知っていた。
私は、気づいたら此処にいて・・・・・。
自分が誰かもわからずにいると「称号:愚者」そう書いてあるペンダントが自分の首にぶら下がっているのに気づいた。
それでも、今でも、自分が誰なのかと思う。

「答えが、見つかるといいな」
オーディが小さく微笑んで、呟いた。

後書き

お久しぶりです、五月です。

旅行から帰って来ました。
旅行の間もちろん小説についても考えてました。
でも、結構上手くいかないものですねーやはり。

さぁ・・・22枚のカードと愚者・奇術師・女教皇でこれが一体なんだか判ったでしょうか?
まぁ判ってしまうとすこしネタバレ的な感じになってしまうと思うのですがね。

この小説について

タイトル カード機Т饅兒佞判教皇
初版 2009年7月28日
改訂 2009年7月28日
小説ID 3364
閲覧数 717
合計★ 0
五月の写真
作家名 ★五月
作家ID 497
投稿数 60
★の数 166
活動度 11432
一言・・・・・・頑張ります。

http://simotukiharuka.blog.so-net.ne.jp/
自分の小説ブログです。
ここに載せた小説についていろいろ書いてます。

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