夢の中の物語 - 第四章“夢の契約”

朝、いつものように起きた。

いつものように学校に行く準備をし、

いつものようにポストに新聞を取りに行き、

いつもと違う景色を見た。

「白・・・夢・・?」

「おはようございます!榊くん!」

「白夢、お前・・・。」

「今日から一緒に登校したいと思いまして・・・来ちゃいました!」

「お前なんでおれの家知ってんだ!?」

「なぜと言われましても・・・インスピです!!」

「インスピ!?そんなんで来れるか!!」

「はい!来れますよ?」

「てか家反対方向だって言ってたじゃねーか!!!」

そうなんです。昨夜のこと。

(白夢、今日は暗いし家まで送ってってやろうか?)

(いえ。私、家反対方向なんで。)

(・・・そうか。じゃあ気をつけて帰れよ。)

(はい。さようなら。)

と、言っていたのだ!!

「はい。なのでここの隣に引っ越してきました!」

「はぁ!?そんな・・両隣は家あったって!」

「右側のお家の方って結構お金持ちでしたよね?」

「?あぁ。何とか財閥だ!!って言ってたな・・・。」

「そうなんです。この前そのお方に道を聞かれまして、そのころ私は引っ越して
きたばかりだったので、

道が分からなくて、その人と一緒に道を聞きながら行ったんです。

そして昨日の夜、帰り道にまたその人にお会いしてまた道に迷ってしまったらしいのでその方の家までお送りしたんです。

そしたら、その方がお礼にと私に家を下さると言ったんです。

最初はお断りしたのですが、『どうせもう引っ越そうと思っていたし、見ず知らずの人が住むよりか君のような人の方が良い、それに、君の生活費から学校の授業料まで全て払ってあげるよ』

とまで言われたのでもらっちゃいました!」

「・・・すげーな。白夢は・・・。」

「そうですか?まぁ、そういうことなのでこれからもよろしくお願いします!」

そういって白夢は洗剤とラップとそばを俺に渡した。

登校中、色々な事を白夢は話してくれた。

『イーブルエンパイヤ』の事や『ギルティ・スロウト』の事、

その家来の事も・・・。

話を聞いているうちに俺は疑問に思うことが一つできた。

「白夢。」

「はい?」

「その『ドロップ』は、元からみんなの夢の中にいるのか?」

「いいえ。そんなことはありませんが・・・。」

「じゃあどうやって『ドロップ』はみんなの夢の中に入るんだ?」

「それは人間が持っている心の『純粋さ』を利用するんです。」

「心の純粋さ?」

「はい。みなさんは夢を見ます。あれになりたい!こうしたい!って。」

「まぁ。普通思うだろ。」

「そうです。もしその夢や願いを叶えてあげると言われたらどうします?」

「そりゃー叶えてくれ!って願うな。」

「そうですよね。でも、そう願った瞬間に『ドロップ』は夢の中に入ることがで
きるんです。」

「え?なんでだ?」

「その願いを叶えてあげる代わりに『ドロップ』が入るような契約を一緒にする
事になるんです。いわば詐欺のようなものです。」

「詐欺!?そんなのありか?」

「はい。ありです。なんせその契約をした本人は覚えてないんですから。」

「覚えてない?じゃあどうやって契約したんだ?」

「人間には自分でも止めることのできない欲があります。その欲が勝手に契約し
てしまうんです。」

「まてよ。さっき純粋さがどうとかって言ってたじゃないか。それと欲は反対じ
ゃないか?」

「じゃあ聞きますが、私がもし榊くんの宿題をしてあげる代わりに掃除当番を代
わって。と言ったらどうします?榊くん掃除大嫌いでしたよね?」

「ん〜〜〜。悩むな・・・。でも宿題をしてくれるんだよな・・・?」

「はい。」

「・・・・・。代わろうかな?」

「そういうことです。さっき私が言ったのは。」

「へ?じゃあ欲だけになるんじゃ・・・。」

「それが違うんです。私が本当に榊くんの宿題をすると思いますか?」

「そりゃーするだろ。俺だって嫌いな掃除当番を代わるんだし、それに嘘つくよ
うに見えないし。」

「その心が純粋さです。」

「?どこが?」

「榊くんはなぜ私が宿題をすると確信をもって言えるんですか?」

「そんな嘘つくように見えないから。」

「でもそれって見える『だけ』で本当にそうかは分かりませんよね?」

「・・・たしかに。」

「でも榊くんは私を信じた。その心が純粋さというんです。」

「なるほど。」

「でも純粋さだけじゃない。欲もありましたね?」

「正直・・・あった。」

「でしょ。それにさっき榊くん私に聞きましたよね?『宿題をしてくれるんだよ
な・・・?』って。」

「あぁ。聞いた。」

「それは欲ですよね?そして欲に負けた。だから掃除当番を代わろうと決心し
た。」

「そうだ。」

「それが私が言った『欲が契約する。』ということです。」

「そういうことか。」

「みなさんはよく『純粋さと欲は反対だ!』と思っています。しかしそうじゃな
いんです。純粋さと欲はいつも2つで1つです。だからどんな時も純粋さと欲は
一緒なんです。」

「・・・なんかお前すごいな。」

「え?」

「そんな事だぶんここらじゃ考えるやつは他にいないと思うな。」

「・・・私、不思議だと思ったらずっとその事を考えっぱなしなので、自分流で
すが一応答えを見つけてるんです。」

「へー。」

(俺は正直、白夢の頭の中が不思議で仕方がない。なぜ白夢はそんなにすごいの
か、全く分からない。でも白夢のように自分流で答えを見つけるなんて俺にはで
きないな・・・。)

そう思いながら学校に入った。

時間は8時17分だった。

後書き

白夢の行動に驚きました・・。

この小説について

タイトル 第四章“夢の契約”
初版 2009年10月19日
改訂 2009年10月23日
小説ID 3569
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ルビナの写真
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作家名 ★ルビナ
作家ID 584
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コメント (1)

★音桜 2009年10月19日 22時14分17秒
えっと、まず
「すげーな。白無は」のとこで、
夢が、無になってるのと、
後、白夢の行動というよりむしろ
財閥のおっさんの行動のほうがすごい。
と、私は思います。
ではでは^^
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