スノウ・ホワイト - 舞踏会

 神無月の3日、夜。講堂を少々改造してあるダンスホールで、若い男女の2人組みが数組踊っていた。その中には茶の髪を持った少女が、金髪の少年と踊っている。
 
 それを、凝視している銀髪の少年が1人。黒のタキシードを身にまとって壁にもたれていた。いかにも苦痛といういう顔で、もう「とっとと出て行きたいです」というような顔をしている。

「ホワイト。私達も踊りましょう。一曲終わったら出て行ってもかまわないんだから。早く終わらせたいんでしょ?」
 その少年に声を掛けた短い金髪に細身の紫のドレスを着た少女は、少年の手を引いて、踊り始めた。

「ホワイト。ローズが気になって仕方ないんでしょう?」
小さなサラの声は、音楽にかき消されて周囲には届かないが、かろうじて、一緒にダンスを踊っている少年に届いた。
「なっ。僕は、ハーネットと縁を切ったんだ。といっただろう」
「嘘。さっきから、目で追っかけてる。」
「・・・。」
図星である。先ほどからローズマリーを目で追っていた。そして、今も、踊り中がちらちらと、ローズマリーのほうへと目をやっていた。
「告白しないの?」
「しない。したくもない。」
「何故?」
「ハーネットを困らせたくはないんだ。」
ライディールは、本当のことを言うわけにはいかず、その言葉でとどめた。
「相手の都合に合わせてると、他の男子に持ってかれるわよ。」
「かまわない。とはいいがたいが、僕は・・・。」
 言いかけたところで曲がとまった。ダンスを踊っていた少年少女達は、その場で別れるか、次の曲が始まるのを待っているかの2パターンだった。ライディールとサラは、その場で別れた。

 ライディールは、すぐさま無意識のうちに、ローズマリーを探していた。ローズマリーは相手の男子と外に出ていた。ライディールの足は、本人の意思とは逆に、勝手にその二人を追っていた。

 講堂の裏にやってきたその二人は、会話を始めた。
「なぁ、ホワイトと付き合っているってホントか?」
「いいえ。」
「じゃあさ、俺と付き合わない?」
「お断りします。」
「なんでさ。」
「そういう話ならば、私は帰ります。では、今日はありがとうございました」
「ちょっと待てよ。まだ話は・・。」
 ローズマリーの腕をつかもうとした瞬間、風が吹いた。その強き風は、少年の手をたたいた。見る見る赤くなっていく少年の手の甲、その痛みに気を取られている間に茶の髪の少女はスタスタと少年の反対方向に歩いていった。


「で、何をしているのかしらライディール君。」
「イキシアか。別に僕は外の空気を吸いに来ただけだ。」
ライディールに話しかけた少女は、茶髪に黒の目を持っていた。ローズマリーのもうひとつのイキシアがでてきたことを証明していた。
「うそが下手ね。さっき風魔術を使ってローズマリーの体に触れようとした男子の手をはたいたのは誰?」
「さぁ、僕は何もしていない。」
黒い目から目をそらす少年を見ながら、イキシアはクスクスと笑っていた
「本当に嘘が下手ね。で、あの行為はローズマリーのことを愛している解釈してもいいのかしら?」
「良いわけあるか。大体、何故僕なんだ。さっきの奴みたいに、ハーネットを愛している人間なんて僕以外にもいるじゃないか。」
イキシアは、その言葉に驚愕の顔を見せた。まるで、「わからないの?」といっているような顔でライディールを見ていた。
「?」
「そう、わからないのならいいわ。けど、よく考えてみることね。ローズマリーが時折ライディール君を見つめていることはない?」
 
 そういって、彼女は去っていった。ライディールは、その少女の背中をただ見ながら考えていた。記憶を探ってみる、授業でライディールは、ローズマリーを見つめているということはあるが、目が会うことが何回かあったが、ただの偶然だと思っていた。しかし、イキシアのあの言葉。

 ライディールは思う、ひょっとしたら、ローズマリーが自分のことを思っているのかと。そうなれば、すべてのつじつまが合うと、嬉しい反面複雑だった自分の気持ちを明かした途端彼女の一部であるイキシアがきえてしまうのだから・・・。

後書き

発覚。
そしてどんどんとフィナーレに向かっている。
という事実。

この小説について

タイトル 舞踏会
初版 2009年10月18日
改訂 2009年10月18日
小説ID 3565
閲覧数 802
合計★ 2
音桜の写真
ぬし
作家名 ★音桜
作家ID 504
投稿数 21
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活動度 4200
すっごい未熟ですけどがんばります。自分の小説にコメントをいただけたらうれしいです。応援よろしくお願いします。

コメント (3)

★ルビナ 2009年10月18日 13時04分58秒
すみませんが、ローズマリーが、告白されてる時の
断るシーンですが、「どういう話ならば」の所はもしかして「そういう話ならば」
ではないでしょうか?
突っ込んですいません。
そして、間違ってたらすいません・・・。
★音桜 コメントのみ 2009年10月18日 17時00分37秒
ご指摘ありがとうございます。
全く気づきませんでした。情けない。
申し訳ないです。
★けめこ 2009年10月18日 20時11分39秒
読ませていただきました、けめこです。
文章は前よりは読みやすくなったと思います。
あとは経験と、私より文章力のある方のコメントがあればすぐに伸びると思います。

あ、変換ミス発見してしまいました。
イキシアとライディールのシーン、「言いわけがないだろう」は「良いわけがないだろう」ではないですか?
あるいはひらがな表記の方がいいでしょうか。
それと、・・・は…というように変換し、さらに……と2つ続けて使うのが一般的となっています。(禁則処理?というものです)

あと、5W1Hを入れるようにすると、もっとわかりやすくなると思います。

この先の展開、楽しみにしています。
では。
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