クレアシオン - 掘Щ計の針が示すモノ

掘Щ計の針が示すモノ


ここは都市ナイーブ。
私は、少し気になっている事がある。
ここに、今日3人ほどの旅人が来た。
私はそれを自分の部屋(マンションみたいな建物の5階。ちなみにレンガでできている)から見ていた。
1人は髪の長い16歳ほどの少年。
もう一人は普通に髪が短い、でも一部分だけとても長い18歳ほどの少年。
最後の1人が、肩につくかつかないかぐらいの髪の長さの少女。
皆私より年上に見える。
でも、そこまで年も変わらない。
そんな人達が、3人で旅をしてるのには何か深い理由でもあるのだろうか?
だって、普通の子供は、うんん、子供だけじゃない。普通大人だって故郷で育つもの。
こんなに若いのに旅に出ている人達を、私は何故かとても気になった。


私は、今気になっている。
私のすぐ隣を歩く少年。
その少年の腰から1本の鎖がジャラッとさがっている。
今頃気づいた私だ。
その鎖には懐中時計が1つ。
銀に輝くそれは、毎日手入れされてるように見えた。
「ねぇ、その時計どうしたの?」
私は思い切って聞いて見る。
「あ?ああ、貰ったんだ。昔」
彼は前を見ながらそれだけ言った。
オクリモノの時計。
それには、どんな記憶(思い出)がつまっているのだろう。


ここは、森や海そんなクダンが住み着きそうなモノが全然ない町。というか都市。
人々は豊かに、平和に暮らしていた。
クダンがいないのならそれが何よりだ。
今回は静かに過ごせると悟った。
「まずは町を廻るか」
「でも、これだけ発展してるのに、神の力が必要だったか?」
そう考えると、別に神など信じてるようには思えない。
神の力でこうなった。と、言うのなら別だが。
「凄いね〜!」
ルミネが都市には初めて来たらしく、浮かれている。
ザ・好奇心旺盛。
「あ、かわい〜」
「ん?」
「はい?」
ルミネがガラス越しから店の中を覗く。
そこには家具全般。アクセサリーなどが商品として並んでいた。
看板に「“Bienvenue”(いらっしゃい)」と書かれていた。
看板の色はオレンジ。(木製だ)
壁の色が薄い黄緑、パステルエメラルドみたいな色をしている。
扉には、開けたり閉めたりするとカラン・カランと鳴る鈴が下がっていいた。
『・・・・・・・・・・』
黙りこくった2人。
女の子はこういうの好きだな〜とストラウドは思い、
トラヴィスは、あれってオレがつけてる時計みたいなものなのか?いや、でも時計はアクセサリーじゃないし・・・・・
なんの意味があるんだ?
などと思った。
「私、ココが見たい!」
「はいはい」
「ああ・・・」
ストラウドは判っていたように相槌をうち、
トラヴィスはまぁいいか・・・と、曖昧な心境でOKした。
「わぁ〜!」
それから1時間ほど。
ルミネは全然見終わらず。
小さくも広くもないその店は、小物やらが多い為、見るのに時間がかかった。
小さいと余計に手にとって見たりしないどんなものか分からないときがある。
「長いな・・・」
「ああ、長い」
ストラウドの呟くに即答するトラヴィス。
ずっと入り口にいると迷惑になるので、2人は外で待っていた。
「暑いな・・・」
「ああ、暑い・・・」
天気は晴れ。
日差しはガンガン。
待つには最も嫌な温度。
そとからチラッっとルミネの様子を窺うが、まだ見終わりそうにない。
「長引きそうだ」
「同感」
ぼやきながら我慢して待つ二人。
「ごめーん!」
2時間後。
ルミネが店を見終わり、そこから出て来る。
出て来るさいに、扉についている鈴がカラン・カランと鳴った。
「遅い・・・」
「遅い・・・」
同時に二人が言う。
「ごっごめん」
まさかこんなに時間がたてたとわーとルミネが言う。
ザ・言い訳。
「んじゃ・・・そろそろ宿探すか。もう4時だ」
「そうだなー」
ここに着いたのが1時半頃。
結構エトワールからは遠い都市。
列車も使えるところまでとそうでないところと境界線はある。
「地図によると宿はこっちだ」
「ああ」
「うん!」


4時頃、またあの3人を見た。
店から出て来るのが判った。
2時間もあそこにいたのだろうか?
あそこは地元では女の子に人気のお店。
私も友達とよく行く。
あの女の人が行ったのかな・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。
外の世界を知れるのは、楽しいかな?
そう考えるようになってから数日後。
彼らは現れた。
私は、「旅」というものをよく知らないし、私の世界は都市(ここ)だけだ。
外の世界を知れば、私の世界も広がるのかな―――?


「に、しても・・・広いな、此処は・・・」
トラヴィスが額の汗を拭いながらぼんやりと呟いた。
「そうだね。都市だからねー。1日じゃ廻れないね」
「どうする?しばらくいるか?」
都市。は、町や村とは比べものにならないぐらいデカい。
つまり廻るのにも時間がかかる。
「よりけりだな・・・神について何も知らないようなら直ぐに出よう」
「あ、でも私お店は廻りたい〜」
その言葉に2人がぞっとした。
また待たされる・・・そう思った。
だが、1人で行かせる訳にもいかず。
待ち合わせ場所を決めれば・・・とも思うと思うが、これだけ広いところで何かあったら見つけるのにも、助けに行くのにも時間がかかる。
これはまぁ万が一だが。
クダンとの争いもあるが、人と人との争いがないわけでないのです。
「今日は、今日は宿を見つけたらゆっくりしてよう・・・多分宿に着いた頃もう5時ごろだろうし」
トラヴィスは今日はもう疲れたから。という本音を秘めて、明日にする事を提案する。
「明日もいるの?」
「まだ、話も聞けてないしな」
「そうだな」
という事で、明日もこの都市にいることになった。


次の日。
ルミネは元気よく2人の部屋に乗り込んでくると、2人を連れて外に出た。
もちろん、買い物をする為。
「いっくよ〜」
「何で、あんなに元気なんだ・・・?」
「きっと電池でも入れ替えて満タンなんじゃないか・・・?」
トラヴィスの返事にありえねーよ。という答えを返すストラウド。
「あ、まずはココ!」
そんな2人の気も知らず、ルミネは1人はしゃぎだす。
(でも、まぁ・・・・・・いいか)
ルミネの笑顔を見て、トラヴィスが思った。


朝、8時ごろに起きた。
私は、朝起きると部屋の窓を開ける癖がある。
寝巻きのまま、鍵を開けて、戸を上に上げる。
そして外を覗く。
すると、あの3人をまた見つけた。
また買い物にでも行くのだろうか?
そういえば、私も今日は買い物に行こうと思ってた。
買いたいものがあって。
会える、かな?


「ルミネ〜まだかー」
「ちょっと待ってー!」
3人は現在洋服屋にいた。
ルミネは旅をしていたため、町や村、都市で普通の女の子が着ている、いわゆるおしゃれ服。を着たことがないのだ。
ストラウドとトラヴィスは、言うまでも無くファッションなんかに興味は無い。
お店は都市ならではで結構広い。
服意外にも靴・帽子・アクセと色々売っている。
ルミネが買う気でいるかは不明。
でもこの先、買っても着る機会があるかどうかは2人にも、もちろんルミネにも分からない。
「・・・・・・」
それでも、ルミネは今回くらいは女の子らしくしたかったのだ。
(そういえば・・・前にも気になったが、ルミネは普通に故郷にいれば、普通の女の子っぽくできた訳だよな・・・なのに、どうして神など探していたんだろう?)
トラヴィスに再びその疑問が浮かんだ。
ルミネに、それは聞いていいことなのか、正直分からない。
その所為で少し躊躇していたかもしれない。
「ルミ―――」
ドンッ
「わっ!」
「わわっ・・・!」
「トラヴィス?」
ルミネに話しかけようとした瞬間。
誰かにぶつかってしまった。
「すっすいません」
「いえ!こちらこそ―――」
「?」
ぶつかったのは14歳ぐらいの少女。
少女はトラヴィスを見てとても驚いた顔をする。
「あっ・・・貴方!」
「え?オレの事を知ってるのか?・・・悪いが、オレはお前を知らないんだが・・・」
トラヴィスが知り合いのように驚く少女を見て、会ったことがあったのか?と記憶を探る。
「あ、いえ。会った事は、ありません」
「え??」
「ずっと、見てました」
少女はトラヴィスに正直に答える。
「見てた?」
「・・・貴方達が、旅人なのは格好で直ぐ判りました。それで、町を歩いているのを家の窓から見てました」
格好が結構目だっていたので、私の部屋(5階)からも直ぐに判りました。と、少女は続ける。
「どうしたー?」
そこにストライドがやってきた。
「いや、この子にぶつかったから誤ったら、この子はどうやらオレ達を見てたらしい」
「見てた?」
トラヴィスと同じ質問をする。
少女は、旅人が珍しかったのと、自分も旅に出てみたいと思っていたことを2人に話す。
「あ、名前・・・私はシンシアと言います」
「あ、オレはトラヴィス。こっちはストラウド」
「こっちって・・・」
ストラウドが多少不満げに言う。
「あれ?もう1人の女の人は?」
「ああ、ルミネか?この店の何処かにいる」
広すぎるその店は、廻るのにも一苦労。
ルミネの姿は全く見えない。
「んで、シンディー」
ストラウドが話しを戻す。
シンシアだからシンディー、なわけだが得にシンシアは気にせず話を続ける。
「はい」
「旅に出たいって?」
「あ、はい。私は、この頃外の世界はどうだろう。そう考えるようになりました。それで、旅に出てみたいなって」
シンシアは2人にだから旅には何が必要かと尋ねる。
「だが、正直、旅をするのは大変だが」
トラヴィスは正直に述べる。
「はい・・・それは、判ってます」
シンシアはそれは承知のようだった。
「でも、外の世界を見て見たいんです。この世界(都市)意外にも、もっともっと違う世界を」
シンシアは本気のように見えた。
その目に迷いはなく、真っ直ぐに前を見据えていた。
『・・・・・・・・・・・・・・』
2人は顔を見合わせて、判った。と返事をした。
「でも、君1人でか?」
ストラウドが心配そうに言う。
「・・・そうですね・・・友達はいますが、巻き込むわけにはいかないので」
「それで、いいのか?」
トラヴィスも確認をとる。
シンシアはハッキリと頷いた。
「旅は、もちろん武器も使えるようにならないといけない。何時クダンが襲ってくるか分からないからな」
「得意な武器ってあるか?」
「武器、ですか・・・そうですね・・・銃、でしょうか」
「銃か」
3人はぺらぺらと色々話し出す。
2人が話しを聞いたのは、そういう流れになってしまったのもあるが、ルミネを待ってる時間が兎に角暇だったからだ。
旅の仕方ぐらいなら教えられる。
銃はどちらも得意ではないので無理だが。
「あ、そうだ。その敬語じゃなくていいよ」
トラヴィスが言う。
「そういえば」
ストライドも思う。
「そうですか・・・?では、お言葉に甘えて」
すっかり仲が良くなってしまった3人。
ルミネは未だに返ってこない。
「なら、銃をもっと得意にしたら、旅に出れる?」
「・・・そうだな。お勧めはできないが」
「仲間がいたほうがオレはいいと思うんだが」
“心配”の一言で説明がつく言葉。
「大丈夫。私も、死に行くわけじゃないから」
シンシアは綺麗に笑って言って見せた。

「やっぱり服って可愛い〜・・・私は、可愛い服と縁はないけど・・・」
その頃ルミネは、やはりというかまだ服を見ていた。
「そろそろ行こうか。2人が待ってるし」
最後の可愛らしい服を見て、そう呟いた。
そして、2人のいる場所へと向かった。

「2人は、どうして旅をしているの?」
しばらくたった頃、シンシアがそんな事を聞いてきた。
「あ、いや・・・それは・・・」
トラヴィスは言葉を詰まらせた。
「・・・・・・・・・・・・・・」
ストラウドもそれに答えようとはしない。
「?」
2人の様子がおかしいのに気づき、シンシアが首をかしげる。
と、そこに
「ちょっと―――!!?」
ルミネがやって来た。
「ルミネ」
「遅いぞー」
「ご、ごめん・・・じゃなくてその子は?」
『ああ、シンシアか?』
2人の声が見事にはもった。
「・・・何?何がどうなってるのですか」
「お前な、早土地りすぎだ」
無駄にてんぱるルミネを見てストラウドが呆れたようにいう。
「だってさー」
ルミネが安心して言い訳を言う。
「あの」
「あ、ごめん!えーと・・・」
「シンシアです」
「あ、よろしく。私はルミネ」
2人が自己紹介を終える。
ルミネにかくかくしかじかでシンシアが旅をしたがっていることを告げる。
「なるほど・・・」
「練習すれば、私でもいけるかなって」
「そうだねぇ・・・女に旅は無理なんて決まってないしね。私も元は1人だったわけだし」
ルミネがシンシアと直ぐに仲良くなり始めている。
やはり女は女同士だと何か繋がるものがあるのだろうか?
2人はそれを見てそう思った。
「けど、オレたちには何もできないな」
「だな。検に弓に呪文じゃ・・・」
「?私銃なら使えるよ?」
『!!!?』
けろっ・・・というルミネに2人は驚いた。
呪文も覚えていてなお銃も使えるときた。
「ルミネ・・・お前って武器全般使えたりする?」
「うーん・・・それはどうだろう。やっとことないのもあるし」
ストラウドがまさか、と聞いたがどうやらそうではないらしい。
「武器って言っても色々あるからね。私は呪文はもちろん。銃・検・弓・刀。色々できるよ。いざとなればナイフとかでも」
が、それでも十分色々できたらしい。
2人は色んな意味で絶句した。
女の子だというのに自分達より色々できる。
まぁ2人はやったことない。と言うのもあるが。
「じゃ・・・じゃあシンディーに教えられるのか??」
ストラウドが話を戻す。
「うん。私でよければ」
「本当!?」
シンシアはそれを聞いて喜んだ。
「うん」
ルミネも笑って返事をした。
と、なると。
この都市にはまた何日かいなきゃいけなくなる。
2人は顔を見合わせてはは、と笑った。
ここから、ルミネとシンシアの特訓が始まった。
なんとなく出会って、なんとなくそんな流れに。
そういうのも、たまには悪くはない。

「ん・・・?」
ジャラッとカーテンが開く音でトラヴィスは目を覚ました。
「起きたか?」
目を開けると、直ぐにストライドが映った。
「・・・ああ、おはよう」
「お前が寝坊とは珍しいな」
「んー?いや・・・あの後すっかり仲良くなったルミネとシンシアの買い物に付き合ったせいじゃないか・・・?」
そう。
昨日、あの後。
すっかり仲良くなってしまった2人は、トラヴィスとストライドを連れて買い物・買い物・買い物三昧だった。
それに悉く付き合わされた2人は、歩くだけでも広くて疲れるというのに荷物持ちまでさせられた。
ルミネが「2人に持たせたら?」と冗談ぽく言ったのだが、後にホントに荷物が多くなってきて結局二人が持つハメに。
ルミネは服を一着買った。
どこかで着れるといいな〜。そう呟いてる彼女をトラヴィスは見ていた。
それで少し油断しているとまぁ旅に必要なものまで(シンシアの分も)増えていき、2人でやっと持てるぐらいになった。
「お・・・重い・・・」
「頑張れ、トラヴィス・・・」
2人で励ましあいながら“それ”を宿&シンシアの家まで運んだ2人は、戻ってベットにドサッとなったきり夕食になっても起きる事はなかった。

「ルミネは?」
「シンシアと特訓」
「もうか??」
トラヴィスがどこでやってるんだ?と続けて質問する。
「確か―――銃やら武器を習える訓練場があるらしい。そこだと言ってたな」
「さすが都市。色々あるな」
「だな」
2人が都市に感心してる時―――、
ルミネとシンシアはその訓練場で汗だくになりながら頑張っていた。
「はぁ!」
バンッ
「うんうん」
ルミネはだいたい基本を教えて、撃って見て。と言った。
シンシアは少し撃った経験があるらしく、的中率は高かった。
「シンシア、どこかに習ってた?」
「うん。まぁ習ったというか・・・」
シンシアは急に黙りだした。
「シンシア?」
不思議に思ったルミネがシンシアに近づく。
「あ、えと。前に、学校で習って」
「へぇ・・・さすが都市。ていっても学校でやるのも問題だよね」
「そうだね」
2人で笑って、練習を続けた。


この頃、昔の事をよく思い出す。
シンシアに旅の理由(わけ)を聞かれたからだろうか。
失う事を受け入れられず、ずっと泣いてばかりいた。
それは自分の所為意外の何者でもないというに・・・
みんな、自分の所為だというに―――


「トラヴィス?」
「・・・あ?」
「大丈夫か、お前」
「あ、ああ」
また、ぼーっとしてしまった。
「疲れてるならまだ寝てていいぞ」
「いや、大丈夫だ」
ストライドが心配したが、トラヴィスは大丈夫だと言い切った。


「凄いんだよー。シンシア」
夕食。
ルミネはシンシアとの訓練の話をし始めた。
「ほーう」
ストライドの楽しそうに聞いている。
「たぶんもう大丈夫だと思う。実は銃の天才だったのかな」
「ははは。まぁ心配ないってのはその話を聞くと確かかな」
「そういえば、トラヴィスは?先に食べ終えたの?」
ルミネはいつまであっても来ないトラヴィスが気になり、聞いて見る。
「ああ、ちょっと出て来るっていって返ってきてないな」
ストライドもそういえば遅いな、と言った。


「運命の砂浜で―――」
道を歩きながら、歌っている少年がいた。
腰にはひとつの懐中時計。
朝なので人は昼に比べて少ない。
人々の顔がよく見える。
「ん?あれは――――」
その時、
知っている人物が何処かに向かっているところを見かけた。
「いったい、何処に行くんだ?」


「おはよう」
彼女は、誰かに放しかけていた。
だが、そこ場には誰もいない。
あるのは、1つのお墓のみ。
「・・・ごめんね」
いったい・・・誰のお墓だ・・・?
トラヴィスは気になってついつい、ついてきてしまった。
そこは、丘のような場所で、緑の草で一面だった。
ここにこんな場所があったんだな。
とトラヴィスは思う。
「私は、貴方を守れなかった・・・」
ドクンッ・・・
とても、その言葉が・・・心に響いた。
「ごめん・・・私は、父さんと母さんを殺すことしか、できなかった・・・」
え―――?
今、なんて・・・・・
ガサッ
「!!」
思わずトラヴィスは足を動かしてしまい、草の音でばれてしまった。
「トラ・・・ヴィス・・・」
「悪い・・・」
一言だけ、そう言った。
「聞いちゃった?」
「・・・ああ」
正直に答えた。
答えなきゃ、いけない気がした。
「私が、銃が手馴れていたのは・・・父さんと母さんを殺したときに、使っていたからだよ」
彼女は、悲しそうに話し始めた。

私には、1人の友達がいました。
彼女はたまたまココに、家族と来ていたの。
ひょんなことで、私と彼女は仲良くなったんです。
「ん〜」
「どうしたの?」
おろおろしていた1人のショートカットの少女が、声がしたほうにそっっと振り向く。
「あ、初めてここに来たんだけど・・・道に迷って」
家族と離れてしまった彼女は、適当にこの場所に来てしまったらしかった。
「綺麗な場所だね」
そこは、緑で一面の、丘のような場所だった。
「う、うん」
いきなり話しかけれ、困った顔をしていたが、笑って同意してくれた。
「・・・貴方の髪、キレイな色ね」
「そう??」
彼女の髪は、空のように青い色でした。
「あ、名前は?」
私は成り行きでそう聞いた。
「私は、アン」
アン。
私は彼女と、あれからずっとここで落ち合って、話して、笑って・・・。
とても楽しい日々を送りました。
あの日、まで。
「どうして!?どうしてなの、母さん父さん!!」
「そこをどいてくれ。お前を助けるにはそうするしかないんだ」
「ふざけないで!!」
私がいつものように彼女と丘で話していると、そこに私の両親がやって来た。
最初は、私のお友達!って楽しく紹介したわ。
でも、父さんと母さんは、彼女を“殺すため”に、ここに来た。
「彼女の両親が、見てはいけないものを見てしまったんだよ」
私の父と母は、この都市の警備みたいな、そんな役割を果たしている人達でした。
私は、仕事で彼女を殺すのだ。
そう悟った。
許せなかった。
仕事の為に、彼女を殺すのが。
私の為と言って、彼女を殺そうとするのが。
多分、よそ者だから、ここの秘密を見てしまっては・・・ダメだった。
彼女の両親は・・・もう、きっと――――。
ガチャ
「シンシア!!」
「彼女を殺さないで!」
丁度学校で、銃の練習があった日だった。
私は拳銃を抜き、親達にそれを向けた。
「シンシア・・・」
「大丈夫。私が、守るから」
バンッ・・・!


「・・・・・」
「両親を、説得しようとは思わなかったのか?」
なんとなく、そんな事を聞いてしまった。
「説得は、無理だよ。だって・・・都市に使えてるのだもの。使えなくなったら殺されるか、追放されるかの2つだけ。殺されるのは、もちろん両親と私。追放されても・・・助かったか判らない。だから、両親は私を守る為と言った」
シンシアは、こうするしかなかった。
と膝を突いて涙をこぼした。
「両親は、確かに私の為にそうしてくれたのかもしれません・・・でも、私は、彼女が生きててくれれば、これからも笑えるのなら・・・それで、良かった・・・!」
シンシアが、お墓にアンに謝っていた理由が、少し・・・判った。
「両親と私なら、殺されそうになっても、逃げられたかもしれない。それなに・・・何もせずに他人を犠牲にした!それに・・・彼女は、ただ家族と・・・思い出を作りたかっただけなのに!!!」
シンシアは怒鳴った。
心の底から感情があふれ出て――――。
「どうしますか?こんな私を・・・見逃しますか?」
「・・・・・」
シンシアは真っ直ぐにトラヴィスを見た。
「外に出たら、また誰を殺すか判りませんよ?」
「・・・いや・・・。オレはお前を、どうにもしない」
シンシアは驚いた。
どうして?
私は、人殺しなのに――――
とても・・・愚かな人間なのに―――。
また、涙が出てきた。
「どう・・・して」
「守りたくても守れなかった・・・その気持ちは、よく判るから」
風が吹いた。
それは、優しく2人を見守るような・・・温かな風だった。


「あ!トラヴィス!!」
ルミネがトラヴィスに手をぶんぶんと振る。
「何処に行ってたの!?」
「悪い。ちょっと」
「お前、行き先ぐらい言っていけよな」
2人に軽く説教された。
無理も無い。
これだけでかい都市の中で、迷子にでもなられたら見つけられないに等しい。
「ところで、シンシア見てない?家にいなくて」
「いや、知らない」
「そう。もう行っちゃったのかな〜?挨拶ぐらいしたかったのに」
ルミネが残念そうに呟く。
「大丈夫さ。彼女なら、ちゃんとやってる」
トラヴィスは振り返りながらそう言う。
ルミネは、そうだね。と同意した。
「んじゃ、行くか」
ストラウドがそう言って
「さて、」
トラヴィスが呟いた。

カチカチと、トラヴィスの懐中時計の秒針が、音と共に12時を刺した。

後書き

どうも、こんにちは。
五月です。

久々クレアシオンです。
4話は面白くしたいなぁと思っています。
できるか分からないのだけれど(汗

この小説について

タイトル 掘Щ計の針が示すモノ
初版 2009年7月30日
改訂 2009年7月30日
小説ID 3375
閲覧数 726
合計★ 0
五月の写真
作家名 ★五月
作家ID 497
投稿数 60
★の数 171
活動度 11432
一言・・・・・・頑張ります。

http://simotukiharuka.blog.so-net.ne.jp/
自分の小説ブログです。
ここに載せた小説についていろいろ書いてます。

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