TWINS - 第一章七 風水鳥2

 この人たちは・・・・・・・・。
 と、僕は思った。え?お前誰だって?えーと、忍です。今回の地の文は、僕が担当します。なんでかって?前回見た人なら分かるでしょう、もともと地の文担当だった人とこの間やった人が冷静さを失ってるんで、代わりに僕が。別に椛先輩や聖先輩でもいいんだけど、この場にいないから。紅葉先輩と聖夜先輩が追い出したんだ。なにせ、風水鳥はナルシストの変態だそうだから、そんな奴に2人を合わせられないと、紅葉先輩と聖夜先輩が言ったから、プールから離れて更衣室で待機してるんだよ。
 
 まぁ、こっちの事情はこれくらいにしておいてっと。僕らは今プールサイドに居る。もうほんと嫌だよこの二人といるの怖い。聖夜先輩は無表情だし、紅葉先輩からは不のオーラでてるし、何をそんなに怒ってるんですか。ってききたくても聞けないよ。
「来た。」
聖夜先輩がボソリとつぶやいた。ふと見上げると、暗くてよく分からないけれど、恐らく浅葱色の鳥が1羽、こちらに降り立った。

 小さかった。カナリアくらいの大きさの鳥だった拍子抜けした。
「このような、月の夜に何用じゃおぬしら?」
「「「その姿でその声かよ!」」」
3人揃って突っ込んだ。えーと、ひこ○ゃんの声が、磯○波平さんだったって言うくらいの衝撃。多分誰もが嫌だと叫ぶだろう。
「なんじゃ?ワシの声が気に入らんのか?」
「ついでに言うとその口調も無理があると思うぞ。」
紅葉先輩が言う。ごもっとも。カナリアみたいな感じの鳥がじいさん口調ってどうなんだろう。
「ではあれか、狂桜のように喋れというのかおぬしら。」
「あれも嫌だよ。もうしゃべらないのが一番いいと思うよ。畏月だってしゃべらなかったんだから。」
あれがしゃべらなくて、こっちがしゃべるって言うのがそもそもおかしい。なんでこんなに差があるんだ?
「畏月か、あ奴はあれじゃ、知能が発達しとらんでの。ただの熊同然じゃ。ワシはあれじゃここでのんびりしとると自然に覚えたぞい。現在の文化の単語までバッチリじゃ。」

「そんな知識いらねーよ。『バルグラブ』」
重力の塊が、風水鳥を攻撃する。風水鳥はそれを飛んでよけた。その際、強風が起こった。
「うおっ。やるじゃねぇか。じじい。」
なぜか風水鳥のあだ名が「じじい」になってしまった。そんなことをいっているうちに、紅葉先輩が雷の刃を風水鳥に向かって飛ばす。4枚まで、風水鳥はよけたものの、後一枚を風水鳥は避けそびれた。それは、足に当たった。
「お、おぬし、ワシの足に傷をつけおったな。」
「まぁ、自業自得じゃないかな。これまで何人かの水着をこっそりここで見てたわけなんだし。」
「315人じゃ。」
「「数まできっちり覚えてんじゃねぇ!」」
 ああ、もうねじがどっか吹っ飛んでるよこの2人。
 聖夜先輩が、風水鳥を押し付けて、そして、押し付けられてるところに紅葉先輩が雷の槍を落とす。なんて惨い。
「ぐほっ。おぬしら、案外鬼畜じゃな。」
「「うっせ。」」
「けど、忘れとらんか?ここが何処か。ワシが何者か。」
ここ?プール。あの鳥が何者か?風水鳥、という名のエロ爺。そこまで考えて僕ははっとした。風水鳥、かざみどり。風と水を司る鳥。あいつが使えるのは、風だけじゃない。水も使えるんだ。そしてここはプール。いい変えれば水がある場所。椛先輩がこういう場所で強くなるようにこいつもここなら強くなる!
「先輩!プールから離れて!」
「遅いわ、小僧。」
翼を、手の代わりにして、水にむけ翼を挙げる。来る、と僕ら3人全員思った。しかし、何も起こらなかった。

「なっ!?」
風水鳥が、年寄りの声を上げた。
「ざ〜んね〜んで〜した!私も水使いだよ〜。」
「椛!?」
突然した椛先輩の声に対して聖夜先輩が驚いたような声を出した。
「ご、ごめんね。紅葉君。あの、椛ちゃんが、「私も風水鳥と戦いたいっていって。」
「聖。できれば止めてくれ」
「ごめん。それは無理。」
「だよなぁ。」
何気に失礼なことを、この二人は天然でやるからなぁ。うん。どうでもいいけど、風水鳥放置?
「おおっ。女子じゃー!」
と、風水鳥が聖先輩と椛先輩のところに行こうとする。
「『雷光線』」
雷のビームみたいなものが、風水鳥に直撃する。たしかあれは、10万ボルトぐらいだった筈だ、その証拠に風水鳥は黒焦げになってプールに落ちた。
「うわー、紅葉惨い。」
「うるさい。雷光線なだけましだろ、本当は雷斬線を食らわしたかったのを必死にこらえたんだから。許せよ。」
「全くだ。今なら雷斬線食らわしてもいいんじゃないか?」
「良くないよ。聖夜、プールが壊れちゃう。」
問題はそこなんだろうか。まぁ、そこか。

「お、女子。女子。うう。」
あきれた。まだうなってる。
「うん、雷斬線いっちゃえ。紅葉。」
「やっていいよ。紅葉君。」
「よし。『雷斬線』」
100万ボルトが、プールの上に落ちた。これの所為で結局水泳学習が中止になったのは、いうまでもない。



 追記。
「ところでさ。なんで2人は、私達をたたかわせようとしなかったわけ?」
 暗い帰り道を歩きながら、椛先輩は言った。聖夜先輩と紅葉先輩は、あせって椛先輩と聖先輩から顔を背ける。
「ねぇなんでなんでぇ?」
椛先輩は聖夜先輩の顔を覗き込む、聖先輩は紅葉先輩の。
「「秘密」」
2人はそろっていった。よくこの人たちハモるよね。やっぱり似たもの同志だからだろうか。
「え〜!?気になるなぁ?忍くん知ってる?」
「それは・・・・・・・・。」
僕がもったいぶってると、椛先輩が期待の目を輝かせてこっちに寄ってくる。その瞬間聖夜先輩に睨まれた。僕は何も悪いことはしていないのに。まぁ、「何もいうな」ってことなんだろうな。
「秘密ですよ。」
「ええ〜!?もうっ。3人とも意地悪なんだからっ。」
椛先輩は、拗ねてしまった。椛先輩と聖夜先輩はあからさまにほっとしたような顔をしていた。

 椛先輩と聖先輩に言えるわけはない。何故なら、「エロ爺と戦わせたくなかったんですよ。」なんて言ったら、2人の、聖夜先輩が椛先輩に向けている感情と紅葉先輩が聖先輩に向けている感情が2人にばれてしまうのだから、それは、本人たちが伝えないと意味は無いだろう。

 がんばってください、と僕は心の中で4人につぶやいた。

後書き

 やっぱり忍はしっかりしてるんですね。(改めて)

 さぁて、いよいよ、恋愛編入るか。2分の3(1.5)章をお楽しみに。

この小説について

タイトル 第一章七 風水鳥2
初版 2010年3月28日
改訂 2010年4月2日
小説ID 3879
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海月奏香の写真
熟練
作家名 ★海月奏香
作家ID 648
投稿数 16
★の数 16
活動度 1736
えーと、海月奏香です。くらげじゃないですよ、うみづきですよ。間違ってくらげなんて言われたら泣きますよ!

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