TWINS - 第一章弐 畏月2

 畏月、畏れられる月。その名前は、その怪魔が退治されたとき、落としたものがその怪魔自身の三日月の形をした黄色い爪だったことから付いたという。
 
 俺たちは、その説明を化座沼敬己から聞いた翌日の夜、早速行動に移った。畏月を討伐しなければならない。なぜなら、奴は人を傷つけた。それは、罪である。たとえそれが奴の仕事だとしても罪だ。
 俺と椛は西校舎3階の男子トイレと女子トイレへ、聖と聖夜は、その上の階の女子トイレと男子トイレへと向かった。なぜなら、化座沼先輩曰く、西校舎が一番月が映った例が多いらしい。3階は、今日起こった場所だから、その上なのは、下から上に上るのは時間がかかるからだそうだ。

「さて、何して暇つぶそうか。何もやることないしな。待つだけって体に悪い。」
ぼりぼりと頭をかく。鏡に映った自分の髪の毛がボサボサになった。一応それを整える。
 すると、パリンと音が響き、鏡に月が映った。

 否、正確には月ではない、俺の後ろにあるのは、畏月が飛ばした、奴の爪。
「ちっ。はえーよ。行動が!『雷盾』!」
それが見えた瞬間、俺は雷の力を使った盾を、いや、バリアというべき、それを呼び出した。俺を襲おうとした爪は弾かれ、割れた窓から再度出て行った。
「紅葉!?どうかしたの!?」
隣の女子トイレから、こっちに来た椛が叫ぶ。
「椛か、出た。畏月だ。」
「もうっ!?」
「外にでたっぽい。今から聖夜と下に下りる。お前はここにいてくれ」
「なんで!?」
「お前、ここがどこだか忘れてないか?」
「あ!?」
そう、ここには水がある、この場では、普段の能力偏差値が129の椛の攻撃力も2倍にも3倍にも跳ね上がる。こいつにはここにいてもらったほうがいいだろう。
 先輩に支給されたトランシーバーで聖夜に連絡する。
「聖夜!窓から下見てくれ今から俺飛び降りるから!」
『……了解。』
窓を開けて飛び降りる。「きゃあ!」と椛が叫ぶがそれとかぶるように上からも声が聞こえた。
「『ピーターダイヴ』」
そう、彼の能力は重力操作、飛び降りてもあいつに頼れば落ちて怪我することなんてない。ちなみにこの名前は、聖がつけたらしい「ピーターパンみたいだから。」だそうだ。
「サンキュ。聖夜。」
「どういたしまして、俺が遅くなってたらどうするつもりだったんだお前。」
「ああ、そんときは腕から雷放出して、」
「○悟空かよお前。」
なんていっているうちに着地。
「さぁて、お目当ては、アレか。」
何か分からない生物の姿がそこにはあった。熊なのか、鼬なのか、それとも何なのか、それが畏月の実態。本当に、爪が長い。黄色いし曲がっている。
「アレみたいだな。行くぞ。『グラブリィ』」
畏月に重力がかかる。あれは重い、あれはかかる本人の体重が重ければ重く感じるそうだ。ちなみにアレが一番感じる人間は聖だ。畏月が呻く、図体が大きいからそれに比例して体重が重いのなら、かなり重く感じるはずだ。
「ナイス!聖夜。『雷刃』!」
雷刃、雷の刃、5枚の刃。それが、畏月を襲う。畏月はさらにうめく声をおおきくする、もう呻くなんて可愛いものじゃなくなっているが、
「しょっぱなからそれか、『バルグラブ』」
重力の塊が、畏月を攻撃した。それでちょっと終わったかと思っていた、しかし、俺たちの能力は万能ではない。2つも術を使えるほど器用ではない。2つ目を出したいなら先に出したほうを、消さなければならない。つまり、
 つまり、俺たちは、あいつを逃がしたのだ。

畏月は、3階へ、開いたままの窓をすり抜けて、男子トイレに入った。
「まずい!上に行った!聖夜!」
「分かってる!」
もう一度、聖夜に浮かせてもらい、上に行った。3階の窓の前に着くと、声が聞こえた。
「『水流』!」
椛の声だった。水流、流れる水、と書くがそれは偽り、水流の本当の形は水龍。水の龍。水の龍が畏月を飲んで、窓の外にでた。
 俺たちも、巻き添えにして。
「うぉおおい!」
「椛ー!」
 
 こうして、畏月の討伐は終了した。畏月は水の龍に破壊された。巻き添えを食らった俺たちは、聖夜の冷静な判断で、重力で水の龍を変形させ、抜け出すことに成功したのだった。
「ごめんねぇ2人とも!あんなところにいるなんて思わなくってさ。」
「おう、くしゅんっ」
「もういい。へっくしょっ」
「ごめんなさーい!」
何はともあれ、七不思議のひとつ、畏月は、もうこの年、現れることはないだろう。

後書き

 えー、戦闘シーンがまだ苦手でして、お見苦しいとは思います。ごめんなさい。

 そして、このあと、2人は風邪で早退しました(笑

この小説について

タイトル 第一章弐 畏月2
初版 2010年3月23日
改訂 2010年3月25日
小説ID 3866
閲覧数 827
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海月奏香の写真
熟練
作家名 ★海月奏香
作家ID 648
投稿数 16
★の数 16
活動度 1736
えーと、海月奏香です。くらげじゃないですよ、うみづきですよ。間違ってくらげなんて言われたら泣きますよ!

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