失恋したから自殺します。

 佐々木裕香は、今から死にます。
 くだらない理由でごめんなさい、つまらなくてごめんなさい。
 それでも、私は死にます。
 経路は簡単です。
 失恋しました、初恋の相手に。
 くだらないですけど、私にとってはとても大事です。
 中学一年生の一学期に、彼を知りました。
 綺麗な顔立ちで、バスケが上手くて、とてもカッコよくて、優しくて、優等生でした。
 そんな彼に、私は始めて恋をしました。
 いつも目で追ってしまい、彼の事が気になり、次第に彼を意識し始めました。
 彼の誕生日、好きな物、嫌いな物、身長、体重、住所、電話番号、メールアドレス、SNSのアカウント、そのパスワード、使っているシャンプー、テストの点数、服の種類、好きな科目、嫌いな科目、友達の数、家族の情報、起きる時間、寝る時間etc……。
 色んな事を、知りました。
 彼の事をもっと知りたい。
 彼ともっと一緒に居たい。
 彼を自分の物にしたい。
 そう思う様になりました。
 そしてある日、彼に声を掛けられました。
 ハンカチを落とした時、拾ってくれたんです。
 運命的瞬間でした。
 今でもハッキリと、私の目に焼きついています。
 そこからもっと、彼に近づきたいと思いました。
 彼の食べ残し、彼の使ったシャーペン、彼の使い捨ての消しゴム、色んな者を、集めました。
 そしてある時、彼のらくがきが書いてある宿題を盗んだ時、彼がとても困った顔をしたんです。
 嗚呼、何て可愛いんだろう。
 そう思いました。
 カッコいいだけじゃなくて、可愛いんだなって。
 そう思いました。
 その顔を、もっと見たいとも思いました。
 その日から、彼が困る事をしました。
 机にゴミを散らかしたり、コンドームやアダルトコミックを机に置いたり、カバンを盗んだり、トイレに閉じ込めたり、靴を盗んだり、ネット上に彼の情報を書き込んでサイトにしたり。
 とても困った顔をしていました。
 その顔が、表情が、声が堪らなくて、可愛くて、私はもっと頑張りました。
 でもある日、彼がそわそわしはじめたんです。
 彼をストーキングしたら、同じ学校の女の子と会っていたんです。
 付き合ったんです、彼とその女の子は。
 許せません。
 許せませんでした。
 私の初恋を、純粋な恋を、初々しい恋を、幸せな恋を邪魔しようとしている。
 あの女の子は、邪魔しようとしているんです。
 それが許せませんでした。
 それを許せませんでした。
 だから、その女の子を追い返そうと思いました。
 悪い噂を流したり、水を上から掛けたり、画鋲をお弁当に入れたり、毛虫を這わせたり、階段から落としたり、制服を破いたり、理科室に一日閉じ込めたり、図書室の本棚を倒したり。
 それでも、彼は女の子を心配しました。
 私は考えました。
 もっと頑張らないと、あいつは追い返せない。
 だから、作戦を立てました。
 女の子を絶望のドン底に落としてやろうと。
 女の子に付け入る為に、仲良くなろうとしました。
 女の子は嬉しそうに、私と仲良くしてきます。
 一緒に教室移動したり、お弁当を食べたり、恋話したり、一人にならない様にしたり、一緒にトイレに行ったり、色々しました。
 その内、私の事を親友と呼ぶ様になりました。
 簡単でした。
 そしてある日、二人で一緒にショッピングに行きました。
 その帰り道、私は女の子に路地裏で待ってる様に釘をさしました。
 ここからが本番です。
 その路地裏に、怪しいお兄さん達を入れて、女の子を誘拐してもらいました。
 誘拐した後、監禁してもらいました。
 いっぱいいっぱい、遊んであげました。
 泣いても叫んでも、気にしませんでした。
 内容は知りませんが、お兄さん達はいっぱいいっぱい、遊んであげたそうです。
 そして2週間後、女の子は死にました。
 腹上死でした。
 死体は邪魔だったので、ネクロフィリアのお兄さんに上げました。
 その3日後、女の子の死体が見つかったと、ニュースで報道されました。
 どうやらお兄さんが、女の子の死体を連れて路上でデートしていた様です。
 そしてお葬式をしました。
 女の子は腐ってしまって、とても可愛そうな状態でした。
 私の初恋を邪魔したのが、間違いだったんです。
 彼は、泣いていました。
 とてもとても、泣いていました。
 何故でしょうか。
 何故なんでしょうか。
 私が好きな彼が、何故あの女の子の為に、こんなにも泣いているのでしょうか。
 許せませんでした。
 彼が、許せませんでした。
 私が好きなのに、彼の事が大好きなのに、初恋しているのに、どうして女の子の為に泣くのでしょうか。
 許せません。
 許せません。
 許せません。
 彼は、私だけを見ていたらいいのに。
 私を見ていたら、いいのに。
 だから彼に、一生私を見る様にしました。
 彼の両親を目の前で殺すのです。
 人を縛るのは、愛ではなく、ルールではなく、純粋なだけの恋でもなく、恐怖なのです。
 だから、恐怖を植えつけてやりました。
 彼は泣いていました。
 恐怖に怯えていました。
 そんな顔も、素敵でした。
 その顔を、もっと私に見せてくれたらいいのに。
 なのに、彼は死にました。
 私から逃げ様として、階段から転げ落ちました。
 可愛そうした。
 私が、可愛そうでした。
 初恋の彼を、奪われてしまったのです。
 もう、生きる意味を失ったのです。
 虚無感。
 虚無感。
 虚無感。
 失恋。
 失恋。
 失恋。
 だから私、死にます。
 佐々木裕香、死にます。
 天国には彼も居るけど、あの女の子も居る。
 守ってあげるんです。
 今からそっちにいって、守ってあげるんです。
 大好きな、彼を。
 私が好きな彼を。
 守ってあげるんです
 。すでんるげあてっ守



 私の初恋の彼の事を。

後書き

自分で書いててもエグいです。
どうしてこうなった。

この小説について

タイトル 失恋したから自殺します。
初版 2015年4月5日
改訂 2015年4月7日
小説ID 4654
閲覧数 14124
合計★ 7
小夢居イアノの写真
常連
作家名 ★小夢居イアノ
作家ID 917
投稿数 8
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活動度 984
チョコチップメロンパンビーム!!

コメント (10)

ほほほ コメントのみ 2015年4月7日 1時23分43秒
読みやすかったです!
一気に読んでしまいました。
私はヤンデレが、よく分からずにいたんですが、これを読んで少しヤンデレがわかりました。
最後のカタカナはないほうがいいなと思ったりもしますが…
★小夢居イアノ コメントのみ 2015年4月7日 9時18分03秒
ほほほ様へ
コメントありがとうございます!!
読みやすいと言われて嬉しい限りです。
カタカナの所は入れようか悩んでおりましたので、修正いたします。
アドバイス、ありがとうございました。
2015年4月9日 22時45分42秒
なんというか、がんばってる割に中途半端な気がします。設定をサイコパスチックにするなら過剰なほどでないと伝わらないし驚けないし、生々しいというにはありふれすぎています。
★小夢居イアノ コメントのみ 2015年4月10日 17時17分38秒
弓様へ
力不足でごめんなさい。
過激な物は消去されるので、出来る限り落ち着かせようとした結果でした。
本当にごめんなさい。
途中で力尽きました。
knightofsilva 2015年4月18日 6時23分58秒
読了後の感想としては、そうですね、弓さんと同じかもしれないです。温い。ぬるい。なんというか、主人公の狂気が伝わって来ない感じがしました。そこら辺をもう少し長尺でというか、描写を丁寧にしたら映えるのではないでしょうか?
あと、1文ずつ段落を変えるのは、賛否が分かれますが、私はあまり好きではありません。
★小夢居イアノ コメントのみ 2015年4月18日 18時28分21秒
knightofsilva様へ。
力不足で本当にごめんなさい。
やっぱり、これ以上やるとさすがに規制的な物が掛かる、と判断しましたので、不快感を覚えてしまったらもうしわけございません。
本当に、ごめんなさい。
霜月天 2015年4月19日 17時26分08秒
私は恋愛等に疎くてよくわからない所があったのですが、恋をしてみて、失恋してみての部分が勉強になりました。

これからも頑張ってください!
★小夢居イアノ コメントのみ 2015年4月23日 17時37分35秒
霜月天様へ
ありがとうございます!
これからも、頑張ります。
バルドル コメントのみ 2015年8月15日 15時06分45秒
萌えた
★小夢居イアノ コメントのみ 2015年8月23日 19時43分25秒
バルドル様へ
貴方とは美味しいお酒が飲めそうです。
コメントあちがとうございました。
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