Merci - 【寄り道】

ブロロロロ…ブロロロロロロ…

正面からは秋の風が吹いてくる。
最後に乗ったのは夏のライブの帰り道だった気がする。後ろに紫音を乗せて走ったな。
あたりは徐々に暗くなり始めていた。10月ということで日が落ちるのも早くなる。
少し肌寒くもなってきた。
スーパーまでの道のりの最短距離は藍鷺町をまっすぐ進んで十字路を右折した所。
俺はいつもと同じように最短距離を走っていた。
学校帰りで制服姿の女子高生や手を繋いで親と歩いている小さい子供や犬の散歩をしている奴など、
いつもと変わらない景色を俺は横目で見ながら進んでいった。
しばらくすると行きつけのスーパーが目の前に現れてきた。夕方時で会社帰りのOLやサラリーマンの姿がよく見られた。
俺は駐輪場のバイクの所まで行きエンジンを切った。
中に入ると満面の笑みの店員が『いらっしゃいませ』と言ってきた。俺は首でちょこっとあいさつをしてから中に進んでいった。

入り口にあったのは広告に載っていたカップラーメンつめ放題――――
一瞬立ち止まり、やろうとしてしまった。
だが、今日はそんなことではなくチーズを買いに来たんだ、俺。
欲望を抑え調味料売り場まで早足で行った。
調味料売り場の1番隅にひっそりとチーズコーナーが置いてあった。そこの1番上にある『とろ〜りおいしいチーズ』を手に取り、レジまで行こうとした時、声をかけられた。
振り向いてみるとそこにいたのは――――

「よぉジャクソン。1人で買い物か?」

同じバンドのブラック・スター。通称スターの姿だった。
こいつと俺は昔からの幼馴染――と、言ってもスターのマスターと俺んとこの紫音が単なる幼馴染なだけなんだがな。

「スターか…お前こそこんな時間に1人なのかよ」
「俺は零王の付き添いだよ。スティック巡りの帰りって言った方が正しい気もするがな…」
「悪かったなぁ?スティック巡りの旅に付き合わせちまって」

そう言ってスターの背後から現れた人物こそスターのマスター、零王だ。俺と零王はちょっと訳合って親しい関係にあった。
まぁ時雨つながりなんだがな。

「そー怒んなって…ジョークだからジョーク、なぁ?ジャクソン」
「ジャクソンに絡むな。そうやっていつも逃げるんだからスプリングにも嫌われ…」
「すいませんでした。誠に申し訳ありませんでした、マスター」

スターは零王に向かって土下座しようとしていたが、流石にここは公共の場なので俺が止めておいた。
零王の言葉の中に現れた『スプリング』ってのは俺らのバンドのキーボードの奴の名前。スターはスプリングの事がひそかに好きなんだよな。
男だったら告って、当たって砕けろよ。

「ジャクソンは紫音のパシリか?」
「まぁそんなとこ…あ、やっべ」

時計を見たらもう7時を回りそうになっていた。
家を出たのは確か6時30分ごろ。もう30分は経っていた。どうりで腹の音がよく聞こえるだこと。
零王とスターに別れを告げ、俺は会計を済ませてからバイクにまたがった。
あたりはすでに日が落ち、月が昇り始めていた。空を見ると1番星があった。俺はエンジンを入れてからバイクを飛ばした。
藍鷺町をまっすぐ行くはずだったが、俺はなぜかあの思い出の丘に向かっていた。
思い出の丘―――時雨と出逢った、あの思い出の丘。

気が付いたらバイクから降りて丘の上に立っていた。前に広がるのは小さな街の明かりと森林の山だった。
あの頃から全く変わらない、同じ景色だった。
俺は丘の上に腰を下ろした。そして寝転んで、目を閉じてみる。
耳を澄ませば海の静かな音、そして思い出す時雨の声。
『ジャクソン、お前の名前はこれからジャクソンだかんな!!』そう言った時雨の声がよみがえってくる。だんだん声と共に顔も思い浮かんできた。
紫音とほとんど瓜二つのような顔をしていた時雨。性格はなんとなく違ったけど、紫音と時雨はよく似ている。
死に際に笑った顔を思い出した。
薬で痩せこけ、ボロボロになりながらも変わらない笑顔を最後に見せた時雨の顔。

『・・・・・ジャクソン、俺はお前と――――』

これが最期の言葉だった。何を…言おうとしたんだよ、時雨。

ゆっくりと目を開けると紅葉の葉がちらちらと風で舞っていた。
いい加減帰らないと紫音が心配し始める。アイツは心配性だからな。
俺は起き上がり再びバイクにまたがった。エンジン音を響かせて坂を下っていく。
目指すは、彼女―――時雨の双子の妹の紫音の元へ。


時雨、今伝えたい事があるんだよ。
俺はな、俺は――――――――


   Under the night sky(夜空の下で)
      You are waited for,(貴方を待ちます)
          Through all eternity.(永遠に――)

後書き

さーせん。
最後の英文はおそらく文法的におかしいと思いますが、スルーしてください(・ω・)
温かい目でね、うん、温かい目で。
途中で出てきた『藍鷺町』ってのは紫音たちが住んでる街の名前です。

今回もまた色々出てきましたねぇ。
じゃぁ1話同様、読み方チェックしますか↓↓

****紫音、ジャクソンと同じバンド編****
これでもドラム担当→零王[れお]
そしてドラム→ブラック・スター[ぶらっく・すたー]


バンド編とか作っておきながらバンドメンバーしか出てきてなかったとゆうね。笑
あ、ちょこっと出てきたスプリングちゃんはあれっすよ。
キーボード擬人化さんですから。((あ、スター君もね))
スプリングちゃんはおそらく次回出て…来ないかもww←
でも近々出てくるのでお楽しみに〜(^ω^´)/

この小説について

タイトル 【寄り道】
初版 2010年10月15日
改訂 2010年11月3日
小説ID 4083
閲覧数 1061
合計★ 5
亞華羽の写真
ぬし
作家名 ★亞華羽
作家ID 687
投稿数 17
★の数 14
活動度 2678
自由気ままな、亞華羽[Ageha]です(`・ω・´)v
気分屋なんで不定期です。
よろしくお願いします。

コメント (9)

★アクアビット 2010年10月16日 7時26分33秒
時雨の、最期の言葉が気になります。
次回でもいつでも、きっと必ず書いてくださいねっ!
★亞華羽 コメントのみ 2010年10月16日 17時52分14秒
コメントありがとうございます(・ω・´)v

時雨君の気になりますかwwうふふふふ←
最期の言葉はいつ解明されるんですかね…笑

この話は絶対途中で終わらせたくないのです。
今まではいつもいつも中途半端で終わってたんですけど、今回のは絶対終わらせたくないですね。
この話に結構かけてるんですよw←
今まで書いた中では結構自信作…というか…笑
下手なのは承知なんですけどねw

これからも、こんな作者とジャクソン・紫音たちのことをよろしくお願いします(・`エ´・)
つばめ 2010年10月16日 22時07分27秒
はじめまして。お初にお目にかかります放浪鳥です。
擬人化ということでどういった感じで擬人化をされるのだろうかと思いながら読んでいたところ、珍しい擬人化の仕方をされているので新鮮でした。
そのキーボートなどに感情(心)がある、というわけではなく、そのキーボードそのものが人間になり行動をするという、初めて見ます。
さらに面白いんですよこの場面を想像した時が。キーボードなどを擬人化というものが。
そしてストーリー、これはこの寄り道というもののみを読んだだけなのでなんとも言えない場所が多いのですが、この一編だけでも時雨という人などの人間と感情を持ったモノたちという関係がわかりやすく、しゅるしゅるしゅると引っ張り込まれた感があり良かったです。

では、今後も頑張ってください。
★亞華羽 コメントのみ 2010年10月17日 18時12分39秒
>>放浪鳥さん
こちらこそ初めまして(・ω・)亞華羽[あげは]と申します←
…こんな堅苦しいのはこれくらいにして…笑
読んでいただいただけでありがたいのに、コメントまでありがとうございます!!
嬉しい限りですね、はい。笑
たくさんお褒めの言葉、もったいないぐらいですよ←
擬人化、ここで書いてる人は少ないみたいですね。私も初めてで、
私の中の『擬人化』として書いているので他と違う点、沢山あると思うんですよね。
でも、他と違うからこそ楽しんでいただけるってのはいいことですよね。
他と同じような擬人化じゃぁ楽しくないじゃないですか←

あははw擬人化がそんなにウケるとは思ってなかったので、本当に嬉しいですね。
家で暇があったらここの登場人物たちのイラスト書いて遊んでますね←
ただ今、これから出てくる子達しか書いてないですけれどww
時雨君はこの話の中では結構キーマン的存在なので楽しみにしていて下さい。

こんな素人の私ですが、今度ともジャクソン・紫音たちをよろしくお願いします!!
弓射り 2010年10月31日 0時50分25秒
中途半端な英語は、あれだ、うん、大人になってから自分で自分を許せなくなるので・・・やめといたほうがいいです・・・

前作を読んだときも思ったのですが、楽器を擬人化する意味はなんなんでしょう。試みとしては面白くても、本質が他の擬人化と変わりないのなら、オリジナリティがあるとは言いがたいわけで。

楽器なりの思ってることなんかが作中に出てくるとぐっと雰囲気以上の説得力が出るのでは、と思います。
余談ですが、僕のテレキャスはきっと「さっさと弦を張り替えろボケ」と言ってると思います・・・(笑
★亞華羽 コメントのみ 2010年10月31日 11時06分02秒
>>弓射りさん
コメントありがとうございます(・ω・)
そうですね…中途半端な英語は辞めておきますorz
私、頭あまり良くないんですy((ry
ホント、変な試みをしてしまった…!!

楽器を擬人化する意味…ですか。
そうですねぇ話すと長くなるのですが、よろしいでしょうか?
私、ちょっとしたことがあって家で1人で居る事が多いんです。
(まぁそこはあえて個人的なものなので伏せておきますが)
なので楽器を弾いてる時が多いんですね。
部活とかで楽器を見ていて「この楽器はどんなこと思ってるんだろう?」
「あの楽器楽しそうだな(←単なる思い込みw)」とか思うことが多いんです。
そういう思いがだんだん大きくなっていって、小説にしてみたらどうだろうか…となりまして。

多分…話し相手が欲しかったからだと思います、今考えてみると。さびしかったのかな…。
ジャクソン(ギター)が人だったらどんなに楽しいんだろう。
ジャクソンと会話しながら弾いてるとどんな感じなんだろう。
そういった想像(妄想)から来たのがこの擬人化の話です。
こんな未熟者だし、相手の思ってる事を考えるのも下手だし、情景下手っていうのは自分が1番分かってます。
改善すべき点はまだまだあるんですが、自分の思った事をそのまま書けるようにしたいですね。


って、結局何が言いたいかって話ですよね。
楽器擬人化の意味はそんな感じの理由からきてます←

これから擬人化らしくする予定なので頑張ります(・ω・)
あははw私のジャクソンもそんなことを言ってる気がしますね←

こんな変な理由で作った話ですが、読んでくれてとてもありがたいです。
これからも改善すべき点は改善していきたいと思うので、
ジャクソン・紫音たちをよろしくお願いします(・`エ´・)
★流魂 レム コメントのみ 2010年11月3日 11時09分25秒
入り口に大きくあったのはカップラーメンつめ放題――――

……と、いう所が個人的に少し気になりました。
勿論、意味は通じるので問題はないのかも知れないのですけれども、“大きくあった”という表現に少し違和感が……。
大きくあった……細かい点を指摘してしまうと”何が大きいの??”って事になってしまうので。
なので、“入り口に目立つように置かれていたのは”とか、“入り口に目玉商品として陳列されていたのは”とか表現を変えるのが好ましいかと。

……まぁ、まったくもってストーリーとはかけ離れた部分の指摘で申し訳ないのですが。o几
その次の“一瞬立ち止まりやろうとしてしまった。”
も、真ん中に句読点があった方がと思ったのでつい……(汗)
★亞華羽 コメントのみ 2010年11月3日 20時45分16秒
>>流魂レム さん
コメント、ありがとうございます(・ω・)
全然私、気づかなかったですorz
なるほど…!そのような改善が出来るんですね←
意味が通じるだけでは全然ダメですね。うん、ダメだ。

句読点、私苦手なんですよね←
なんか変な所でついて必要な所でついてない…とゆーorz
なんてこった\(^0^)/
小学校からの苦手はやっぱり直らないものですね。
受験関係も近いし、頑張らなくては←

はい、なんだかどうでも良い方向に話が進んでいきそうなので…
ここまでにしときます(´д`)...
細かい所でも気になった所があれば、すぐに言って頂けたら直しますので。
全然申し訳なくないです←

だんだん下手になっている気がする私ですが、よろしくお願いします(。_。)
★川原晴輝 コメントのみ 2013年4月23日 6時22分49秒
初めてコメントさせていただきます、川原晴輝です。
僕が書いてる小説は駄文ばかりなので、アドバイスも出来ません(おい
ですが、英語はわりかし得意な方なので、そちらの方を。
一文目は良いとして、二文目。受動態ですが、意訳されすぎでは無いでしょうか?you are waited for. よりは I will wait you.でも。
三文目は、難しく考えずに、foreverで良いのでは?
中二が出過ぎた真似ですね、すいません。
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