オリジナルONE - オリジナルONE プロローグ

プロローグ オリジナル ONE



世界の終りを見てきた者がいると信じていた。
 スプレンダーといった稼業も、さほど悪くはないと思っていた。

 彼らの、行く末を思うと、
 また、世界自体が終局に向かっているということ。

 全部リアリティを感じれることとは思えなかった。

 それでも、世界から毎日、多量の空気が流出して宇宙空間に無意味に消え去っていることを思うと、もう少し自分の行く末について真剣に考えてもいいのではと思ってしまう。

 全ては無意味に、秩序なく、ただ存在している…
 そういった疑念は捨て去れない。


それでも世界は終りに向かっている。


スプレンダーの介入する必要などなく。


 今想うのは、マヤ のこと…
 彼女のシルエットが脳裏に焼き付いている。
 それだけを支えに行き居ているわけではないが、

 それでも、俺に冷静さを与えてくれる。

 正常な思考がまだ残っているなら、マヤの言っていた、世界の果てをこの目に見てみたい。
 そこでは、希望もあり、
 まだ、明日といった概念が存在する。


 マヤの奏でていた、弦楽器は、まだ、島の端の部屋に置いてある。

 それで、夕刻時、まだ世界に温かさが残っていて、まだ、世界の落日をなんとなく感慨深く楽しんでいたころは、心の癒しとして、その音色は響いていた。

 脳裏に浮かぶ、マヤの表情は、それでも苦悩をたたえたものばかりだったが、
 それでも、俺の中には、まだ冷静さはあった。

 マヤはスプレンダーといった立場の稼業をひどく否定的に捉えていた。

 世界の終焉と引き換えに、限られた人たちの未来をかき集める。
そんな、身勝手で、そして人類の抱えてる悪しき習慣をただなぞっいているだけの、
 そんな立場を酷く嫌っていた。


一年の最終日、
宇宙都市へのチケットが、分け与えられる、
それによって、生きながらえていく人たちが選出される。

それでも、世界から大気が流出して、世界は確実に終焉に向かっているというのに。
私たち人類のかかえてしまった業を思うと、
ただ、そのことが、俺とマヤとの間に悲しき繋がりをただそれだけを残して、大して思いだしても仕方のない記憶として、時に俺を苦しめていたのだ。


…西暦2020年12月29日
アリゾナ州の直径の大きさの小惑星がインド洋に衝突した…

…人類は自分たちの主目的とした宇宙脱出計画をその時からスタートさせた。
世界中の混乱はまともに世界は機能していなかったこともあって、当初秩序と治安は混乱して世界の終焉は近いとさえ思えた。

そんな頃、月面コロニーへの移住を前提としたメンバーズエリートとされる、教育課程にあさったマスターチルドレンとも呼ぶべき、限られた選ばれし新市民が、世界の中で特別安全とされる、地下都市、アルファ11での先住市民権を獲得して、そこで生活を始めることとなっていく。
俺はそこで、マヤ、レムナーと知り合って、彼女と交際を始めた。
素朴とは程遠く、物事に折り合いをつけて自由奔放に振る舞っている彼女に違和感を覚えた。
マヤは宇宙考古学を専攻して、この太陽系に存在するとささやかれて、一部世界政府首脳によって管理され、保管されている恒星間宇宙船について興味があったので、マヤにはそういった情報をつかむきっかけとなってくれればと思って期待もしていた。

それでも、ときどきマヤの顔を覗き込んでは、彼女の見せる憂いを含んだ表情は、なんとなくそれ以上に、彼女の隠された過去について詮索をさせ、そして、俺もまた深く罪悪感を持っていた。


俺の素性を誰にも明かさなかったこと、
俺自身が、完全な純粋な人類ではなく、
秘密裏に、前世紀から続けられていた、人類の地球外文明との契約により次なる段階へと進化していてくための手段として宇宙文明から提示された合成DNAによって生成された、特殊クローン人体であるということも、よけい俺の孤独感を強めていった。


…世界は終わろうとしていた…

…人類は次なる段階へと脱皮していく…
…そんな節目に、仕組まれた、世界破滅に、そして、そんな大それ狂言に良心をいためるただ一つのちっぽけな人間として、何もかも、絶望的に思えていた。


世界は終わる…罪だけを次なる段階へと移行しながら…

後書き

次々書いていきます、
よろしくー

この小説について

タイトル オリジナルONE プロローグ
初版 2014年1月6日
改訂 2014年1月6日
小説ID 4554
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エーテルの写真
ぬし
作家名 ★エーテル
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