心の乱れとは - 心の乱れとは〜第20乱〜


今日は平和だった。
どのくらい平和だったかというと、壁に向かってボールを投げてキャッチ練習をしていたら予想外な方向に跳ね返ったボールが顔面に直撃して気絶し、意識を取り戻した後その壁に乱闘をしかけ、フルパワーで頭突きをかまして再度気絶したがその際の衝撃で雑念がはらわれて悟りを開いてしまうくらい平和だった。
今日もどんぶらこどんぶらこと家路につき、夕食の食材を冷蔵庫に入れるのもそこそこに留守番電話をチェックする。
──1件。
再生ボタンを押してみる。
『レンコンってハイリスクハイリターンだよね』
やはり彼女からだった。

──レンコン?

一体、蓮の地下茎に何があるというのだろうか。よくわからないが、まずは、冷静に考えてみることにしよう。
例えば、レンコンにあってバスガイドにないもの。といえば、輪切りにして酢に漬けておくと五目ちらしに最適という事だ。もっとも、酢に漬けておくと五目ちらしに最適なバスガイドがいないとは断定できないので(試すことが不可能な為)、この点は一概に『レンコン特有の事象』と言えず、よって彼女の意図とはたぶんに違うのだろう。
彼女はハイリスクハイリターンと言っているが、これはよく株投機などに聞かれる言葉だ。
小豆相場というのもある(詐欺商売の代名詞だが)。同様にレンコン相場というのもあるのだろうか。
だがああいうのはかなりの元手が要るのというのが相場だ。まさに相場だ。
彼女も一学生の身。そういうものに手を出すない資金はないだろう、とするとこの説は除外した方が良さそうだ。
レンコン──レンコンにある特徴、といえば穴があいている事か。
常々、自分はレンコンの穴が大きくなり続けるとそのうちレンコンが消滅するのではないかと危惧をしている。レンコンは自らの手でこの世に存在していたという証を残さないが為、穴をひろげて消えてゆくのではないか、と。
これを人間側の視点からみるとハイリスク、であろう。特に栽培している方々にとっては勝手に消えてくれるなトンチキめ、と思っているに違いない。
リターン部分に関してはほどよく穴が空いていればカラシレンコン等の穴があるからこそできる和の趣をもつ品として活躍できるというところが最も有力だ。
これでハイリスクハイリターンは説明できた。
レンコンとはこんなにも諸刃の剣的な植物かと改めて知ることができて満足だ。
この事に気付かせてくれた彼女にも感謝せねばなるまい。
アーメン(感謝)。



今日も平和だった。
きっと明日も平和に分類できる日になるだろう。



後書き

鰐皮を使った後書きは禁止なのですが、鰐皮を使わなければ完成しない後書きなので書けません。

この小説について

タイトル 心の乱れとは〜第20乱〜
初版 2002年11月12日
改訂 2002年11月12日
小説ID 455
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作家名 ★ビビンバ吉田
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