The Wizard world - オープニング 陽気な白幼女(神)に異世界に飛ばされた。

空を見上げる。粉雪のような桜の花びらが舞っている。
地面に視線を落とす。舞い降りた粉雪があたりを覆い尽くしている。
後ろを振り返る。点々と足跡が続いていて自分の真下で止まっている。
前を向く。白い霧が宙に浮いている。
...?なぜだ?今は5月。もう息が白くなるような季節ではない。では何故?
するとその白い霧は徐々に形を作っていく。
それは、小学生ほどのちいさな女の子になった。
髪を腰まで伸ばし、ワンピースを着た純白の幼女は、しばらく俺を見つめたあと、口を開いた。
「貴方が影崎仁(かげざきじん)ね。あなたに少し頼みがあるのよ。」
...ッ!いかんいかん。いきなりのことで思考がフリーズしてた。無理もない。いきなり真っ白の女の子が現れた上、自分の名前を知っているのだから。

とりあえず状況を整理しよう。自分は、白い幼女(以下白幼女)の言うとおり、影崎仁。今は中学一年だ。今日は土曜日。剣道部の部活動が終わり、帰路についたところだ。なので、片手に竹刀袋に入った木刀と愛用の胴張先細型竹刀を持ち、片手には、防具一式をもっている。そして、帰路の途中の桜の木の下を通り、今に至る。というか、この白幼女はなんなのか?髪は腰まで伸ばしているし、全身真っ白なのに、目だけは燃えるような赤。意味がわからない。そんな俺の視線に気づいたのか、白幼女は怪訝な目を俺に向けた。
「なに、私が可愛いから見とれちゃった?」
...イラッ

「ちょっおま、しまって!謝るから木刀をしまって!」
...チッ
「いくら私が可愛いからって襲いかk「うるさい。」すいませんでした。」
「ところで、お前は一体なんなんだ?見た所ここら辺の人間じゃないようだし。」
「あぁ自己紹介がまだだったわね。私は主に空間を司っている神、ハクヨウよ。よろしく。」
な、何ぃ!?ハクヨウだとぉ!?
「もしかしてハクヨウって白幼って書くのか?」
すると急に白幼女は黙った。肩が少し震えている。
「...う」
「う?」
「うわぁぁぁぁぁん!!!!」
急に白幼女は大量の涙(しろいもやもや)をまき散らしながら空の彼方へと消えて行った。
「んなわけあるかぁ!」
これはノリツッコミなのか?
すると白幼女は一つ咳をして真剣な顔に戻った。
「は、話を戻すわね。私は地球やもうひとつの世界、インフィニティのバランスを保つ仕事をしているの。これは誤ると世界が消滅したりするから重大な仕事なのよ?といってもここ数千年は特にこれといった問題はないから暇なんだけどね。ところが、つい10年くらい前に地球にとても大きなエネルギーが生まれたの。それは成人男性10億人でも敵わないくらいの量で、放っておけば数日で世界が消滅するほどに。私は急いでそのエネルギーの出処を探したわ。大きな隕石でもぶつかったのだと思い、探したけど見当たらないの。それもそのはず、ひとりの人間から出ていたのだから。」
ん?なんか厨二心をくすぐる単語が出てきたな。
「つまり、その人間をインフィニティに送らないと世界が消滅してしまうということよ。」
なるほど。つまり、シーソーの両側に五人・五人数乗っていなきゃいけないところを二人・八人にしてしまったから、八人の方の三人を二人の方に移さなければならない、ということか。
「なるほど。ならそいつを早く送ってやれ。」
「...誰だか知りたい?」
俺の知り合いか誰かか?...まさか!
「それはお前だッ!影崎仁ッ!!」
ビシッとポーズを決めながら白幼女はそう言い放った。
「そんなことだろうと思ったよッ!!」
「おねがいだよぉインフィニティに行ってくれないかなぁ。」
「なんかキモいな。」
薄笑いを浮かべながら馴れ馴れしく肩に置かれた手を払いながら俺はそう言った。
「というか、世界を守るためとは言え、人を誘拐しても大丈夫なのか?」
「それは神の力(権力)を使って、存在自体をなかったことにすればいいのさ!」
コイツ笑顔で何言ってんだ。完全な職権乱用じゃねぇか。
「うーん。どぅしよ。」
「大丈夫だって!そこは魔王がいて魔物がいて魔法がある世界だよ!しかも今ならもれなく地球での10億人分のエネルギーをプレゼントするよ!お買い得だよ!?
しばし考える。
少し楽しそうだし、この世に未練はない。いっそ行ってみようか。
「よし、行こう。」
「おぉ、行ってくれるか!なら早速送るぞ!詳しい情報は自分で調べてもらうけど、餞別にそっちの金と食料を渡しておくよ。
それじゃ、いってらっしゃい〜  二度と戻れないけど(ボソッ」






ちょおま、それって...

こうして影崎仁の人生は唐突に幕を閉じた。

後書き

初めてです。いろいろダメな部分もある筈なので、
指摘していただけるとありがたいです

この小説について

タイトル オープニング 陽気な白幼女(神)に異世界に飛ばされた。
初版 2013年2月26日
改訂 2013年2月26日
小説ID 4465
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駆け出し
作家名 ★cape
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