TWINS - 第二章弐 疾風雷

 俺たちの前にいきなり何の前触れもなく訪れたのは、あの狂桜や、風水鳥を封印したという、古賀龍一だった。その人は、化座沼敬己の兄だといった。つまりは、俺たちの後輩である貝谷忍の従兄であるということだが、忍はそんなことは何も言っていない。むしろ古賀龍一という名前に対して誰の名前かといっていたくらいだ。

「で、おっさん何しに来たんだ?まさか現在のオカルト部が見たかったってわけでもないだろう?」
聖夜がぶっきらぼうに言った。真っ黒な目で、扉近くにいる茶髪の男を睨みつける。
「おお、警戒心丸出し!?オレってそんな嫌われてるわけ?」
「質問に答えろおっさん。」
聖夜は立ち上がり、古賀龍一に近づいて、手を差し出す。いつでも、「バルグラブ」が打てる体制だ。
「おいおい、ちょいと乱暴すぎやしないか?何でこんな事になってんの?オレ、敬己に頼まれてきただけだぜ?」
「それがどういうことなのかと聞いているんです。古賀さん。」
忍が声変わりした声をさらに低くしていった。どうやら、忍もこいつに敵意を抱いているらしい。なぜかは分からないが。
「ほう、でかくなったな、昔はこーんなちっちゃかったのによ。忍ちゃん?」
「……、何故僕の小さい頃を知っているんですか。古賀さん。僕は貴方に出会ったことはないはずです。」
「まぁ、そりゃそうだな。オレも会ったことはねぇよ。お袋が送ってきた写真を見ただけだ。」
「親父?」
忍は不思議そうな顔をする。なんだ?こいつは忍の従兄ってわけじゃないのか?

「離婚してんだようちの家。オレが10歳で敬己が生まれたばかりだった。お袋の浮気が原因でな。実質敬己は親父違いの兄弟なんだこれが。」
「ふうん。で、それで、どうして古賀さんと化座沼先輩が今も交流してるの?だって、その説明だと、化座沼先輩は古賀さんの子と知らないんじゃない?」
椛が言った。たしかに、それもそうだ。
「いい質問だ椛ちゃん。そのあと、オレは親父に、敬己はお袋に引き取られて、何事もなーく過ごしてたんだよ。そんなときにさ、お袋が事故で死んだ。そんで、親父が敬己を引き取って、こんな感じ。まぁそんとき、オレは高校生、あいつは小学生だったわけだ。あいつとの苗字が違うのは、あいつは母親の姓を名乗っているから。OK?」
なるほど、その辺の事情は俺も、椛も、聖も、聖夜も、そして忍も納得した。

「事情は良く分かりました古賀さん。でも、それは聖夜の質問の答えじゃないです。答えてください。」
聖が言う。それもそうだ。忍の質問には答えられたが、何故ここに来たかを彼は説明していない。
「さっきも言ったように、敬己に頼まれたからだって言っても納得しないだろうな。お前らが倒したのって、畏月(おそれづき)と、狂桜(くるいざくら)、それから、風水鳥(かざみどり)のエロ爺だろ?」
全員でコクリと頷く。
「これからでてくるのは、疾風雷、迅火林(はやひばやし)、乱花(みだればな)、そんで、七不思議を起こす怪魔の中で最強の、万森(よろずもり)。それらと相対するには、お前らの力だけじゃむりなんだな、これが。で、オカルト部に新入部員を送り込んだ。」
「「「「「はい?」」」」」
何だとこのおっさん。んなことたぁ、何も聞かされちゃいねぇぞ。
「おい、隠れてないで出て来いよ。オレの後こそこそついてきやがって、そこにいるんだろ?」
そういって、古賀龍一は、扉を開けて、「おらっ」とかなり乱暴に、三人の男子生徒を部室に入れた。

 この3人は、いったい何なんだろうか。


「この3人はいったいなんだ。古賀さん。説明してくれ。」
「お前ら、一応年上だぞオレ。」
「「「知るか。ざけんな。年上なら年上らしくしろ」」」
忍が俺らとハモるなんて何かどんどん変わっていってるな。
「えーと、まずは、本人達から自己紹介してもらうか。」
そして、一番右にいた少年が口を開く。
「浜咲琢也(はまさきたくや)。2年だ。能力はサターンボディ」
右にいた若干ぽっちゃり体型の少年はオレと同い年らしい、まぁ、少年と呼ぶには少々ふけている感があるが、サターンボディ、たしか、肉体強化だっけか。
「稲場嘉幸(いなばよしゆき)です。1年です。能力はライギルゴッド。」
ライギ…なんだ?よく覚えてない。なんだったかな。
「ゴッドって、神様!?」
椛が物凄い事を言った。多分違うだろう。
「いえ、「紙」です。紙を硬質化して、戦います。よろしくお願いします。」
「あ、いえいえ、こちらこそ。」
妙にかしこまった奴だな。何か裏あるなこいつ。紫の前髪から覗く目が、怪しげに光っている。
「長田悠馬です。能力はバイオレンスフレアです。1年です。」
赤い髪を持った眼鏡を掛けた少年がいった。バイオレンスフレアといえば、聞けば分かるが、確か炎の能力だったはずだ。これは、稲場って奴と相性悪いんじゃないか?

 この三人を加えて、オカルト部は、疾風雷に挑むということらしい。早速、作戦会議に入る。
 
 まぁ、こういうのもなんだが、あれだ、このメンバーいや、この疾風雷との戦い。絶対面倒くさくなると確信できる。
 理由なんて、そんなものはないが、それでも確信できるんだ。この三人が加わって、厄介なことがおきるんじゃないかなって。

後書き

さぁ、次回、戦闘行きましょうか

この小説について

タイトル 第二章弐 疾風雷
初版 2010年4月30日
改訂 2010年5月18日
小説ID 3914
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海月奏香の写真
熟練
作家名 ★海月奏香
作家ID 648
投稿数 16
★の数 16
活動度 1736
えーと、海月奏香です。くらげじゃないですよ、うみづきですよ。間違ってくらげなんて言われたら泣きますよ!

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