カノジョに












いずこの業界様におかれましてもご同様なご景色などお嗜みあそばさ
れておいでの事と存じますが少々振返らせてなど頂きますに当業界の ,
左様でございますね , 幾分の照れ臭さと申しますなど伴います言葉
ではございますが , その , 仲間達 , もまたご多分と申しますに
漏れなど致します事違わずの些かの苦難など , その様なものなど
時に歓び時に哀しみと申しますなどと共にその背に負いつなど
嗜みましておりました様に存じます .








本日はお日柄も宜しく絶好のお詫日和かと存じます .

この度の波風 , 愛娘愛妻には勿論でございますが謹みまして皆様に
お詫申上げます .



然ります後に , これだけは .


不肖この私の口から申しますなどはおこがましき事とは存じますものの
穏やかまた人畜無害などと評されますに枚挙の暇なしの ,
その様な不肖私ではございますがこれだけは .

──これだけは少々声など大に致しまして──中位とて申し分など
一切ございませんが詰まります所お耳になど届きます様に──
申上げたく存じます .

少々世俗的とも申せましょうきらいなどもごさいます単語など
用いさせては頂きましたがその言葉──



「──カノジョになどおなりあそばして──」



に一点の偽りもなしと .




その部分の真偽に付きましてはともあれ , 波風と申上げましたが
恥ずかしながらネットにては連日の様に不肖私に付きましてのお話など
取り沙汰されております様でございます .

ご存知の様にその論調と申しますは , その , 下○ , でございますとか ,
その , ○ズ , 等と申します調子でございまして面目次第もございません ,
いえ , 謹みましてお詫申上げます .


些か名など売れ過ぎております不肖私があの様な行動をとは
明るみにも或いは時間の問題と仰います向きもございましょう .

全く仰しゃいます通りでございますものの恐縮ながらその辺りの経緯に
付きましても追々お話させて頂きますをお赦し願えましたら幸いでは
ございます , が , 何より愛娘は元より特に愛妻にはご近所様の手前
体裁の宜しくない思いなどさせましょう , 家庭の事情など詳らかにとは
些か品など欠きましょうが敢て申上げますと , 大変恐縮ながら ,
少々 , 些か , 値など張ります贈物なりにて容赦など願います所でございます .

尚こちらも少々この声の大きさなど気に留めさせて頂きつつ ,
念には念をとの言葉もございますので恥ずかしながら申上げますが ,
愛妻は不肖私などには些かなりとも勿体無き大変魅力的な更には
才色兼備の伴侶でございます .

この期に及びましてお惚気などと失礼を致しました .



さてその事も大切でございますが , 不肖私自身にも関わって参ります心残り
と申しましょうか我ながら一種いたたまれませんのは , その , ○ズ , との
ご批判など賜りますは単純に不肖私の不徳の致します所でございますので
謹みまして真摯に受止めさせて頂く , そこまでは結構でございますが──
などと申しましては少々居丈高のきらいなどもございましょうがご容赦願いつつ
──その先 , 件の元カノジョ様とそのお仲間様の間にて正にその種の ,
その , 誹りと申しますの集いなど謹まれつつもやや小規模ならず繰り広げ
あそばされましたでございましょうその際の , 不肖私に付きましての
お仲間様の , その , 或いは罵○雑言とも申せましょうそれに伴いましての ,
何と申しましょうか些か艶めきました空気と申しますの醸成──
不肖私の元カノジョ様がそのご頬など朱に染めつつの形ばかりのご相槌など ,
そしてそれにお気付きになられましたお仲間の女性様も一瞬の間の後に
やはりその麗しかりましょうご頬など薔薇とお染めあそばされおわします──
など望ませて頂きますは到底叶わぬ状況でございましたその場のご様子など
──艶やかさのお話など申上げておりますので或いは凄惨極まりなき
大空襲的また大津波的はたまた放○能汚染とまでは参りませずとも
何とやらインパクトなどと申します隕石衝突その様な状況でございましたと
致しましょうとも勝手ながらそれはそれとさせて頂きとう存じますが──
嫌が応にもありありと伝わりまして参ります点でございます .

オトコの端くれと致しましては些かうな垂れさせて頂きたい所では
ございますが , しかし元はと申しますと , 私の不徳と申しましょうか ,
甲斐性と申しますに纏りますあれこれなどと申しましょうか
──生活費云々の甲斐性の点に付きましては些かなりとも人様並にとは
自負などさせて頂いておりますが──
左様でございますね , つまりは器など不足致しておりますに因ります所で
ございます .

それなど棚に上げましてカノジョ様の艶やかなご態度など期待致しますとは
いやこれはわたくしと致しました事がとんだご無礼など申しました .




カノジョ様 , もとい元カノジョ様のお話など少々 .



その手の未練話などとは女々しきの筆頭なりとの誹りと申しますも
ございましょう事は重々承知致しておりますがどうぞお手柔らかに .


カノジョ様は , やはり愛妻同様に不肖私の , 巷間にてはタイプなどと
申します様でございますが , お美しい女性でございました .


当業界にてのお話でございますのでカノジョ様がご才能に恵まれて
おられましたかがまずは肝要との向きもございましょう .

勿論と申しましょうか通常は , 大変僭越ではございますが ,
当方よりお声などかけさせて頂きます際にはまずそのご才能と申しますに
些かなりともこの関心など謹みまして払わせて頂いておりますが
──更なるご批判など賜りましょう , 恥ずかしながらご美貌以外に
目など配らせて頂きます余裕などは持合せますに至ります事叶わず──
恐縮ながらこの件は一まず置かせて頂きとう存じます .

自慢の愛妻の美貌魅力のお話に続きまして女性のご美貌のお話に
些か終始致し過ぎますきらいなどはやはり少々品など欠きましょうし ,
虎と申しますの威など拝借致します何とやらとの誹りなども賜り
ましょうが , 申訳ございません , どうしても , 些かの無理など
通させて頂きますを以ちましても , 重ね重ねの自慢など嗜ませて
頂かざりますを得ずと申します所でございます .



左様でございますか , ではカノジョ様のご美貌に付きましても
一まず置かせて頂きますが , さてこの業界にての出会いで
ございますのでそちらのお話も .




いずこの業界様におかれましてもご同様なご景色などお嗜みあそばさ
れておいでの事と存じますが少々振返らせてなど頂きますに当業界の ,
左様でございますね , 幾分の照れ臭さと申しますなど伴います言葉
ではございますが , その , 仲間達 , もまたご多分と申しますに
漏れなど致します事違わずの些かの苦難など , その様なものなど
時に歓び時に哀しみと申しますなどと共にその背に負いつなど
嗜みましておりました様に存じます .

少々赤裸々のきらいなどございますお話となりましょうか ,
不肖私も絵描きの端くれとは申せましょうがそうした次元とは趣など異に
致しまして , 類稀な , 左様でございますね , オリンピック級とでも申し
ましょうか , とにかくこの眼など見張りませんばかりのご才能などお携え
になりながら , 単にお仕事の過酷さばかりでなく , それはもう , 通例など
との比較など成立致しましょう筈もございません途方もなき集中力
──お名前など引合にとは僭越ながらあの名高い A 監督などは描き続け
られましての気絶など嗜まれますもしばしばの学生時代などお送り
あそばされました様に伺っております──など残念ながら裏目にとの
過酷な相乗効果 , 漫画家様の痛々しき玉手などお写真にても御覧
あそばされますご機会など時にはございましょう , 自戒など込めさせて
頂きながら申しませばやはり絵など嗜みますにも節度と申しますは
弁えたきもの , 漫画家様のみならず野球選手様テニス選手様同様に
腕の故障など抱えてしまいますに至りまして活躍の機会もござい
ませんも同然のまま些かなりとも悲壮感など伴いましてのご引退 ,
その様な , その , 仲間などと申しましては馴合いとの誹りなども
賜りましょうが , 同僚 , と申しますを , あろう事でございましょうか
幾人も幾人もこの目になど致して参りました .

彼ら天才様が活躍の場など得ておりましたらアニメーションの歴史など
A 監督さながらに書換えますも──
勿論脚本などの乗越えますべき課題と申しますは多々ございますものの
──それ程の困難を伴いますお話では
ございませんでした . かなり控え目に申しましても今頃当業界は
益々の隆盛など誇っておりましたものと .


とは申しましても , 耳目など集めましょうポジションと申しますに華々しく
との際は兎も角と致しまして , 時と致しまして業界の片隅になど
いみじくも迷込みあそばされひっそりとお咲きおわします能力者様を ,
いや超能力者様を , 守り育てなど嗜ませて頂こう , ましてや業界深部への
ルートなど提供させて頂こうとは不肖私にとりましてはおこがましき事 .

何と申しましょうか , 赤の他人様 , をとはやはり簡単には参りませんが ,
せめてカノジョ様には , その , コネとも申せません様なコネなど
ささやかに取次がせて頂く程度の事でございます .



或いはその様に致します事は , 業界発展との意味におきましてではござい
ますが , 先に申上げました引退など余儀なくされましたご天才の方々の ,
仇討ちと申しますと少々趣など異に致しましょうが ,
謹みまして弔わせて頂きます事 , この吹曝しの荒野にてお骨など拾わせて
頂きます事ともなりましょうし , よしんば業界発展促進など叶いませば
再びの少々赤裸々な物言いではございますが , 薄給になどあえぎます ,
その , 社畜などと蔑まれますナカマの割合の増加など些かなりとも
免れます余地など生じつつの剰え減少なども夢ならずとなりましょう .




只その , 何と申しましょうか不肖私の視界に入ります範囲にては ,
一種の珍現象などとも申せましょうか , 大変有難い事ではございますが ,
何故か揃いも揃いましてお美しい女性ばかりがお集いおわします現象
など観測させて頂いております .

その様に相成りまして , 我ながら些か呆れなど禁じ得ませんものの ,
やはりお美しい女性など眼前にさせて頂いてしまいますと ,
オトコと申しますは文字通り無力でございますし , 業界の伝手など
辿らせて頂きまして些かなりとも口などきいて差上げますは最早
半ば義務と申しますものでございましょう .




さて通例でございましたらそれで済みますお話ともなり得ましょうが ,
その , 不肖私の場合 , 更に情けないお話ではございますが , その ,
お美しさに呑込まれてしまいましてその場にての記憶も朧げなら
その後も一種上の空との醜態など嗜ませて頂いておりまして , 漸く今
改めまして思い返させて頂きますなど叶いますに一つ確かと申せますは ,
有得ないお話とのお叱りなども賜りましょう , 日々お目にかかりながら
知らぬ間に些か淡かりし , その , 恋心など患わせて頂いておりますもの
とばかり思っておりましたが , 例外なく毎回その場にて ,
その , 一目惚れなど嗜ませて頂いております様でございまして ,
その上更にでございますが , お仕事のお打合せなどさせて頂きますに ,
その , とある条件など申し出させて頂いております様でございます .

即ち ,

「但し大変僭越ながら , 不肖私のカノジョになどおなりあそばして
頂けましたら , でございますが」

などと .




不肖この私の口から申しますなどはおこがましき事とは存じますものの
慎ましやかなどと評されますに枚挙の暇なしの , その様な不肖私では
ございますが , 実際の所を申しますと , 譲らせて頂きます事が叶い
ません部分を譲らせて頂く訳には参らずとの , この場合単に意地などの
お話とは些か趣など異に致しまして , 左様でございますね ,
一種がめつさなどこの心の奥から消し去ります事叶わずの未熟者で
ございますなど白状申上げねばなりません .

蛇足ながら , 或いは業界裏話とも映りましょうが , 不肖私が
その様な一種がめつさなどと無縁の人間でございますと致しましても ,
やはり高価な条件など呈示させて頂きません事にはご存知の通り
関係各所様にご迷惑をおかけ致しますばかりかひいては業界全体の価値
と申しますをその根底から揺がしますにも至りかねず ,
その点の力不足などもお詫申上げねばなりません .

また老婆心などとは申しませんが , やや物騒にも聞こえましょうか
稿料未払などと申しますも日常茶飯事と申しますよりも何と申します事で
ございましょうか未払が基本とすら申上げざるを得ません未だ発展途上の
この業界に目出度きお船出など嗜まれませばもしや万一報酬管理はたまた
お取引のお心構えと申しますも全くの無駄とまでは申せぬ事態も或いは
ございましょうか . 尚不肖私ごときがお側にお仕えさせて頂きまして
お守り申上げようなどとはおこがましきに留まらず笑止の類と申し
ますものでございます──重々承知の念の為 .



細かい事を申しました .

カノジョ云々とのお話に戻らせて頂きとう存じますが ,
特に募集なり切望なりさせて頂いております訳ではございませんものの
大仰な言葉ではございますが一種憂○○士などと申しますはやはり
頼もしく有難きものでございまして , 万一幸運にも , ナカマ , ならず ,
真正面から仲間と致しまして扱わせて頂きましても差障りのござい
ません女性と申しますがやはりいみじくもおなりおわしました際には──
運命の女性 ( ひと ) などと申しますと世の中にては恋人なりを差します様で
ございますが , この場合は , 運命の仲間 , などと申します様な位置付けと
申しますに相成りましょうか , 左様でございますね , 言わば戦友とでも
申しましょうか──不躾また大変僭越ながらその様に , 運命の仲間 ,
と致しまして謹みまして迎えさせて頂きますも全くなしとは致しません .


左様でございますね , 一種只ならぬ様相の下にて , との条件付ながら ,


「カノジョにはなれませんがその代わり先輩方の仇を一緒に討たせて下さい .
仇は討てないかも知れませんが一緒にお骨を拾わせて下さい .
私には絵に関するそれだけの才覚はありませんが
先輩方を微力ながら支えさせて頂く事はできます」


などとまるで当業界にて話題などさらいますどちらかの物語の登場人物
でございますかの様に仰います方がおなりあそばされました際など──
そしてその方が特別の輝きなど放ちます何かをお持ちあそばされます場合
──にはお一人様程度でございましたら或いは特別に .

その場合には結果的にオトモダチ様以上カノジョ様未満のご存在と
なって頂く事となりましょうか , カノジョ様扱いよりは扱いと申しますの
所謂ランクなど相当下がってしまいますはご容赦願わねばなりません .

更には , 例え絶世の美女様相手と申しましても , あいにくでは
ございますが先程申上げました言わば業界裏話等々様々な事情も
ございますので , 傍目にはナカマ扱いにすら達せぬ態度などとらせて
頂かざるを得ません場合も少なからず , いや , 多々ございましょう .



左様でございますね , こうして威勢の宜しい事など申上げてはおりますが ,
ご賢察の通りでございます . この瞼と申しますを安らかに厳粛に閉鎖閉塞
など致しましてそのお姿などこの視界より放逐など致しますを成功裡に
嗜ませて頂いております間は或いは宜しいと致しましても一端お姿など
見入らせて頂きましたが最後 , お美しさになど呑まれてしまいませば ,
オトコでございますを免罪符になどは決して , 金輪際致しませんが ,
俗な申上げ様ではございますものの , その , 汚らわしいと申しましょうか ,
所謂 , その , イヤラシイ妄想など口走りますなど嗜みません様に
必死で集中──不肖私なりに──させて頂きますのみでございまして ,
仲間云々と頭など巡らせます余裕など望めますや否や ,
やはり我ながら情けない限りでございます .



只 , 先にも申上げましたがこれだけは .

──これだけは少々声など大に致しまして──中位とて申し分など
一切ございませんが詰まります所お耳になど届きます様に──
申上げたく存じます .

少々世俗的とも申せましょうきらいなどもごさいます単語など
用いさせては頂きましたがその言葉──



「──カノジョになどおなりあそばして──」



に一点の偽りもなしと .




真正面から , カノジョ様 , ならず , 恋人様と申しますなど叶いましたら ,
いわんや手に手など取合いまして共に齢など重ねますなどとは──
先に少々触れさせて頂きました通り不肖私妻子など養わせて頂いて
おります身ではございますが , しかしそれなど根拠に用いまして一つの恋
と申しますを邪険になど致しますは男の端くれと致しまして決して許され
ざりますものと──例え麗しきお姿など眼前に致しましてそのお美しさと
申しますをこの眼になど焼付けさせて頂かせておりますその間のみのお話
ではございましても , どれ程願います所でございましょうか .


しかしながらその様な大それました事は妻子の有無などとは無関係の ,
やはり先にも申上げました通り , 不肖私の , そもそもの甲斐性と申しますに
纏りますあれこれなどと申しましょうか──生活費云々の甲斐性の点に付き
ましては些かなりとも人様並にとは自負などさせて頂いておりますが──
左様でございますね , つまりは器など不足致しております点からは
望ませて頂きますべくもございません .


常々心になど留めさせて頂いております事ではございますが ,
人間一人と申しますが成し得ますは微々たる事のみに限られますとは
どなた様のお言葉でございましたか , いわんや不肖私などは到底立派な
人間などとは申上げられましょう筈もございませんしまた僭越ながら
当業界にての有形無形の──特に無形の──愛すべきおシゴトなど
単に持合せておりますに留まらずそれらは幸なりや不幸なりや
やや大仰に申しませば天文学的規模にて山積など致しております .

カノジョ様方お一人様お一人様と申しますを真正面から恋人様と致し
まして幸福など以ちまして包ませて頂きますなどは──
神社様の神様には願いなど言わば突付けさせて頂きますならず決意なり
を報告申上げるものとも伺いますが勝手ながらさて置かせて頂きまして
──ご神仏様になど謹みまして祈らせて頂きます際のお願い事になど
させて頂きますが精一杯 , 実際の所 , それが精一杯でございます .


その様な , 上辺のみのカノジョ様扱いとでも申しましょうか , 傍目には
上辺すら満足に整っておりません様にも映りましょう扱いと申しますは
女性の皆様にしてみられれば望みます所とは申せません事では
ございましょう , 重ね重ねお詫申上げます所でございます .
しかしながらそうかと申しまして不肖私などに恋人風など吹かされ
ましてはかえってご迷惑──その様な場面など想像致しますに唯々
不憫 , お労しさなど単に禁じ得ずに留まらず──と申しますもので
ございましょうし , 万一ではございますが不肖私への情など光栄にも
お抱きあそばされまして , 更には例え周囲と申しますに波風こそ免れ
ましてもやはり万一お互い燃上がってしまいますに至りまして
お骨拾いと申しますが疎かに , とは単刀直入に申しまして甚だしき
本末転倒 , 本末転倒その筆頭と申しますに相応しき見本とのご栄誉など
──不肖私などがその名など残させて頂けましょう筈などございません
が , 本末転倒その比類なき好例と申します文脈にては──
或いは未来永劫に亘りまして授かり或いは保持など致し続けさせて
頂きます惨たらしい有様ともなりましょう .


しかしながらここまで申上げておきながら大変恐縮ではございますが
我ながらその様な心配と申しますは杞憂の最たりますもの , 或いは
カノジョ様方への , その , 愛などと申しますを大前提に語らせて頂いて
おります様にも映りましょうが , 申上げにくい事ではございますが
恐縮ながらその様なご認識などは言葉など少々よろしくはございませんが
さて端的に誤解と申しますものでございます .


只百歩譲らせて頂きまして仮にではございますがカノジョ様方お一人様
お一人様と申しますをおこがましくも愛しますなどさせて頂いており
ますものと致しませば , その様な出過ぎました想いなど決して悟られずの
上辺のみのカノジョ様扱い , との程度が按配など大変に宜しかりましょう
落し所と申しますに疑いの余地など微塵もございましょうか ,
とは申せましょう .


再びのお惚気などご容赦賜りとう存じますが世の中と申しますには説得力
との言葉などもございますものの不肖私全くの愛妻一筋でございますし ,
蛇足も甚だしき事ながら , 決して開直りまして申上げます訳ではござい
ませんが確かに眼前の美女様にこの心など操られますを繰返させて頂いて
おります事からもお分かりでございましょうか , ご賢察の通りやはり
確かに不肖私少々気の少なからざります所など完全な絶無とは参らず ,
一夫多妻の地域などこの地球には些かなりともございますなどと
伺いませば人様並みには羨望など嗜ませて頂きも致しますし同時に
やはり人様並には少々胸など躍りますを覚えさせて頂きも致します
──その際は或いは傍からご覧になられればこの眼の輝きなど隠し遂せずの
恥晒しなど謹みまして演じさせて頂いておりましょうか──
が先に触れさせて頂きました通りこの度の一連のお話と申しますは
あくまで熱し易くも冷め易き類のお話でございますので ,
カノジョ様方お一人様お一人様と申しますを , 愛して , おりますなどは
決して有得ぬお話でございまして , 再三申上げております通りでは
ございますが男と致しましての不肖私の不甲斐なさの ,
自慢になどなりましょう筈もございませんがやはり繰返し申上げて
おります通りご美貌など眼前に致しました際の──些かなりとも後など
引かせては頂いておりますとは申せど──手短に申しませば一種その場
のみにての , 左様でございますね , 言わば不覚にも泥酔など嗜ませて頂き
ました際の , 何と申しましょうか一時的な心神喪失などと申します類の
──お話でございます .
従いまして大変恐縮ながら決して愛などと高尚なお話ではございません .

甚だしき蛇足のついでなどと申しましては更なるお叱りなど賜りましょうか ,
やはりあくまでも , 仮に , のお話ながら , カノジョ様方お一人様お一人様
と申しますに傍目にはどうあれ僭越の極みと知りつつも大切に思わせて
頂きましてこの上なき愛情など注がせて頂いております場合 , その様な ,
あくまでも仮にではございますが , その様な際にも , 残念ながら先に
申上げました範囲など越えさせて頂きますと申しますには至らずと
なりましょう . 即ち , その様な際に不肖私などが致して差上げられますは ,
左様でございますね , 何と申しましょうか , その , 大変失礼とは存じ
ますが , 忘れじのお姿形の思い出など手短に且つ可及的克明にしたため
──これなどは仮に実行になど移させて頂きました際には或いは少々 ,
その , 偏執的とのご批判も賜りましょうが──つつ , 左から右へ
──右から左へでございましても申し分など決してございませんが
詰まります所は川と申しますがその流れなどを嗜みます様に──
それら一つ一つの愛また同時に恋と申しますを , 眩き未来ございます
この愛しますべき業界に時に激しからずまた時に静かからずのその水面
など一種凛々しさ一種華やかさと共に湛えつの , 大いなる川の ,
果てしなき海原の , その流れになどやはり大変僭越とは存じますものの
一人の職人様と見込ませて頂きつつ謹みまして乗せて差上げまして ,
遂には時に厳かからず時に軽やかからず流れ流れまして行きますを ,
徐々に遠ざかりまして行きますを , その見目麗しきお姿など小さく
──はやて凩にしつむじだし等色とりどりに吹抜けますにお誂向きたり
ましょう新たな一角その敷地造成も今ややや , 少々恙なき , 不肖この私の
心と申します或いはその中だけに束の間おられました幻影なりや──
なりまして行きますを , そして最早この眼と申しますの出させて頂き
ます幕などに非ずに至りますを , 万感の想いなど込めさせて頂きつ ,
只 , 只見送らせて頂きますを以ちまして , この砂漠の賑わい喧騒や蜃気楼か
しかし尚ここ静寂の中にございましてお一人様お一人様の残り香と申し
ますのその薄らぎまして行きます記憶の陽炎など時にからくも反芻させて
頂きながら , 麹と申しますのその浄きの儚くも頼もしきに支えらるなど
一雫毎に噛締めさせて頂きますに少々掲げなど致しつの
──さて陽炎と共に歩まん或いはよもや透しのこの──盃など暫し些か
眺みますなど謹みまして嗜ませて頂きますのみ只それのみでございます .











 

この小説について

タイトル カノジョに
初版 2015年5月3日
改訂 2015年10月3日
小説ID 4666
閲覧数 375
合計★ 0
yseの写真
駆け出し
作家名 ★yse
作家ID 936
投稿数 2
★の数 3
活動度 391
ライト or ヘビー

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