ドコにでもある話 - 雨時々くもり。雨時々晴れ

 〜ドコにでもある話。〜  

人は1人では生きていけないもの。
そうは思いませんか?
それは子供でも大人でも変わりなく。
 人間である限り。
  


 あるところに、1人の男の子がいました。

 男の子は、いつも1人でした。

 公園で、楽しそうに遊んでいるほかの同い年ぐらいの子供達を見て、何度も羨ましいそうにしていました。
 ボールを蹴って走っている男の子もいれば、ブランコにのって話している女の子もいます。
 毎日公園から笑顔も笑い声もたえず、その中で、男の子だけはいつもいつも1人でした。
 眺めているだけで、男の子は声をかける勇気がなかったのです。
 もし「いやだ」と返事が来てしまったら。
 拒絶されたら。
 男の子は、無意識にそんな不安を抱えてしまっていたのです。
 1人でいることはもちろん哀しい。
 でも、1人にされるのも、同等に哀しかったのです。
 ですがある日、男の子は寂しさに耐えられなくなり、勇気を振り絞って「僕もまぜて!」と1つの男の子の集団に声をかけました。
 いつもここで、サッカーなどをしていた子供達でした。
 いつも遠くから見ていた。
 ボールを蹴って風を切るように走るこの子供達を。
 するとその集団の中心にいた男の子が、最初は仏頂面で男の子を凝視しましたが、やがて。
にっこりと笑って「いいよ」と言ってくれました。
 そんな望んだ返事がきて、男の子はとても喜びました。
 とてもとても、喜びました。
 
 やっと言えた。

 ずっとずっと思っていたことを。
 でも――。

 再び、悪夢は戻ってきたのです。
 男の子はあるとき、その集団の子達から仲間はずれにされてしまいました。
 何度声をかけても、誰もそれに答えてはくれないのです。
 先日までは、楽しく遊んでいたのに。
 ボールを一緒にけって、砂遊びをして。
 ブランコだって滑り台だって。
 皆で仲良く過ごしていました。
 男の子は、遊んでいた1人の子に聞きました。
「どうして、まぜてくれないの?」
 男の子の質問に、その子はハッキリと答えます。
「・・・・・・サッカーとか野球とか、お前が入ったチームは必ず負けるんだ。それがいやになったんだ。皆お前を入れたくない」
 男の子は、何も言えませんでした。
 ただただ、またいつものように遠くから楽しそうに遊ぶ子供達を見ていました。
 そして、男の子は再び1人になってしまいました。
 来る日も来る日も、1人でした。


 そんな日々が続いたある日。
 男の子が1人で公園のベンチに蹲っていると、それを見つけてくれた1人の女の子が現れました。
「何してるの? 遊ばないの?」
 女の子は不思議そうに男の子を見つめ、男の子はその質問に答えませんでした。
 女の子はそんな男の子を哀しそうな瞳で見つめ続けます。
 男の子は、もう誰とも友達になどなりたくなかったのです。
 欲しくないといえば、嘘です。
 でも、なくしてしまう事が、作るよりも勇気がいるのだと知ったのです。
 ただ眺めているだけで。
 それならば、無くす事はない。
 悲しまなくていい。
 またあんな思いはしなくていいのだと。
 そう願って、男の子は誰にも話しかけずに毎日を過ごしました。
 またあの時に戻って。
 それで良いと、思ったのです。
 そんな男の子が、しばらく黙っていると。
「なら、一緒に遊ばない?」
 女の子が、笑顔を向けてくれました。
 また一緒だと思った。
 きっとまた。
 そう思う男の子をよそに、女の子は男の子の手をつかみ、走り出しました。
 それから。
男の子は、もう1人ではなくなりました。
 来る日も来る日も、1人でいることはなくなりました。


これは、ドコにでもあるお話です。


 貴女も、近くを見ればそんな人がいるかもしれません。
 貴女には、一緒にいてくれる人がいますか?

 その男の子のように、見つけることができましたか?
 
 大切な人を。
 
 

後書き

お久しぶりです。
五月です。


何気なくUPしました。
自分でも何かいたのか良くわかりませんが、読んでいただければ幸いです。

この小説について

タイトル 雨時々くもり。雨時々晴れ
初版 2010年4月29日
改訂 2010年4月29日
小説ID 3911
閲覧数 627
合計★ 0
五月の写真
作家名 ★五月
作家ID 497
投稿数 60
★の数 166
活動度 11432
一言・・・・・・頑張ります。

http://simotukiharuka.blog.so-net.ne.jp/
自分の小説ブログです。
ここに載せた小説についていろいろ書いてます。

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