向日葵が見上げた… - 向日葵が見上げた入道雲 第一章:夏の始まり〜その1〜

先ずは簡単に登場人物の紹介から。

田中 良(たなか りょう):本作の主人公。男。一人称は僕。あまり人付き合いは得意ではない。奇抜な両親の言動に、いつもたじたじ。

石原 忠志(いしはら ただし):主人公の唯一の悪友。男。一人称は俺。結構、悪ノリするタイプ。

鈴原 明海(すずはら あけみ):主人公の同級生。女。人付き合いの得意じゃない主人公とは対照的に、かなり交友関係は広い。明るい性格の持ち主。

木之原 里佳子(きのはら りかこ):主人公の幼馴染。女。人付き合いの悪い主人公の事をいつも心配している。面倒見のいい性格。

武田 太朗(たけだ たろう):主人公の同級生。男。一人称は俺様。かなり体育会系のノリで、何かとナヨナヨした主人公に突っかかってくる。

以上、ここまでが今回の登場人物です。

向日葵が見上げた入道雲

第一章:夏の始まり〜その1〜

「アチィ…」

 僕の寝起きの第一声はソレだった。朝、目覚ましが鳴るよりも早い時間に自然と目が覚めてしまった。別に、早起きをしたかった訳じゃない…。
 カーテンの隙間からは、容赦の無い太陽の光が部屋の中に射し込んでいる。そして、部屋の中はまだ早朝だと言うのに、物凄い暑さになっていた。まるでサウナだ…。
 こんなクソ暑い中で、眠り続けられる訳がない…。幾ら布団の上で寝返りを打って少しでも涼しい場所を探そうとも、部屋の中全体が蒸し暑いのだから全く意味の無い行為にしか過ぎず…。

「あぁ〜!クッソ…」

 僕は、ヤケクソ気味に布団からガバっと起き上がった。もうこれ以上、こんな蒸し暑い部屋の中で横になっているのは正直限界だった…。
 正直、まだかなり眠気はあったが、あまりの暑さに寝直す気にもなれず、こんな場所にいつまでもいる位なら、さっさと着替えて少しでも涼しい台所に行った方がまだ少しはマシなように思える。
 そう結論付けた僕は、さっさとパジャマから制服に着替えると、眠気と暑さでぼ〜っとする頭を抱えながら、ふらふらとやや覚束無い足取りで台所へと移動したのだった。

「あら、おはよう。今日は早いのね」
「おはよう、母さん。つか、こんなに蒸し暑いんじゃ、いつまでも寝てられないって」

 洗面所で軽く顔だけを洗い、少しだけサッパリしてから台所へ顔を出すと、朝食の支度をしている母さんの姿が。これも、我が田中家のいつもの光景だったりする。僕がまだ眠い目をしょぼつかせながら、「ふぁ〜」と欠伸を噛み殺していると…。

「そんなに暑いのなら、エアコン付ければ良かったじゃない」

 母さんが朝食の準備をする手を止めずに、そんな事を言ってきた。ま、確かに正論ではあるのだが。

「エアコンなら寝る前に付けてたよ。只タイマーで付けて寝たから、一時間経ったら勝手に電源が落ちたみたいだね」
「だったら、また電源入れれば?」
「いや、それじゃタイマーの意味ないでしょ…。つか、何回も付けてたらそれこそ、電気代も馬鹿にならないからね」
「それもそうね。じゃ、今夜から水を入れたペットボトルを冷凍庫で凍らして、それを抱えて寝れば?そうすれば、電気代の節約にもなるし、エコじゃない」
「ほぉ、それは良いアイディアだね」

 確かにそれなら、程よく冷たいだろうし、例えエアコンが切れたとしても、冷え冷えのペットボトルがある限り、きっと安眠出来る事だろう!
 しかも、これなら電気代も掛からないからね〜。おし、今夜から早速実践してみるとしよう☆
 僕が、朝のTVのニュース番組を見ながらそんな事をぼ〜っと考えていると…。

「ふぁ〜…」
「あら、あなたおはよう」
「あぁ、おはよう!」

 これまた、先程の僕のようにふらふらとしながら、手に新聞を持って父さんが台所にやってきた。それにしても…。

「父さん?」
「うん、何だ」
「何か髪の毛が凄い事になってるよ」
「あぁ、いつもの事だから気にするな」
「や、気にするなっていうか、寝癖が凄い上に髪の毛に木の枝やら葉っぱやらが大量に絡み付いているんだけど…」
「大目に見ろ」
「…はぁ」

 そう、父さんの寝癖が凄いのはいつもの事なのだが、その髪の毛に何故か大量に枝やら葉っぱやらが絡みついていたのである…。てか、どうしてこうなった?

「あなた、また昨夜も寝相悪かったからね」
「や、寝相悪いにしたって、普通家の中で寝てたらここまで凄い事にはならないよ…」
「はっはっは!父さんの寝相を甘く見ちゃイカンぞ〜」
「いや、別に甘く見てはいないけど…」
「お父さん昨夜ね。あまりにも暑くて寝苦しいって言って、窓全開にして寝ちゃったのよ」
「うん、それで?」
「気付いたら、あたしの隣に寝ていた筈のお父さんの姿が無かったのよ。きっと、寝相が悪すぎて窓の外に落ちちゃったのね!」
「……」

 って、え?寝相が悪いにも程があるだろ、ソレは!?つか、母さん、もしかしてそのまま放置プレイ??

「あの〜、気付いた時に、何で父さんを探さなかったの?」
「え?だって、父さんの寝相が悪いのはいつもの事でしょ」
「寝相が悪いにしたって、限度があるって!窓の外に落ちたの気付いてたんなら、せめて父さんを起こそうよ!!てか、窓の外に落ちた時点で、父さんも気付こうよっ!?」

 あまりにも落ち着いた返しをする母さんに向かって、思わず突っ込みまくる僕…。父さん、落ちた時の衝撃で何故、起きないかなぁ…?

「はっはっは!窓から落ちた位の衝撃で、この父さんが起きると思うのか?父さんの事を甘くみちゃイカンよ!!」
「いや、ソレ笑い事じゃないから…」
「もう〜、良は本当に細かいわね。一体、誰に似たのかしら?」
「……」

 僕、そんなに細かいのだろうか?いや、絶対に僕の言ってる事の方が、一般的に考えて正しい事のように思うのだが…。むしろ、こんな両親に似なくて、本当に良かったとさえ思うよ。
 時々、本気で両親の事が分からなくなる事がある。つか、どうしてこんな暑い朝っぱらから、こんなにも無駄に突っ込まなければならないのだろうか?

「朝、起きたら、布団じゃなくて庭の中に寝ていたから、父さん流石にビックリしたよ〜」
「でも、丁度外に寝ていたから、起きてそのまま新聞を取ってこれて良かったじゃない」
「おぉ〜、それもそうだな!母さん良い事言うねぇ!わっはっはっは!!」
「……」

 そういう問題なのか?それ以前に、色々と問題があると思うのだが…。大らかにしても、ここまでいくと幾ら何でも限度ってものがあるだろ!?
 まぁ、いい。朝から深く考えても、疲れるだけだからな…。只でさえ暑いのに、これ以上無駄な事を考えてもシンドイだけだ。

「それより母さん、今日の朝食は何?」
「今日の朝は、和食よ」
「和食かぁ〜、いいね!焼き魚とか?」
「ううん、魚はないわよ」
「え?じゃあ、納豆とか??」
「納豆もないわよ」
「…??」

 和食と言えば、焼き魚や納豆が定番だと思うのだが、他に何かあったかな?僕が他に思いつくのは、梅干とかホウレン草のおひたしとか、後は何があるんだろう…。

「もう直ぐ出来上がるから、後ちょっと待ってね」
「うん、何だろう。あ、そういえば和食の定番中の定番、味噌汁の存在をスッカリ忘れていたよ。母さんの作ってる朝御飯って、味噌汁だね?」
「ふふふ…もう直ぐ分かるわよ」
「父さん好き嫌いないから、何でも食べちゃうけどな♪」
「僕も基本的に、好き嫌いはないよ」
「母さんの作る料理は何でも美味しいから、思わず食べ過ぎちゃうんだ」
「あ、それは確かに」

 僕と父さんがそんな会話をしながら、朝食の準備をしている母さんの背中をジッと眺めて待っていると、ようやく完成したのか出来上がった物が食卓へと運ばれて来た。

「はい、お待たせ〜」
「おぉ!待ってました!!」
「ぶらぼ〜!!」

 父さん、ぶらぼーって…。どうでも、良いけど朝からテンション高いなぁ…。ま、僕もそんなに朝に弱いって訳じゃないけどね。
 そんな事を考えつつ、母さんが食卓へ運んで来た朝食を食べようと、皿の中を見た僕は思わず固まってしまった…。

「…母さん」
「うん、何?」
「これ、ナニ??」
「え、だから朝食だけど」
「何だ何だ〜。良は母さんの料理にケチを付ける気なのか!」
「いや、そういう訳じゃないけどさ…」

 つか、それ以前の問題というか…。母さんが嬉々として、食卓の上に運んで来たもの。ソレは…。

「これ、キュウリだよね?」
「今更、何言ってるの。そんなの見れば分かるでしょ」
「バリバリ…。おぉ〜、母さんの手料理はいつ食べても美味しいなぁ♪」
「……」

 そう、丸ごとキュウリがそのままの姿で、何本も皿の上にでで〜ん!って感じで鎮座していたのである!つか、マジで一体何事?
 そんなキュウリに塩を振りかけて、そのまま丸かじりして美味しそうに食べている父さんは、ある意味ツワモノだと思う。つか、朝から豪快だな〜。

「えっと、ご飯は?」
「だから、目の前にあるでしょ!さっきから何を言ってるのかしら、この子は…」
「ははは!きっと、反抗期なんだよ。俺も若い頃には、そんな時期があったなぁ〜。バリボリ…」
「や、そうじゃなくて…」

 言いたい事が全然上手く伝わらないのだが…。てか、こんな事で反抗期とか言われてもなぁ〜。僕の言ってる事って、そんなにも反抗的な事なのか?
 つまり、だ!今日の朝食には、このキュウリだけを丸ごと食えって事なんだな、きっと…。確かに、和食と言われれば和食だが、何故に丸ごと??
 って〜か、キュウリ意外に全く他のおかずが無いってのは如何なものか…。そもそも、ご飯も無いからキュウリが主食だし。いつから我が家は、こんなにも本格的なベジタリアンになったんだ?

「ほら、あんまりノンビリしている時間は無いんだから、早く食べちゃいなさい」
「あの〜、出来れば普通のご飯も用意してくれると嬉しいのですが…」
「もう、仕方ないわね。ちょっと待ってなさい」
「はい…」
「ふぅ〜、やれやれ。ホントお前は、困った奴だな〜」
「……」

 ぐ…。下手な事を言うと、反抗的って言われるから、かなり下手に敬語で話してみたのに、散々な言われようだな…。
 でも、普通のご飯を食べる為には我慢だ!何故、朝からこんなにも下手に出なければ朝飯に有り付けないのか自分でもよく分からんが、とにかく我慢だ!!
 一人そうして心の中で悶えていると、手に新しい皿を持って母さんが食卓に戻ってきた。

「はい、持ってきてあげたわよ」
「って、普通のご飯じゃねぇっ!?」

 そう、皿の中には何故か、山盛りの味噌の塊が!ホント、どうしてこうなった!?

「塩だけじゃなくて、キュウリには味噌も合うのよ」
「そういう問題じゃなくって!」
「いいから、文句ばかり言ってないで、お前も早く食え。バリボリ…」
「…はい。いただきます」

 これ以上、何を言っても無駄だと悟った僕は、両親に倣ってそのままキュウリを丸かじりしたのだった。もうヤケクソ気味で、3本も丸かじりしてやった…。
 朝から、食事がキュウリだけって、何の罰ゲームだよ…?マジで理不尽な事、この上ないのだが…。

つづく。

後書き

凄いグダグダな内容でスミマセン。

この小説について

タイトル 向日葵が見上げた入道雲 第一章:夏の始まり〜その1〜
初版 2010年7月21日
改訂 2010年7月21日
小説ID 3982
閲覧数 649
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駿河地方に流れる風の写真
常連
作家名 ★駿河地方に流れる風
作家ID 665
投稿数 7
★の数 4
活動度 812
どうも、初めまして!クローン病という難病を患っていて、いつも入院中には妄想ばかりしております〜。こんな自分ですが、どうぞ宜しくお願いしますね☆

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