Somersault

 
 
うお座日記
 
 
 
この前のね、星がね、やっけに明るいと思ったら
やっぱりお久しぶりですの真っ赤な髪の毛のアンタレスさんで。
(アンタレスさんといえばあのさそり座の心臓で有名だよね)
なんでこんな時期にきたのって問うたら、舞台俳優ばりのいい声で

「あと98年で寿命ですよ。その時はお迎えにいきますからね」

だって。
せっかくソル(太陽)と仲良くなれてきたのに。いみわからん。

仲良いシャウラもガクルックスも相変わらず火星派には関わりたくないらしく、
私が助けを求める前に逃げやがった。ゆるせん!
そいつらのお隣のベラトリックスちゃんは微笑んだまま「私には関係ない話だから…」
かわいいから許すけど。

とにかく火星派のアクラブとジュバ、ピリ・エラ・ウア、ジャバハー、アルニャートくんとジャバト・アル・アクラブさんは仲良しなんだけど、こういうとき合わないな〜って思う。
っていうか攻撃的なんだよね、この辺。
でもアルニャートくんだけはまだ大人しいかな?

でもアンタレスさん良い人だから「あーそうですよねぇ」って笑っておいた。
大体私うお座の生き物だからさそり座に言われるのがすっごい変。
まあうお座のあの人ら、目立つの嫌いだから…。
こういう目立つ、表立った仕事は全部目立ちたがり屋の火星派がやってんだろうけどね。

うお座でもまだ意見がそれなりに言えるηさんもいるけど、正直ほかの人に比べたら全然だもん。
やっぱこの辺のが性格としてでてるかも。

唯一ソルから名前が与えられたアルレシャ様は人とのつながりを大事にされるお方だから
苦手な相手であろうと完全に断ち切ることをしようとしないし。だからさそり座のアンタレスたちも歓迎状態で出迎える。
側近のフム・アル・サマカー氏はアルレシャ様の言うことが絶対だと言ってるから同じ。
ηさんはさすがにアルレシャ様に刃向かえないし、しゃーないっちゃしゃーないわな。


そういや、おひつじ座派のハマルさん、元気してるかな。
 



***




久しぶりの宇宙旅行いきます。
いまからいって2万光年向こうで遊んだあと、時間を巻き戻して7時に帰ります。

優しい流星群たちはまた私を困らせるんですよ。
帰ってこないと私達、泣いちゃいますからね。
アルレシャ様に預けた弟がさびしいっていってるみたい。
弟は相変わらず私にはツンケンしてるくせに、恥ずかしがりなのかな?

まるで鬱になったんじゃないかって心配してしまいそうなうお座の町並みが酷く懐かしい。
今から乗るこれが

いいえいいえ、もう何も言わないよ。
だから静かに旅立とうよ世界!
閉じゆく蛇口を壊して辺りを水浸しにしようよ宇宙!

そらの流れ星行きがあやしいなぁ。無事にいけますよーに。
っていうかシャウラとケンカした。
原因はガクルックス。また取り合い。男同士なのに相変わらずシャウラとガクルックス仲良い。
でも私も同じぐらい仲良いって言ったら「ハァ?ねぇよ!俺のほうが仲良いし!」とか言われてさぁ。
そんなムキにならんでもいいし、って思ったら口げんかになっちゃった。

ガクルックスに半泣きで電話したら「またくだらないことでケンカしてんのな」って笑いやがった。
マジムカツク。お前のせいでケンカしてんだよ。「逆恨みもいいとこだよ(笑)」

うわっ出発時間20分もオーバーしたんだけど!急ぎます!


落ちます星のかけら!!
シリウスと彦星が仲良しで、流星群におちるおちる真っ赤なあと。
アンタレス様よ。彼らに星々の輝きのあらんことを!

 


***




また私の上を飛び越える!
やめてよ!首が落ちたらどうすんの!?
絶対にひろってやらないよって笑わないでくれるかな。
大雨降らしてやる。腹立つ。

「人生がつまらないのは自分のせいじゃないか。
 きみは人生がつまらないのはって周りの、環境のせいだって思ってないかい?
 一度だって変えてみようと必死になったことはあるかい。
 少しでも努力して頑張ってみようって思ったことあるかい。
 ただ周りに流されるだけ流されて、変えようともしなかった未来を今更きみが
 『こんなつまらないクソ人生』っていうのはお門違いだね。
 アルレシャ様はちゃんと人生をくれたのに、ばかだね。何度も言ってあげるよ。
 きみは馬鹿だ。大馬鹿だ。さあ、出直しておいで。首がもげるまで何度でも人生をやり直しておいで。
 そんな幸運なことをきみは実行できるんだから。」


私は生きる希望をもらいにアルレシャ様に会いにきたんだよ。

「生きる希望をください?そんなくだらないお願いをわざわざアルレシャ様にしにきたの?
 じゃあいますぐあげるよ。私があげる。『死んだそのとき、みんなが泣いてくれるよ』
 帰りなさい。これで十分だろう。人間ってのはそのためだけに生きてるんだろう?」


もうどうしよう。これって鬱かなぁ。

「死にたいけれど自分で死ぬ勇気がない。そもそもただ逃げたいだけ。
 なるほどね。事態は深刻だ。
 いまからお水を飲みなさい。そのお水に私が星のかけらを忍ばせてあげるから。
 安心して。ジャバト氏がわざわざ冥王星まで行ってとってきてくれたやつだから。
 飲んだら寝る前に三回、必ず『今日は良い日だった』と言いなさい。
 要は思い込みなんだよ。『今日もイヤな日だった』って感じながら寝たら、そりゃあ
 寝心地だとか寝つきも悪くなる。けれどたった小さな些細なことでいいんだ。
 今日のお弁当に好きなものが入ってたとか、今日友達と喋った内容が笑えたとか。
 知らないことを一つ知ったとか。極端に言えば友達が朝、『おはよう』って話しかけてくれた。
 誰かに『おやすみ』って言ってもらえた。ネットでお気に入りのものをみつけた。
 それだけでも構わないんだよ。すべてに感謝しろとか感動しろとか強制はしないけれど、
 そんな些細なことで、意外にも強く心は保てるんだから。
 よし気分は落ち着いたかい?じゃあ、気の向いたときに寝るんだよ。おやすみ。」


以上、私とフム・アル・サマカー氏の会話のうち、一部抜粋したもの。


後書き

昔の日記より。その時はノンフィクションでしたが、今はフィクションです(笑)
お気に入りなのでこっそり投稿。

この小説について

タイトル Somersault
初版 2010年7月26日
改訂 2010年7月26日
小説ID 3984
閲覧数 780
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佐藤みつるの写真
ぬし
作家名 ★佐藤みつる
作家ID 510
投稿数 36
★の数 187
活動度 4932
だらだら社会人やってます。
本(漫画・小説)の量が半端なさすぎて本棚がぎちぎちになってます。

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