TWINS - 第一章の参 狂桜1

「もー!何なのよこれは!」
放課後、部室に入ってくるなり、椛は叫んだ。
「椛?それは、例の箱に入っていた奴か?」
俺は椛が手に持っている、大量の封筒を指して、椛にたずねた。「そうだよ。」
頬を膨らませながら、その封筒たちを机の上に、たたきつけた。
                             
例の箱とは、俺たちがオカルト部の部室前に設置した郵便受けのことだ。恐ろしい経験をした人たちが直接ここに来る確立は少ないので、手紙なら皆言いやすいんじゃないかと、椛と聖が提案したことだ。そして、その中に入っていたのは、椛が手に持っていたもの。
「これ!依頼でもなんでもない、聖夜くんへのラブレターなんだよ!」
成程、椛が憤慨するはずだ。依頼が来ることを、恐ろしい経験をした人の声を入れるための箱にラブレターなんかが入ってたら誰だって怒る。
「しかも、俺宛じゃないのが残念なところだ」
「へぇ、ほしいんだ。紅葉君ほしいんだ。ラブレター」
俺が発言した瞬間、モスグリーンの少女がドアを開けて入ってきた。
「うわっ!?ひ、聖?」
「ふうん、男の子だし、ほしいのも分かるけど、ふうん。ほしいんだ。」
「いや、えっと、ひ、聖。」
人格が変わってる。何をこんなに怒ってるんだ聖は。
「ひどいよ紅葉。謝んなさい。」
椛に言われた。俺、何か悪いことしたんだろうか。何もしていないはずなんだが、
「ごめん。聖。」
「ふんっ。」
だから、何で俺が怒られてるの!?と叫びたかった。しかし、それは空気を読めてない気がしたのでやめた。

「珍しい、聖でも怒ることがあるんだな。」
「確かに、聖先輩ってそんなに怒りませんもんね。」
聖夜と忍が入ってくる。オカルト部全員集合した。
忍は、畏月の一件がきっかけで、ここに入部することを化座沼先輩に強制されて、入部した。現在文芸部と掛け持ちしているらしい。
「あ、聖夜君、これ、ラブレター。よかったね。こんなにもらえて!将来ホストになれるよ。」
不機嫌そうに、椛が言った。ぷいっと顔を聖夜から背ける。それを見て聖夜がやれやれとため息をついて、椛に近づき、椛の顔をぐいと無理やり自分のほうに向け、顎を上げる。
「やきもちか?椛。」
聖夜と椛の顔が近い、そのままキスでもするんじゃないかってくらい近い。相変わらず、魔性の男だこいつ。
「ち、ちがう、違うもん。」
椛の顔が赤くなる。まぁ、美形の顔がすぐそばにあるって言うだけでもあれなのに、ましてや好きな男の顔が近くにあるんだもんな、そりゃ照れるわ。
「顔、赤いぞ。」
椛の顔から離して、聖夜はクスクス笑う。こいつSだよなとつくづく思う。しかし、ここまでやっといてこいつら付き合ってないんだから変な話だ。

「こほん。もういいですか。依頼書というなのラブレター整理始めますよ。」
聖夜の椛いじめが終わったのを確認して、忍が声を上げた。俺たちはそれに返事をして、整理を始めた。
 まず封筒の表裏両方を確かめる。たいていのラブレターは、そこに聖夜の名前が書いてあるから、それらは右におく、ななしだとか、「オカルト部さまへ」とかのは、左において、自分に配布された分が左右に分かれると、次に中身の確認。まぁ、ほとんど「聖夜君へ」だったが。
 自分の分が終了する。俺の分はすべて、聖夜宛のラブレターだった。それらを聖夜のほうへ。他の4人も聖夜のほうに大量の封筒を押した。
「おいおい、多すぎるだろ。これ全部俺宛か。」
とか何とか聖夜が言っていたけど、女子に誰にでも優しくするからこういうことになるんだと、俺が突っ込んで終わった。

「えっと、これは、依頼の奴だと思うんだけど。」
聖が言った。手紙を真ん中のほうに押す。そこにはこう書かれていた。
「オカルト部様。私は、2年生の陸原佑子(りくはらゆうこ)といいます。この学校の裏庭に狂い咲きの桜がありますよね。そこに、私は行ったんです。そこには長い黒髪の女の子がいたんです。その子に声をかけると、女の子は「ふふっ」と笑って消えて行ったんです。これってどういう事なんでしょうか。先輩に聞いてみるとこれが、この学校の七不思議のひとつといわれました。そういうのをオカルト部の皆さんが探していると聞いたことがあるのでお手紙を書きました。お役に立てたら嬉しいです。では、これで。」
そこで手紙が終了していた。

「これは……」
「ビンゴだねっ。」
「だな。」
「今度は裏庭か」
「まずは、敬己兄さんに電話しましょうか。」
「「「「異議なし」」」」
そして、俺はテレビ電話のスイッチを入れた。

後書き

 えっと、そうなんです。こいつらは付き合うとかそういうことしてないんです。おかしな話ですよね。

ちなみに、一番しっかりしているのが、忍君です。
忍>聖>聖夜>椛=紅葉みたいな感じです
「まて!椛が俺と同列ってどういうことだ!」
さぁ?

この小説について

タイトル 第一章の参 狂桜1
初版 2010年3月24日
改訂 2010年3月25日
小説ID 3871
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海月奏香の写真
熟練
作家名 ★海月奏香
作家ID 648
投稿数 16
★の数 16
活動度 1736
えーと、海月奏香です。くらげじゃないですよ、うみづきですよ。間違ってくらげなんて言われたら泣きますよ!

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