デビル・アベンジャー - 第1話:天使と天使

COMPACT MOBILE PHONE。通称COMP。
日本最大手の電話会社、株式会社JTTソフトウェアズが開発した次世代携帯電話。今までの携帯電話よりも使い勝手がよく多くの人に愛用されている。主な機能としては人工衛星を利用した位置情報特定システムやサーバーとの定期的なやり取りによるシステムのバージョンアップ、1世代前のパソコン並みの演算処理能力。
プログラミングもCOMPで出来る。
STEVENと名乗る人物はこのCOMPのサーバーを使って東京中のCOMPに悪魔召喚プログラムをばら撒こうとしているのだ。

STEVENは政府要人との通信が終了すると早速COMPのサーバーのクラッキングに取り掛かった。
さすがは次世代携帯電話を開発した会社だけある。個人情報保護やその他諸々企業秘密のシステムをハッカーから保護するために厳重にプロテクトがかけられていた。
さすがのSTEVENもこのプロテクトをとくのには2時間ほどかかった。
COMPのメインシステムへと到達するとプログラムの書き換えを始めた。
プログラムの書き換えはほんの数分で完了した。
プログラムの書き換えが終了するとSTEVENは再び政府要人へと通信を繋げた。
「たった今COMPサーバーの書き換えが終了しました。作戦開始時間は明後日の午後5時としますがよろしいでしょうか。」
あの時と同じような機械で作った声はそう言った。
「ああ。時間帯はそちらで自由に決めてくれて構わん。我々はその時間にアレを行えばよいのだな。」
「ええそうです。ではこれで失礼いたします。常田允(ときたまこと)内閣総理大臣。」
そういうとSTVENは通信を切断し後ろを振り向きこう言った。
「これでいいのだろ。大天使ミカエル。」
「そうですね。これでよろしいかと。これがわが主上の望むことですから。」
ミカエルといわれたものはそう言った。
少し間をおいてSTEVENはミカエルに話しかけた。
「うまくいけば奴らを出し抜き尚且つ日本政府を乗っ取ることが出来るぞ。そうすれば奴らに復讐することも出来る。」
「復讐ですか…穏やかではありませんがまあ良いでしょう。」

「これで良かったのだな。ルシファー。これがお前たち地上の天使たちの望みなのか?」
政府要人は後ろにいる何者かにそう言った。
「そうです。私たち地上の天使は天使の味方でもなく悪魔の味方でもありません。人間の味方なのです。悪魔召喚プログラムは人間が天使から身を守るために必要なものですから。」
金髪に端正な顔立ち。美しいという言葉が相応しかった。
「あの言い伝えは間違っている。そう解釈してよいのだなルシファー。」
「我々は堕天したわけじゃないからね。自ら地に下りたんだ。人間に知恵を与えるためにね。」

そしてそれから二日が経った。
東京の新宿周辺……
私立探偵事務所
「何かがおかしい…人間じゃないやつの気配がする…」
薄汚れた小さな部屋にその男はいた。
男の名は山園勝憲(やまぞのかつのり)数年前から探偵業を営んでいる。
事件の依頼は年間に数件。正直商売として成り立っているとはいえない。
だがそれでもこの男は探偵として働いていた。数件の依頼ではほとんど収入もないはずなのになぜか普通に暮らしていた。
なぜなら彼はある組織に入っていてエージェントとしてこの町で探偵業を営んでいたからだ。
彼がある組織から受けたミッション。
それは「いずれ起こるであろう事件の首謀者を割り出す」というものだった。
男はすぐにわかった。その事件とは自分が今感じているこの違和感に関係するものなのだろうと。
男が考え事をしていると事務所のドアをノックする音が聞こえた。
「こんにちは。実はあることを依頼したいのですがよろしいでしょうか。」
女の人の声だ。
「いいですよ。ドアの鍵はあいているので入ってきてください。」
男は少し大きめな声でそう言った。
それを聞くとドアを開け若い女の人が入ってきた。
部屋に入ってくるとすぐに男の前にCOMPを置いた。
「実は…COMPによくわからないものが送られてきて…」
男はCOMPを手に取り起動した。
画面には新着メールを知らせるマークが映し出されていた。
男はメールを開くと件名を声に出して読んだ。
「悪魔召喚プログラム……」
そして男は思った。
自分が感じていたのは悪魔の気配だったのかと。
そして事件とは悪魔がらみの事件のことなのだろうと。

後書き

主人公じゃなくて準主人公の探偵が先に出てきてしまいました。
この人も物語りに深く関ってくるのですが…


次回予告
悪魔召喚プログラム。それを手にしたのは悪しきものかそれとも…
『悪魔、降臨』

この小説について

タイトル 第1話:天使と天使
初版 2010年3月7日
改訂 2010年3月7日
小説ID 3833
閲覧数 694
合計★ 0
サーガンの写真
駆け出し
作家名 ★サーガン
作家ID 642
投稿数 2
★の数 3
活動度 253

コメント (0)

名前 全角10文字以内
コメント 全角3000文字以内 書式タグは利用できません
[必須]

※このボタンを押すと確認画面へ進みます。