Their trip - 第僅叩Сい粒ぢ

Their trip 〜少女達が繋ぐ世界〜

 第僅叩Сい粒ぢ

「正直言うと、迷い子はそんなに少なくないのよ。今こうして話している間にも彷徨ってる人がいるかも」


(・・・・・・・・・・・・・・)
「おーい! 誰かおぼれてるぞ!?」
(ここは・・・・・・どこ、だ?)
「急いで引きき上げろ!」



 俺は今、船の中にいる。
 つまりは、海の上にいる。
 ビショビショだった服はこの天気ですっかり乾いた。
 少し潮臭いが仕方ない。
 海で溺れていた俺は、この船の主・エノによって助けられた。
 別に俺はカナヅチじゃない。
 近くに“陸があったなら”泳いでそこまでいけただろう。
 だが、俺が意識を取り戻した時、そこは海の真ん中と言えるほど陸地なんて見えず、ただそこに俺がいるだけだった。
 もしエノ達がここを通過しなければ、俺は今頃水死体だっただろう。
「気分はどう?」
「あ、エノ。平気だ、有難う」
「いいさ。・・・・・・と、いうよりどうしてあんなところに?」
 エノは首をかしげて聞いてきた。
 そりゃそうだ。
 皆誰だってそう思うだろう。
 普通あんなところに人が浮き輪も持たず・・・・・・持っててもいないさ。
 船から投げられたってのなら別だが。
「まさか人がいるなんて私もビックリしたよ。世界がおかしくでもなったのかって思ったわ」
 ・・・・・・そう。
 おかしいんだ。
 “世界はおかしい”
 俺は海とは縁のない、陸地での仕事をしていた。
 仕事仲間とわいわいやって、自分の仕事を片付けようと自室にいったら―――
「おい、大丈夫か!?」
 エノの声が聞えてこの様だ。
 自室に行ったんだ。俺は絶対。
 なのにどういて海にいる?
 ああ・・・・・・もしかしてこれは夢か?
「エノ! 俺に何かしてみてくれ」
「は? うーん・・・・・・じゃ」
 エノはそれだけの言葉で、彼の頬を抓った。
 よく通じましたね。
「いだだだだ」
「ほい」
 エノは本気で痛そうにする彼を見て、手を離す。
「あ、ありがと・・・・・・」
「どういたしまして?」
 やっぱり、夢じゃない。
 一体だろうなっているのか・・・・・・。
 誰かこの状況を話せる奴、来てくれ!!
 もう俺の頭はパンクしそうだ・・・・・・・・・。
「エノ! もうすぐ目的地です」
「判った!」
「目的地・・・・・・?」
 エノ達は一言で言えば海賊だった。
 海賊って海のお宝を狙うんじゃないのか?
 だとすると目的地ってのは無人島?? とか・・・・・・。
「ちょっとした、無人島」
 やっぱり!!
 予想的中。
「お前も来るか?」
「お、俺も・・・・・・?」
「いや、嫌ならいいが」
 エノは腰に剣を、肩に荷物を。で、地に降り立つ準備をする。
「・・・・・・行く」
 何か、判るかもしれない。
 俺はこんな無人島に何を期待しているんだか。
 とうとう脳が腐ったか?
「そうか。オイ皆! カイエンもいくそうだ」
「了解でーす」
 エノがそういうとカイエンに海賊の仲間の1人から剣とカバンを渡された。
「へ?」
 カイエンは俺もなの? と気の抜けた声で言う。
「当たり前だろ? 無人島って人はいないが獣はいるんだから」
「・・・・・・・・・・・・」
 そんな事を平然とした顔で言わないでくれ。
 俺は今から倒れそうだ。
 何? あれですか? 俺のお墓はこの無人島ですか・・・・・・?
「よし。じゃいくぞ!」
 エノが大声で言う。
「おぉ――――!!」
 それに続いて海賊の仲間達も。
「おー・・・・・・」
 俺は1人小さく言った。
 大声を出せる気分じゃない。
 ただでさえ自分の立っている場所が判らないのに。
「カイエン。できれば私から離れるな」
「離れない。離れたら死も決定だ」
 カイエンはそれなりに早く言った。
 エノはそ、そうか・・・・・・と寧ろ自分の方が驚いている。
 そして早速、船の碇を下ろし、無人島へと足を踏み入れる海賊達とカイエン。
 カイエンは無人島なんかに来るのは初めてだ。
 知らないことばかりで少々心に心配が残る。
「カイエン。一応っておこう。私達が目指しているのはこの島のどこかにあると言われている神殿の地下に隠されている宝だ」
「それ、当てになるのか・・・・・・?」
 エノの言葉に直ぐに疑問を抱くカイエン。
 無理もない、彼は海賊の一味なわけでも、ましてや無人島を好んで住む変わり者でもないのだから。
「知ってるか? 宝を狙うものがいれば、その宝の場所を教えて金を稼ぐやつもいるのさ。簡単に言えば情報屋だ。だが、それはたまに外れる。だからそれはその海賊しだいなわけだ」
 エノは自分の綺麗な茶髪のポニーテールが揺れると同時に言った。
 カイエンはそれを聞いても、それに疑問を抱かずにはいられなかった。
 たまにハズレるなんて、そしたら金を出した意味がないじゃないか。そんなところだ。
 ガサガサ・・・・・・
 伸びすぎて、だら〜んとたれている草が、エノ達が道を通ったことで五月蝿い音をたてる。
 本当に無人島だ。
 人の気配はしないし、草木は伸び放題。
 おまけに見たこともない果実がなっている。
 あれは食えるのか・・・・・・? カイエンは一言目にそれだった。
「んー? 食えるんじゃないか?」
「ないか? って・・・・・・よく今まで生きてこれたな」
 本気で別の意味で感心してしまう。
「どちらかというと私は褒め言葉と受け取りたいのだが」
 微妙な言葉なそれを、エノはどっちに受け取っていいか悩んだ。
「エノ! 見えました」
 しばらく歩いた末、少し広い空間が見え、そこにはまさに一目で判る神殿と判るものがあった。
「あれか?」
「ああ」
 カイエンもそれを見つめる。
 柱は日々が入っていたり、蔓が生えていたりでとても昔のものだとわかる。
 神殿と呼ばれてるくらいだ、新しいものな訳ないとは思っていたが。
「どこかに入り口はない? 隠し階段とか」
「今探して見ます!」
 エノは女の割りに海賊としてちゃんとやっていけていた。
 海賊の仲間の中には男だっているのに、そいつと手合わせして、いつもエノが勝つ。
 俺が拾われて船に乗っていた数日間、そんなことが判った。
 でも、これから行く所は俺はただ見てればいいって訳じゃない。
「エノ!! 在りました!」
 数時間が経過したというとき、やっと神殿の入り口がわかった。
 俺とエノは即座にその神殿の隠し通路に目をやった。
 奥は深く、目がなれないと見えないなと直ぐに判った。
 なので、エノは仲間の2人に懐中電灯を何個か持ってくるよう使命。
 仲間の2人は仕事が早かった。
 ここまでの道もちゃんと覚えていたらしく、数分という短い時間で戻ってきた。
「ご苦労」
 エノは短くお礼を言って、早速それのスイッチを入れた。
 カチッと言う音と共に地下通路に光が当たり、道が見えるようになる。
「エノ・・・・・・マジ行くのか?」
 カイエンは初心者なのにいきなり神殿と言った大層な場所に乗り込もうとしているので不安がこみ上げる。
「だらしないぞ? カイエン。私は14の時にこれぐらいいけた」
 14・・・・・・。
 えーと、エノさん? 海賊暦はどれぐらいで? そんな14歳からやってるっておかしいだろ!
 彼女がこの若さで主をやれたのは子供の時から冒険家だったからか・・・・・・。
 カイエンは1人心の中で叫んだ。
「べノスとナイン。それからキュディアは外で見張りだ!」
 エノはそう叫ぶと通路へと進んだ。
 見張りを置くというのは普通だろう。
 素人の俺でも判る。
 もちろん船にも5・6人残っている。
「ん? どうした、カイエン」
「いや、ね・・・・・・海賊ってのは皆こうなんですかね?」
「他にどのような海賊がいる?」
 確かに。
 その通りでございますよ。
 でも、初めてですからね、俺は!!
 海に出るのも島に足を踏み入れるのも海賊と話すのも!!
 ジャリ・・・・・・・・・
 遺跡の中に入ると、本当に古惚けていて、今にも天井が崩れ落ちてくるんじゃないかといらぬ心配をせざる終えなかった。
「ふぅ・・・・・・結構進んだよな?」
 一方エノやその海賊仲間は全然そんな心配は一切していない。
 あれですか? そのスリルがたまらないとかそういうのですか??
 俺は直ぐにでも聞きたいくらいだった。
 だが、もちろん口には出していない。
「カイエン、大丈夫か?」
 途中、エノがわざわざ俺に話しかけてくれた。
 優しい人なのは出会って直ぐに判った。
 でなければ、わざわざ溺れている人間を助けたりはしないだろう。
「ああ。・・・・・・ん?」
 俺が前を見たときだった。
 相変わらず遺跡の中は蔓が沢山で躓かないかないようにしなければいけない。
 そして、それが壁だけに広がった、仏像みたいなものが中央にある広い部屋へ出た。
「ここ、か?」
 エノは首をかしげながらツカツカと仏像の前へ近寄った。
 その瞬間。
「!!」
「エノッ!!」
 床、つまりは底が抜けた。
 とっさにカイエンはエノの服を掴んだものの、やはり引っ張り上げる事ができず、2人共々下へと落下していった。
「エノ!! カイエン!!」
 エノの仲間の海賊は、その落とし穴のような、抜けた床に近寄ってそれを眺めた。
「おい、これ結構深くないか?」
「やばいぞ。この遺跡はかなり複雑だ・・・・・・」
「2人とも無事だろうな・・・・・・?」
「っ、船と見張りをしている奴らに伝えてくれ! それとできるだけ長いロープを!!」
 エノの代わりに27・8歳ぐらいの男が皆を仕切った。
 副船長といった所だろうか。
 彼らが助けに行くまで、その場を動かない方がいいのだが―――――


「いっつ〜」
「カイエン!? 無事か?」
 まるでどん底に落とされた気分のカイエン。
 まぁ実際似たようなもんなんですけど。
「何とか・・・・・・」
 床にはいばった状態でカイエンはエノに返事した。
 エノはふぅと安心すると、立ち上がってあたりを眺める。
「む・・・・・・かなり下に落ちたな。さっきまで居た場所より古い感じがする」
 エノは近くの壁を手探りで触ってそんな言葉。
「マジかよ・・・・・・」
 さぁどうすればいいのやら。
 カイエンも立ち上がって、辺りを見渡す。
 かなり暗い。
 お互いを認識できるものは声ぐらいだ。
「エノ! どこにいる?」
「こっちだ、カイエン!」
 やはり声が遺跡に反響してしまってまったく何処にいるのやら。
 ジャリ・・・・・・
 靴が石を踏む音が聞える。
 すると、
 ドンッ
「うわっ!?」
「おっと」
 お互いがぶつかるのが判った。
「取りあえず・・・・・・会えたな」
「もう動きたくない気分だ」
 カイエンは正直にエノに呟いた。
 はは、それは困る。とエノは笑った。
 正直笑える状況ではないのですが。
「カイエン、離れるとアレだから手」
「手?」
 カイエンは正直手? え?? という状態だった。
「繋ぐってことだ。1人1人途方にくれたくはなかろう?」
 全く持って同意権です。
 が、この歳になって手を繋ぐって・・・・・・とカイエンが少し頭の中で考えた。
「ま・・・・・・仕方ないよな・・・・・・」
 苦笑しながら暗闇の中エノの左手を掴んだ。
 エノもそれを確認してよしっと呟く。
 取りあえずお互いがそばにいることは判った。
 残る問題はどうやって抜け出すか。の1つだけ。
「エノ、剣は腰にあるか?」
「あ? ああ。だが、懐中電灯があの時の拍子にどっかにいってしまった」
 それは困った。
 懐中電灯がなければ動きようがない。
 まぁ助けがくるまで動かない方がいいのだが。
 迷子になった時もよくいう。そこを動くな、と。
「どうする?」
「待っていれば仲間が来ると思うが・・・・・・ロープでここまでくるのは無理だろう。確かここまでないがロープを我々は持っていなかった」



「ダメです! 長さが足りません!」
 エノの言ったとおりでした。
 ロープの長さがたりず、エノ達が落ちたところまで下りるのは無理そうです。
「くっ・・・・・・」
 副船長も苦戦。
 他にロープの代わりになりそうなものといったら・・・・・・・・・。
「蔓・・・・・・いや、ダメだ。きちんとした状態で使えるわけ・・・・・・」
 確かに。
 無理に取ろうとしても無駄だろう。
 なんせ古い遺跡ですから。
 何十年もこの状態なわけだ。
 今頃取ろうとしても・・・・・・・・・。
「どうすれば・・・・・・・・・」
 副船長は、仲間共々頭を悩ませた。


「エノ!」
 暗闇の中を2人の人間が歩く。
「大丈夫さ。手探りでいけば」
「おいおい・・・・・・」
 随分と勇敢ですな・・・・・・と思いつつもカイエンも手を引っ張られ、それに続く。
 助けがこれないのであれば、自分たちで動くしかない。
 それにエノは待っている器には見えなかった。
 まさに行動あるのみ人間。
「・・・・・・・・・」
 そんなことを思っているうち、ふと別のことを思い出す。
 エノと自分が落ちたときのことだ。
 エノがあの銅像に近づいた瞬間、いきなり底が抜けた。
 “つまり”その像に近づいたら、底が抜ける仕組みになっていたわけだ。
 あの像に何かあるのか?
「なぁ、エノ? お前らが探してる宝って、像だったりする?」
「? いや、像とは聞いてないな。宝石と聞いてる」
 なら、違う。
 あの像が宝なんじゃない。
 あの像が仕組まれた意味があるんだ。
 宝石から遠ざける為だとしたら? それなら・・・・・・俺達は宝石から最も遠い場所にいるはず。
「少し目が慣れてきたな」
「え?」
 言われて見れば・・・・・・。
 確かにエノの姿がうっすらと見える。
 建物のつくりも少し見えてきた。
「エノ、他にその情報屋は何か言ってなかったか?」
「他に・・・・・・? う〜ん・・・・・・」
 エノは首を傾げてカイエンの問を数分考えた。
「あ? ああー・・・・・・そういえば、宝石は奥にあるとかなんとか・・・・・・」
「“奥にある”?」
 情報屋というものは一体そんな詳しくよく調べられるものだな。
 と、そんなことはどうでもいい。
 奥にあるという事は、入り口から近かった、落ちる前に俺達がいた場所は削除される。
 あそこを奥というのなら、ここはどんな奥だ。
「ここ、は・・・・・・?」
 自分の言葉に疑問を持つ。
 もしかして・・・・・・・・・?
「なぁエノ。普通海賊ってお前見たいに仏像に無用心に近づくのか?」
「ん? ああ、いや。普通の海賊はもっと身長深い。置物なんかには罠が仕掛けられることが多いからそういうのはなるべく避けるな」
「じゃあ、お前はどうして?」
 カイエンはエノに訪ねた。
 エノは数秒黙って後にこういった。
「あの銅像が、前に立ち寄った遺跡の像に似ていたんだ。でも、指にはめている指輪。それの色がこっちは緑だったな」
 指輪の色だけが、違う。
 逆に言えばそれ以外は“同じ”という事だ。
「なぁ、その遺跡ってここから近いか?」
「いいや。かなり遠いぞ」
 つまりは――――――
 カイエンがそう思ったときだった。
 再び、一際広い空間に出た。
 その循環、ボッ! と遺跡のろうそくに火が付いた。
 どんな仕組みなのか。
 数分前のカイエンなら、気味悪く思っていただろう。
「な・・・・・・おいおい」
 ろうそくが付いて彼の目に映ったのは、1つの古体。
 つまりは骸骨と化した誰か。
 どっちにしても同様はするのだが。
 カイエンは骸骨なんてものを生まれて始めて見たのだから。
 しかもそれは、服を着たままだった。
 ここで死んでいったと思って間違いない。
「カイエン? これは一体・・・・・・」
「近くに指輪ないか? その銅像と同じやつ」
 エノはそういわれてキョロキョロと辺りを見渡した。
 すると、カイエンが言ったとおり、あの指輪があった。
 だが、それは緑の宝石ではなく、青色をしたものだった。
「ん? これは・・・・・・あの時見た」
「やっぱりなー、恐らく、繋がってるんだ。ここと前に言ったとかいってた遺跡」
 エノがは? という顔をする。
「どうして海賊でもない情報屋が“奥にある”って知ってたと思う? ここに一度来た事あるやつなら宝を取ってるだろう」
「まぁ・・・・・・そうだな・・・・・・」
 エノは呆然とカイエンの言葉に同意する。
「エノが前に行ったと行っていた遺跡。そことここが繋がってることを知ってた奴がいたんじゃないか? 最初に変と思ったのは、エノの話では普通海賊は銅像なんかの怪しいものには近づかないはずだった。つまり、あの銅像に近づいた者だけが宝のありかに辿り付けようになってたんだ」
「ちょ、まて? 繋がってるって、こことあの神殿はさっきも言ったが、かなり離れてるんだぞ?」
 離れた神殿と神殿が繋がってるというのなら、それはかなり凄いことだ。
 昔の人は作るのに苦労しただろう。と、そんなことはさて置き。
「離れてることが重用なのさ。その宝石はこの骸骨になっちまった人の最大の宝だったのかもな。・・・・・・この神殿とその離れた神殿。お前はもう1つの神殿でも銅像に近づいたか?」
「あ? いや・・・・・・近づいてない」
 カイエンはニッと笑って青色の指輪を失礼と言って骸骨の指から抜き取った。
「ここらにスイッチが――――」
 カイエンは壁を手探りをするように触って、ある所で、それを止めた。
「ここだな」
 ガァ・・・・・・
 カイエンは、その指輪を、その壁の窪みに押し込んだ。
すると、変な音をたてて壁の一部は奥に。
 それと同時に、エノの近くの壁が、ガァァ・・・・・・とスライド上で開いた。
「なっ・・・・・・」
「よくあるだろ? こういうベタな仕組」
 カイエンはそう言って説明を続ける。
「これは、こっちの神殿と、あっちの神殿を繋ぐ道だ。この仕組に気づかない奴は、繋がっていることを知ることはできない」
「それで・・・・・・宝は?」
「この奥さ」
 エノの質問にカイエンはさらっと答える。
 が、
「でも、宝石は取らないことをお勧めする」
「え?」
 エノは気の抜けた声を出した。
 ここまで来て宝石を取らない理由などあるのだろうか?
 エノは考えたが、答えは出てこなかった。
「この先の宝に辿りつくまで、恐らく何年もかかる。エノも言ったよな? ここの神殿とはかなり離れてるって。その通り。宝とやらは、その神殿とこの神殿を繋ぐ道の真ん中にあるんだ」
 それを言い終わると、カイエンはクイズみたいにこう言った。
「1:俺達は今食料を持っていない。2:ここは今明かりがついてるがこの先は恐らくない。3:海賊の仲間に知らせるには、戻るしかない。だが、もう1度ここにくるのは不可能だろう」
 その言葉に、酷くエノは同感だった。
 食料が無いのに先に進んだら自我同然。
 明かりが無いのであれば、宝の場所についてもそれを認識できるかどうか・・・・・・。
 最後に、仲間に知らせに戻ったとしても、この神殿はかなり長く、自分達の体力が持つかも判らない。
 それに、暗い状態で戻るわけだ。
 道を覚えることもできないだろう。
 カイエンの言っていることはどれも正論だった。
 つまりは、その宝石を取る術は、ない。
「情報屋にこのことを教えたやつは随分と酷い奴だなー。行けない事を知ってたくせに」
 カイエンは半目でそんなことを言う。
「そこの骸骨。多分、恐らく、その宝石を隠す為にここで死んだんだろうな。よくやるよな・・・・・・それほどに取られるのが嫌だったのか・・・・・・・・・」
 俺には、正直わからなかった。
 この人のように、命を賭けて宝を隠す者と、エノのように、命を駆けてそれを取ろうとする者達のことが。
 だって、俺は海賊でも、ましてやこの骸骨のような人間でもない。
 俺は、ただ溺れていて、それを助けられた、唯の人間だ。


「カイエン。前はよくそこまで判ったな。海賊の私より海賊らしい」
「その言葉、全然これっぽっちも嬉しくないぞ」
 2人は、その空間から再び出口に向かっていた。
 どうやってもどるか? それは簡単。
 あの骸骨の人が、諦めた奴の為に、予備の出口を用意していたのだ。
 なんというか、親切なのに、そんな人間が命を落とした意味が判らない。
 しかも、あの仕組はあの人が“気づいて”自分の宝を隠す場所にしたのか?
 だとしたら、あの神殿には一体何があったのか。
 まぁ・・・・・・俺達に知る術なんて、ないけれど。
 本当、人間のやることはあべこべだ。
「お! カイエン、出口だ!」
「やっと出られる・・・・・・」
 かなり疲れた様子で、カイエンは力なく呟いた。
「なぁ、カイエン。よかったら私と一緒に――――」
 エノが振り返った時だった。
「カイ・・・・・・エン?」
 そこに彼の姿はなく、ただ暗闇が広がるだけだった。
「エノッ!」
「あ、お前たち!!?」
 エノが出口から出ると、遺跡の周りを調べていた仲間に偶然出くわした。
「カイエンは?」
「あ、いや・・・・・・あいつは、先に帰ったよ」
「え?」
 仲間は、かなり怪訝な顔をする。
「用事を思い出したんだとさ。あー惜しかった。私はあいつを仲間にしたかったぞ」
「ほう。エノが仲間にしたいだなんて珍しい」
 仲間はあっさりエノの言葉を信じ、では帰りましょう。とそう言って足を動かした。
 エノもああ、と頷いて仲間の後に続く。
「カイエン・・・・・・お前は、私を助ける為に現れてくれたのか?」
 風が吹く。
 それは、暖かで、でも、気持ちよくて。
「なんてな」
 エノは最後に遺跡に笑顔を向けて、その場を立ち去った。
 そんな姿を、映すモノはこの無人島しかいなかった。

後書き

どうも、五月です。
杵辰任いなりダメ出し食らってますが描き続けるんだぜ!(オイ

ちなみに、Their tripは彼”ら”の旅路・・・・・・って意味だったはずです。
確か。
間違ってたらすいません;;(自分でつけたくせに

この小説について

タイトル 第僅叩Сい粒ぢ
初版 2009年10月4日
改訂 2009年10月6日
小説ID 3536
閲覧数 775
合計★ 4
五月の写真
作家名 ★五月
作家ID 497
投稿数 60
★の数 171
活動度 11432
一言・・・・・・頑張ります。

http://simotukiharuka.blog.so-net.ne.jp/
自分の小説ブログです。
ここに載せた小説についていろいろ書いてます。

コメント (4)

★ 2009年10月4日 13時44分16秒
どうも、丘です。
では、感想を。
所々曖昧な部分がありましたが、文の新鮮さがとてもよかったです。
内容は冒険ファンタジーでしょうか?
僕的には好きですね。
カイエンが一番好きなキャラです。
では。
★五月 コメントのみ 2009年10月4日 17時29分12秒
丘さん>曖昧でした?(汗
蕎呂亘糎韻砲靴討澆泙靴殖w
海賊を出してみたかったっていうのが本音だったり(笑(オイ

自分のキャラを好きになってもらえると嬉しいです!
次のカイエンの活躍をまた見てやってくださいww
★さんたろー 2009年10月6日 12時31分49秒
大変ご無沙汰してます。さんたろーです。
いろいろと指摘はされているようですが、初投稿の頃から比べると、かなりよくなってきたと思います。1話と2話の内容が今後どのようにリンクしてくるのか、楽しみにしてます!

書き方は癖のようなものなので、一朝一夕には直らないと思いますが、1話の辛口も貴重なアドバイスなので、五月さんなりに消化して下さいね!

あとは、やはり誤字が多いです。少なくともカイエンとカインは間違えないようにしましょう!名前を間違えるとキャラもかわいそうなので…。

それでは、次も楽しみにしてます!
★五月 コメントのみ 2009年10月6日 16時51分29秒
さんたろーさん>お久しぶりです!
初投稿から成長してないって言われたら多分僕は立ち直れなかった(笑(笑い事じゃないけれど

はい、頑張りますー(^^;(苦笑
ああ;; 誤字ですか・・・・・・
やっちまいましたね。
それを間違えたのにはちょっとした訳があるんですが・・・・・・まぁどうせ言い訳になってしまうので伏せておきましょう^^;(汗
なんか、誤字探索機とかあればいいんですけどね・・・・
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