BLUE SAVE FORCE - 第四話 ヒーロー

Blue save force 第四話

ヒーロー


「待っててくれっていうから、待ってたんだぞ…」
ポールスミスのデザインブランドのイテミテーションウォッチから目を離しながら、口をとがらせて、すっかり親しくなった ナエ に文句を言う。
「ちわっ…♪」
「ダレッ…?」
ナエは少し不機嫌だ、どうもナエの友達らしい。

「名前は…?」
「ゆっ。悠」
「あはははっあはははっ…」
ナエはどこか悠を見下げている感じで笑い飛ばす。ナエと一緒に待ち合わせのクラスターモールのシネマタウンにやってきた女の子は少し純真そうだった。だからよけい初対面では緊張する…。

「イコ…イコッ」
「あっああ…」
「ぼうや、顔真っ赤。真っ赤。ダンが見たらきっとまたバカにされっぞ…」
「あのなっ…」

「いいから…いいから」


映画に誘われたのは表向きだった、結局、きょうのスケジュールの予定するところは両手に花のデートではなく、大切な商談と契約に関することについてだった。

ナエの連れてきた女の子は、第一印象では悠には同年齢ぐらいに見えた、しかし、コメディの90分作品を見終えて、場所をマックに変えてくつろいでいるとき、メガネを外して、その鋭い眼光が、まさか女の子にありかなと…?、感じていると、急に様相を変えて書類をバックから出して、悠に直視してこう切り出した。


「一か月の契約料金は10000ドルです…」

赤いチェックのシャツが似合わないくらいの濃い話だ。
「あの…名前まだお聞きしていませんでしたよね…」
「ミリって呼んでください」
「あははっあははっ、ファーストネームで呼んだからって彼女候補だと誤解しないこったね…あははっ」
ミリの横の美人は性格が悪い、はっきり言って中身はタイプではない
ミリって娘はメガネをかけていたほうが清純っぽいがいちいち言うわけにもいかない。

「日本円に直すと、ええっと為替ではっと…」
「ご不満ですか…?」
「ええええっーこーこー生が稼ぐわけこんなに…?」

「でっ。あの機体のコードのIDとパスワードは後日ご自宅にメールで送りますので」


「ちょっちまって、いったい何するわけ、あのノーパソまがいのリモコンと、ぶっそうな戦闘機で…」
「あれにはコクピットはついていません、生命の安全は保障します」
「それはわかっているよ」
「あれで迎撃してください、プローブを」
「プローブ…?」
「ウェイマーライトのことはご存知ですね」
「うんっ…あっ。はいっ」
「あははっ緊張、緊張、かわいいねぇ、あんた体格いいけど、童顔だからっ、女からなめられるよ」
「うるさいっ…」
本当に正確悪い、最悪だ…。
「プローブ一機撃墜したデータを確認次第100万ドルの報酬が加算されます」
「………」
「ほんとにもらっていいのか、そんな大金。確かに俺がやるから俺の仕事だ。でも、でもさ…俺夢に見てたんだよヒーローになれるならって…地球を救うためだって、なんかからかってるのか…?。確かに、ウェイマーライトって宇宙から飛来してくる鉱石の裏に何らかの宇宙存在があるって聞かされた時驚いて怖かったよ。でもさ、俺、なんかそんなんでいいのかなって思うんだ。俺がやらなくっても国とか国連軍がやればいいんじゃないかって思うけどな…」
「青の党の使命です、世界中から戦士はスカウトしています。何度も言いますが、ウェイマーライトに免疫を持っている人以外には扱えないのです、あのリモコンのウェイマーライトの半導基盤のメカは…。」
「そっちのナエから聞いたよ、昔入院した時のデータの血液データで僕にその免疫があるってこと、そして、今はまだ、影響は出ていないけれど、ウェイマーライトによってハイスペック化したエレクトロニクスが世界中に拡がっていった日本製の切り札の電化製品が今後、人類に、とてつもなく巨大な脅威として形を現すってことも…でもさ、あんたたちが極秘裏にやらなくっても、アメリカや中国が何とかしてくれるんじゃないのか…?」

「ウェイマーライトを破棄するのならば…それもありでしょう…しかし、私たちの目標はウェイマーライトの活用による技術進化です、ウェイマーライトを介して人類に悪影響を及ぼすであろう根源物である、宇宙からの脅威である存在の破壊と、そのあとに続く脅威のない効率性の高い電子回路に飛躍的に高効率をもたらすウェイマーライトの本格導入と、よりウェイマーライトの多く発掘できる手段の確保に私たちは見通しを立てています。」


「ねぇ ミリ…さん…地球に及ぶ脅威って一体」
「そのことは、あまり、ダンには言わないようにしてよね」
その時のナエの表情は、悠の知っているどのナエの今までのナエとは違った、悲しみのこもったものだった。





彩はいつも黒っぽい服装で決めている、それが彩のスタイルだ。彩の美貌なら、モデルの仕事だけで食っていける、しかし、彩は奇妙な男性たちと一晩を共にすることも最近では多くなった。都内の有名劇団のスポンサーなどの初老の男たちだ…。
都内より少し外れた、このあたりの界隈では、目立って、彩の密会が公になることはない、煉瓦で舗装された街路に面した、アパレルショップの並ぶストリートの背後より、彩の足取りをこっそりつけるかのように、黒のベンツが近寄ってきた。
「お待たせしたね…」
「あっ、初めまして」
「初めましてというより、とりあえず、よろしくかな」
彩を助手席に乗せたナイスミドルの紳士は、足早に箱根方面に向けて車を飛ばした。

「今度の、風と共に去りぬの主役は君に決定したよ…」
「ありがとうございます…」
「ところで…」
「はいっ…?」
「君には弟さんがいるのかね…?」
「えっ。ええっ」
「彼のことを教えてはくれまいか…」
「なぜです」
「いや、別に…」
沈黙がしばらく続いた…トンネルをいくつも潜り抜ける。辺りは夜景と化している
夕刻の富士がオレンジに染まっているのが前方から近づいてくる。
富士へと続くハイウェイはまるで吊り橋を走行しているかのように不安定で現実感がない

「反抗期にしちゃ遅いかな…でも、てがかかるんです」
「悪い子なんだな…」
「別にそういうわけじゃ…」
「ただ…」
「ただ…?」
「その子は危険分子だ」
「何のこと…?」
「国際組織、テロすら行いかねない青の党が彼に接触している。
青の党は、ネオ日本軍の技術媒体と癒着が激しくてね」
「あの子はまだ学生です…そんなことって」
「最近、彼の羽振りが極端によくなったりしていないかな」
「それは…。」
「…」
「…」




ウェイマーっていう存在って一体なんなんだ…。
そういった疑問を心の隅から払えないまま、悠は宇宙戦闘機をノートパソコンで遠隔操縦して、身分に不釣り合いな大金を手にしている。
ウェイマーは生命体ではない…ウェイマーはエレクトロニクス体だ…しかも地球外の…
ウェイマーの本体は地球に接近しつつある。どこか遠くの文明によって創り出され、ある意志を持ち、そして、何らかの脅威を地球にもたらそうとしていた。


ロッテリアでハンバーガーセットで夕食を済ませると、誰もいないマンションの最上階へと帰宅する。ポストに入っていた書類は約束通りだ。そして姉のいないことを確認してノートパソコンのリモコンを起動させる。
宇宙戦闘機操縦ソフトウェアが立ち上がる、悠のIDとパスワードを入力する。
たくさんの計器類が17インチの画面いっぱいに表示される。
モニタに映った地球の映像は、宇宙戦闘機の先端のカメラの拾っている映像だ、

なめらかな女性のアナウンスがリモコンから響く。

「ハロー、マイスター、タダイマヨリ、ウェイマープローブのタンサクとゲイゲキのパトロール開始しています…」

暗黒の宇宙空間を映しているモニタが赤く光る
アラートが鳴る
「ハロー、マイスター、ゲツメンノ 接近ヒコウモードにウツリマス」
クレーターがめまいがするような速度で上から下へとモニタをなめていく…

「ケイカイ…ケイカイ…プローブのセッキン、」
「プローブの数は?」緊張した悠の声はもし姉がリビングにいたら聞こえてしまうぐらいだ。
「二機」
「ようし」
Zキーとエンターを押してミサイルランチャーを起動する。
スペースキーを三度叩く
三基のミサイルが発射される…
そのうち一基がアダムスキー型UFOをスリムにしたかのようなプローブに直撃
爆発する。
モニタの映像が乱れる…
一時的に映像が途切れて再び地球を映し出す。
「もう一機は…?」
「ハロー、マイスター、ゲツメンノ裏側に移動しています。追撃はまたの機会に…」
「わかったよ…」

これはゲームなんかじゃない
ネットゲームにまるでまったく区別がつかないが
完全に宇宙戦争だ、宇宙戦争やってんだな…俺って。俺ってヒーロー」
「ゆっほーい」
近くの自販機までコーラ買に出かける
悠は武器をノートパソコンに持ち替えた宇宙戦士だ…

翌日、電話が鳴る、
「こちら、国際為替バンク、そちらの銀行口座に1000万円振り込みます、前回の指定口座で間違いございませんか…?」
「うんっいいよ…」

ヒーローになりたい。
誰にも言えないけれど
実は、俺は地球を守って闘っている。

クラスで一番のお金持ちは俺だ…しかも…宇宙戦闘機のマイスターだ。
昨夜の宇宙迎撃の疲れからかつい一時間目の授業からうとうとしてしまう
先生は悠の耳をつねる
遅刻してあくびしながらの大きな口をあけてナエが教室に入ってくる。
先生に絞られている悠を軽蔑したような視線で流す
悠はつくづく思う
「最悪だ、性格は、あの女は…いったい何様だ…?。ミリちゃんを少しは見習え…この性格ブスっ。ったく…」

後書き

少し明るく、

この小説について

タイトル 第四話 ヒーロー
初版 2012年3月1日
改訂 2012年3月1日
小説ID 4362
閲覧数 913
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エーテルの写真
ぬし
作家名 ★エーテル
作家ID 179
投稿数 38
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活動度 6746

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