セカイの始まり - 友と共にセカイへ

次の日−ここでは、西暦1813年1月8日、まぁゲームの中の日付だが−の朝、俺はひかりに叩き起こされた。
[ちょっとぉーー。いつまで寝てんのぉ? 朝ごはんが無くなるよ?]
[ああ、分かったよぉ起きりゃ良いんだろ、起きりゃ。]俺はそう言ってベッドから降り、いい臭いがする方向へと歩を進めた。そこには、旨そうな朝食が山のように積まれていた。肉の類いのが入ったスープ、何かの動物のゆで卵、そして、おにぎり。
[私、早起きして作ったんだ。食べて感想聞かせてよ。]と言うや否や、俺はおにぎりを両手にもち、かぶりついていた。このおにぎりには、それぞれ違う具材が入っていたらしく、口の中でほろりとしたかと思えば、様々な味が飛び込んできた。
[旨えぇ!!! ]
[はは、ありがとさん。元気チャージ出来た?]
[出来た出来た。]このあと狩りにでる予定なので、たっぷり食べておく事にした。およそ20分後、皿はまるで食事が存在した形跡もなく真っ白になった。
[ささ、狩りにでるよぉ。今日は1日で250匹がノルマね。]
[あぁ。って、えぇえええーー!!!]大体半日で250匹だから、一時間で20匹程度、3分に一匹のペース。わりと優しいノルマだと気付いた時には数秒間の百面相をした後だった。

早速フィールドに出て、目標となるモンスターを探す···必要もなかった。そこらじゅうにわんさか居たのだ。攻撃的モンスターでは無いので初心者の俺でも狩れるとの配慮からだろう。すると、背中から、いや後ろからひかりの声が聞こえた。
[近接武器は剣を振るだけだから大体できるよ。必殺技的な扱いでスキルってのがあるけどね。]スキルってなんだ? 久しぶりに俺はセリを呼び出すことにした。
[おい、セリ。]
[何ですか?haruno君?]
[スキルってどうやって出すんだ?]
[上級者は意識するだけで発動するそうですが、初級者はその名前を叫ぶと発動します。魔法と同じように考えてください。]細かい説明をありがとう、セリ。続いて俺はひかりに質問をぶつけた。
[なあ、ひかり。初心者でも使えるスキルってあんのか?]
[基本的に攻撃力を短時間upさせるだけだから大してつかわないよぉ。じゃ、実践あるのみと言うことで、狩るぞぉー、おぉーー!]

武器を振り回すだけって本当だったのか。体力の割と多いモンスター、ベルセル。熊がモチーフとなったようで、恐ろしい。攻撃が自分に本当に迫ってくるので、最初はなかなか手も出なかったが、攻撃パターンが単純だったのと、武器を一周期振り回し、ギリギリ残ったベルセルのHPをひかりの攻撃魔法できっちり削りきるので、俺たちはどうにか晩までに250ものベルセルを狩った。その夜の晩ーー。

[なあ、ひかり。本当に近接武器は振り回すだけなのか? ひょっとしたら、何かあるのか? なんかもっとすげぇ必殺技みたいなの。]
[まあ、あるにはあるんだけど···]ひかりは口籠った口調になる。
[けど?···なんだよ。]俺は出来る限り恐る恐る聞いてみた。
[対人専用なの。武器スキルは。さっきセリ、だっけ? が言ってたように、魔法みたいなの。武器の攻撃力が跳ね上がるし、エフェクトがでてカッコいいんだよ。]
[ふーん。俺も使えるのか?]
[初級スキルならね。単発技ばっかだけど。練習しといた方がいいよ。だって、春人もヨーロッパ制覇をしなきゃいけないんでしょ。]
[わかった。やってみる。]
その晩から朝まで、俺はマナポイントを溜めつつ武器スキルを練習した。まぁしかし、色々なバリエーションがあるものだ。垂直斬りのスターレム、水平斬りのスリーノ、全方位範囲攻撃のエクフェンスなど、計4個のスキルを各100回ずつ練習し、気づいたらもう朝だった。樹にもたれかかったら、いきなり肩に暖かい感触が伝わってきた。
[ずっと見てたのか···。]見ると、ひかりがくぅくぅと寝息をたてている。寝てる姿も可愛いな···なんて浮かれた事を考えたのもつかの間、パチッと音がする位の勢いで目を開いた。そこには俺の顔があったので、当然ながら、
[何やってんのよ、春人ぉぉぉおお!!!!]ばちーんという音と共に、俺の片頬が赤く腫れた。
[ほら春人、武器スキルの練習するよ。2ヶ月後には代表大会があるんだよ。]代表大会? よくわからないので、セリに説明をしてもらうことにした。
[セリ、代表大会ってなんだ?]涼しげな表情でセリは答えた。
[このフェルゼの代表を決めます。要はこの国のリーダーを決めます。この国の繁栄も衰退もリーダーにかかっています。トーナメント戦で優勝が条件です。二人でパーティーとして出場することも可能です。]
[そうと分かったらやるしかねぇな。よし、やるぞひかり!]
[一緒に頑張ろうね。]一緒に、なんて久し振りに聞いた気がする。
元々集団で行動するのが嫌いだったので、いつも教室で一人本を読んでいた。そんなときに声をかけたのがこいつ、ひかりと、もう一人−フラれたやつの名前は思い出したくもないが−吉川雛だった 。ひかりとは正反対のおしとやかと言う言葉が似合う少女だ。その顔は見ただけで周りを惹き付け、虜にする。無論俺もその一人となり、鮮やかに玉砕された。
ただ、ここに来てからまだ一日やそこらしか経っていないのに、もう何ヵ月もいるかのようだった。ひかりと居ると自然と落ち着く。いつでも背中についてきて、時には俺を引っ張ってくれる。そんな風に感じた。しかし俺はこの思いはこのゲームをクリアするまでは伝えないことにしている。ちゃんと現実と向き合うため−ほんとはフラれた時のトラウマがな残っているため−に。だから俺は一歩一歩歩き続け、一つずつ強くなっていく。
このセカイをおわらせるため。
そして、ひかりに想いを伝えるため。

後書き

やっと恋愛と呼べる要素が少しだけ出てきました。
話の流れなんてあったもんじゃありませんが、あたたかく見守って、厳しいコメントを沢山下さると嬉しいです。
それでは、三話をお楽しみに。

この小説について

タイトル 友と共にセカイへ
初版 2013年4月10日
改訂 2013年4月10日
小説ID 4485
閲覧数 847
合計★ 3
川原晴輝の写真
ぬし
作家名 ★川原晴輝
作家ID 812
投稿数 7
★の数 17
活動度 2195
川原晴輝、中二やってます。AKBの渡辺麻友とラノベと読者さんのコメントが大好きです。どうかコメントは甘口で宜しくお願いします。

コメント (3)

★川原晴輝 コメントのみ 2013年4月11日 6時04分51秒
誰かコメントお願いします。
辛口から甘口まで何でもokなのでどんどん書いてください
お願いします。
★丘 圭介 2013年4月11日 17時11分54秒
こんにちは。短期間での投稿すばらしいと思います。初めての方は途中でやる気をなくしてしまい、作品を丸投げにする方が多いので、この点ではとてもよいと思います。

では感想。
今回は内容的にはいうことはありません。つなぎのような感じに思えましたので。
ですので、今回は表現の面に注目してみました。

――旨そうな朝食が山のように積まれていた。
この表現は少し違和感を感じました。山のように積まれていたというよりも素直に

――旨そうな朝食が並べられていた。
でいいと思います。その後の文章にに料理が大量にあることをうまく表現したらよいと思います。

あとは大丈夫だと思いますが、ベルセルとの対戦の描写をもう少し丁寧に書けることができたら、より一層読者をひきつけることができるだろうと感じます。

偉そうに語ってしまいましたが、以上です。
いよいよ次から盛り上がってきそうですね。楽しみにしています。

★川原晴輝 コメントのみ 2013年4月11日 20時19分02秒
コメントありがとうございます。丘圭介さんのコメントには、画面の向こうで頷きっぱなしです。
楽しみに読んで頂き本当にありがとうございます。
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