Merci - 【Life】


ただなんでもない日常を憧れていただけだったのに。



今も貴方はこの景色、この空気、この思い出の空を覚えてますか?


「ジャクソン、兄ちゃんになんて言ったの?」
「何でもいいじゃねぇか。お前こそ1人でべらべら何言ってたんだよ」

兄の墓参りの帰り道、ジャクソンとそんな会話をしていた。
2人並んで歩いていると周りからはまるで恋人のように見えるだろう。
アタシとジャクソンはそんな関係ではない。第一ジャクソンは

――――人ではない。

「てか、なんで遅れてきたのよ。5時30分にここって言ったじゃない」
「野暮用があった。だから遅れた」

そういってジャクソンは赤茶の髪をぼりぼりと掻いた。髪を掻いたときにチラリと耳についている銀色のピアスが揺れていた。
それと、隠れていた左目の下の紋章のような証も見えた。
左目の下の紋章―――
それはタトゥーでも無い。かといってシールな訳でもない。これは人ではない証。
まぎれもない、ギターの証だった。ジャクソンがこうなったのは兄の影響かもしれない。
兄が始めてギターを買ったとき何があったのか知らないが、いつの間にかジャクソンが人になっていたと兄が言っていた。

アタシにも分からない。何で何だし、兄ちゃんー!!

「野暮用って何よ・・・」
「紫音には関係ないことだから」

アタシとジャクソンは夕日を前に海辺を歩いていった。今日の夕日は一段と綺麗に見えた。ふと隣にあくびをしながら歩いているジャクソンの顔を見た。
整った顔立ちに、夕日のせいかもしれないけど少し焼けた肌に赤茶の髪の毛。
見た目はチャラチャラして見えるけど内面は気さくで優しくて、何より自分のことより相手のことを考えてる。
相手には見せないけど、アタシだからこそ知っている。それをしつこく教えてくれたのは

時雨兄ちゃん、貴方だったよね。

「ねぇ、ジャクソン」
「あ?なんだよ、その満面の笑みは…」
「ちょっと浜辺行こうよ」

アタシはそういってジャクソンの腕を引っ張って浜辺まで走っていった。
なんだか急に浮かんだ懐かしいメロディーが頭の中を流れた。

「ちょっとギターに戻ってよ」
「な…何を急に…」
「いいから早く!!忘れちゃうでしょ!」

アタシはジャクソンをせかしてしぶしぶジャクソンはギターに戻った。
アタシはそれを手にして海と夕日を正面にギターを弾き始めた。
そして小さくその曲を歌い始める。

『背中を向けていつも僕の前を走っていた君の姿
 忘れもしないあの懐かしい思い出――――
 背中を向けたあの時、君は何を思ったの?
 なんでいつも置いていって先を逝ってしまうの?
 君との思い出、山ほどあるよ
 忘れない君の声―――
 ただ普通の生活を夢見てた それすら叶えてくれないのですか?神様―――
 
 神様貴方は意地悪ですね
 こんなにも越えられそうに無い壁を僕たちに創ってしまって
 僕はこのままどうすればいいんですか
 置いていかれてもう前には見えない君の背中――――』

兄がよく口ずさんでいた懐かしの曲。嶺兄ちゃんがバイオリンで弾いて、緋雨姉ちゃんがピアノを弾いて―――
アタシは小さい頃よくその光景を目にしてはキラキラとした心になれた事を今でも覚えている。

もうそんな事はないと分かっているけれど。

アタシは弾き終わってからのんびり暗くなり始めている空を見上げた。
相変わらずこっちはのんきに過ごしています。兄ちゃん、心配する事は何も無いからね。

すっとジャクソンが人に戻った。そして立ち上がりアタシの前に手を出す。
「何?」と短く聞いてみたら無言でアタシの手を取って立ち上がらせた。

「もうそろそろ暗くなるし、この時期は夜が寒いからな。腹も減ったし帰るぞ」
「そうだね、帰ろっか」

アタシとジャクソンは南の方向に歩いていった。背景では夕日がゆっくりとゆっくりと海に消えていっていた。

今日は家に帰ったら兄ちゃんが好きだったドリアでも作ろう。
それと、今日は2人分じゃなくて3人分――兄ちゃんの分まで作ってあげよう。
アタシはそう決意して歩を速めた。

―――――あの時からちょっとは上達したんだよ?

後書き



うん、ごめんさーい。←
全く反省の色無しでごめんなさーい←

一時擬人化らしくなりましたねぇ。
ギターになったり人になったりめんどくさいねぇ、実に。笑

途中にあった歌詞みたいのは紛れも無く自作ですw
意味分からんね。うん。意味分からん。
ってことでスルーの方向でよろしくっ!笑
((あ、自分で言ってて悲しくなってきた・・・。

話の先が読めないよー(・ω・`)
どうなるんだろうねー。お楽しみにぃ〜(^ω^)

この小説について

タイトル 【Life】
初版 2010年9月25日
改訂 2010年9月25日
小説ID 4062
閲覧数 825
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亞華羽の写真
ぬし
作家名 ★亞華羽
作家ID 687
投稿数 17
★の数 17
活動度 2678
自由気ままな、亞華羽[Ageha]です(`・ω・´)v
気分屋なんで不定期です。
よろしくお願いします。

コメント (2)

★アクアビット コメントのみ 2010年10月16日 7時05分39秒
浮かぶ景色を追いかけるように
一気に物語を描いている亞華羽さんが目に浮かびます。
ああ、若いって……いいなぁ……
★亞華羽 コメントのみ 2010年10月16日 17時44分52秒
コメント、ありがとうございます(・ω・´)v

私が話を思いつく時はたいてい学校の帰り道ですね。
部活で夕方時に帰る時にふと出てくるんですよねw
そしてジャクソンの事を思って『ただいま』を言う毎日ですね。

・・・・なんか親ばかみたいですけどorz
若いなんてwww

これからも徐々に更新したいと思うのでよろしくお願いします!!!
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