TWINS - 第二分の三章 恋華壱

 風水鳥のじじいとの対戦の翌日、土曜日。俺は高橋家の家の前に来ていた。まぁ、聖夜の家に遊びに来たというだけなのだが、今日は泊まり。何故そんなことになったのかというと、原因はすべて椛にある。

〜回想〜

「紅葉!明日、聖ちゃんが泊まりに来るの!」
「はぁ。・・・・・・・・・・はぁ!?」
今なんと言ったこの女。
「だぁかぁらぁ。聖ちゃんが泊まりに来る。オーケイ?」
「全然オッケーじゃねぇよ。ここに?明日って親父は出張で、お袋はテニスクラブの旅行だろ!?」
「うん。だから、聖ちゃん誘ったんだよ?何がいけないの?」
何がって、何がって。俺だよ。
 だってさ、好きな女の子が自分の家にいるってだけであれなのに泊まりだぜ?理性が吹っ飛んで、聖をこっちの部屋に連行して襲いかねない。
「んじゃあ、仕方ないなぁ。紅葉が聖夜君家にとまりに行くってことで。聖ちゃんにメールしとくよ。」
「そうしてくれ。」
 このときばかりは、椛に心から感謝した。

〜回想終了〜

 と、いうわけだ。
 現在、6時。因みに狂は土曜日だ。小母さんはいるだろうが、小父さんはいないだろう。そんなことを思いながら、インターホンを鳴らす。「ピンポーン」とよく聞く音がインターホンから聞こえてくる。その数秒後、ドアが開いた。中から出てきたのは、白いゆったりとしたTシャツに、灰色のスウェットを履いた聖夜だった。
「よう。」
「おう。小母さんは?」
「買い物。上がれ。」
何か不服そうに、聖夜が言った。言われたとおり、俺は上がることにする。

 玄関で靴を脱ぎ、スリッパがあったのでそれを履いてフローリングの床を歩く。聖夜の家は一軒家で、三階建て。一階がリビングとか、洗面所とかそんな感じの部屋があり、2階には、親2人の寝室。三階には子供の寝室と物置部屋。3階に上がると、「hijiri」と書かれた板がかかっているドア、その向かいには「seiya」と書かれた板がかかっているドアがあった。聖夜のほうのドアは開いているが。
「そこら辺適当に座れ。」
「んー。」
といわれたので、とりあえず床に腰を下ろし、ゆっくりと部屋を眺めた。俺の左にはベッド、右には本棚。本棚から少し離れて、端っこのほうに勉強机。本棚と机の間に洋服ダンス的なもの。
「相変わらず、殺風景な。」
「煩い。」
「ゲームとか無いんだな。」
「P○Pでこと足りるし、ゲームより本のほうが好きだしな。」
「そうか。」
本棚を見ると、四段の本棚の上の一段には、漫画がびっしりと詰まっていて、二段目には文庫本の本がびっしりと、三段目と四段目の半分はハードカバーと文庫本より一回りくらい大きい本が埋まっていた。
「あんまり、お前の趣味に合うようなもんは無いぞ。」
「いや、高校生男子の本棚に漫画より小説だとかのほうが多いってどうなんかなって。」
「そういう男子もいるってことだ。漫画はお前に借りたら済むしな。」
「俺も小説はお前に借りたら済むから、買わない。」
「だな。」
 それから、何もすることが無いということで、聖夜の部屋にあった漫画を適当に手にとって読んでいた。聖夜の言ったとおり、あまり趣味ではなかった。
 俺の趣味は、結構熱血系のもので、マガ○ンとかが多いんだが、聖夜は難しいデス○ートあたりを読むらしい。現に俺が読んでいるのはデ○ノートの1巻だ。
 
 あまりよく内容を理解できていないけれど、ペラペラとページをめくっていると足音が聞こえた。パタパタと階段を上る音恐らく小母さんだろう、ドアから離れながらそう思った。
「聖夜。こうよう君来てるの?」
「一夜さん。俺は、こうようでなく、くれはです。」
この人は、聖夜と聖のお母さんの高橋一夜(たかはしひとよ)さん。とても高校一年生の母には思えないような容姿だ。うちの母親とは大違いだ。聖夜も昔は自慢だったらしいが、今では、いい加減若作りをやめてくれだそうだ。
「ああ、ごめんなさい。つい、ね。」
「つい。で人の名前を間違えるな。何の用だ、バ、母さん。」
「いま、ババアと言いかけなかった聖夜?」
「何のことだ。母さん。俺がそんなことを言うわけはないだろう。それより何の用だ。紅葉の顔を見に来ただけなら、早く夕飯の用意をしてくれ腹が減った。」
「ああ、お茶の用意ができたから、聖夜にとりに来なさいというつもりでもあったのよ。」
「じゃあ、取りに行くからとっとと出てけ。」
と、小母さんの背を押しながら、聖夜は部屋から出て行った。

 それから、数時間経過して、小父さんも帰ってきて夕飯ということになった。
「やー、紅葉君去年より男っぽくなっちゃって。どう、うちの聖もらってくれない?」
「あはは。そんな、俺なんかに聖はもったいないですよ。」
「いいえ、紅葉君にもらってもらえたら、こっちも大喜びよ。そのかわり、椛ちゃん頂戴ね。」
「えーと。」
答えにくい。まぁ、椛にとっては願ってもない話だけど、ここで俺が言うわけにも行かないだろう。
「母さん、父さん。落ち着いて食ったらどうだ。紅葉もいちいち相手にするな。キリがないぞ。」
「お、おう。」
もうすぐ食べ終わりそうな聖夜をみて、俺もスピードを上げて食べることにする。
 そして、再度聖夜の部屋に戻り、聖夜が冷蔵庫から拝借してきたチューハイの缶のプルタブを開けた。
「なぁ、紅葉。」
「ん?」
缶に口をつけながら、答える。聖夜を見ると酒を飲んでるとは思えないくらいの真剣な目をこちらに向けていた。

「さっき、ババアが言っていたことだが、俺が椛をもらっていいか?」

後書き

 えーと、とりあえず一つ。
 この小説では、高校二年生が飲酒していますが。お酒は二十歳になってからです。決して未成年が酒を飲まないように。チューハイだからいいだろでもだめです。
 なんか、酒を飲んでるシーンが書きたかっただけです。

この小説について

タイトル 第二分の三章 恋華壱
初版 2010年3月29日
改訂 2010年4月10日
小説ID 3881
閲覧数 828
合計★ 3
海月奏香の写真
熟練
作家名 ★海月奏香
作家ID 648
投稿数 16
★の数 16
活動度 1736
えーと、海月奏香です。くらげじゃないですよ、うみづきですよ。間違ってくらげなんて言われたら泣きますよ!

コメント (2)

★丘 圭介 2010年3月30日 21時13分10秒
久しぶりです! 丘です。
ここまでの感想を。
バトルシーン、お疲れさまでした。期待にそぐわない出来栄えで、ワクワクしながら読んでしまいました。やはり、オカルト展開で多少のギャグを調合すると面白い味になりますね。そこを巧みに使うことの出来る海月さんはすごいです!
これからは恋愛編に入るとのことですので、がんばってください。


あ、あとひとつ。
キャラがユニークでとても良いです!
では。
海月奏香 コメントのみ 2010年3月31日 0時16分21秒

 お久しぶりです!

 はい。バトルシーンはちょっと苦労しました。ご期待にお答えできて何よりです。

 これからは、恋愛編に入ります。どうかそちらもみてやってください。

 キャラのことをお褒め頂光栄です。ありがとうございます。
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