世界終了チャイム - 世界終了チャイム*3*

「…………と、僕はこんな夢を見たんだ」
僕らは集まると、真っ先に夢の話をした。なんと、みんなおなじ夢を見ていたらしい。ただ、それはすべて声だけで、実態のない夢だが。
「なにか、引っ掛かる…?」
「私たちの記憶とか?」
「でもこんなことした覚えはないよ?」
夢について語っていると、サラさんが部屋に入ってくる。
「君たち、なんの話をしていたのかね。」
「夢のはなしです。」
「へえ、それはいい。是非聞かせてくれ。」
僕らは一度顔を見合わせたあと、エミを中心として話し出した。
「……それで、みんなおなじ夢を見たんです。」
「へえ、で、それがなんなんだ?」
「え、なにって夢の話をしただけで、これで終わりです。」
「そうか、では今日のチームミーティングをはじめてもいいか?」
「は、はい。」
一瞬なにが起こったかすらわからなくなるくらいにさらっとながされた。僕らは顔を見合わせた。サラさんはいままで僕らのはなしをどんなのでも一生懸命に考えて話してくれる人だったのに。いったい今日にかぎって何があったというのだろう。
「諸君!!」
やっぱり、いつもより機嫌が悪い。
それにしてもなんだったのだろう。
「.......だからまず、世界終了のことを調べ尽くせ!」
「ひ、ひゃいっ」
「どうした、そんなに驚かなくてもいいじゃないか。なあみんな。」
「はい、以後気を付けます…」
僕は赤面して言った。考え事をしているといつもこうだ。こういうことがあるたびに、やっぱり人の話はきちんと聞くべきだなあ、と思うんだ。チームミーティングが終わったあとに集まると、やはりみんな口々にサラさんの対応についてかたっていた。そして、結論としては僕らだけで対処することにした。
「きになるけど取り敢えず、サラさんにいわれた[世界終了のことを調べ尽くす]って課題をやらなきゃじゃない?」
優等生なレノがそう言うとナツとリオからは不満の声が上がったが、なんだかんだ言いつつサラさんから出された課題だ、やらないわけにはいかない。
「じゃあ、手分けしてやろう。」
「そうだね、トオ。じゃあ女子はみんなで世界終了の阻止方法について詳しく見てみる。」
「じゃあ僕らは世界終了そのものをしらべるよ。どんな過程をへて世界終了を起こすのか、そんなことも。」
「ちょっとトオー、もっと面白いことやろうぜ?」
「はい、ナツは黙ってて?」
ナツとエミのその会話が面白いことなんだよとは、言わないでおく。
僕らはまず、なんの思考もなくただ「世界終了」と検索した。輪廻の専用パソコンは特殊なプログラミングがされているので、ふつうに使う検索機能とは違う。詳細検索ができる。僕らが「世界終了」を検索するときもテレビや新聞、ネットニュースなど報道機関系を除外で検索した。
「あっ!!!」
男子3人で上げた奇声は、思ったより大きかったようだ。隣の部屋で作業をしていたエミとレノが入ってきた。
「なに、どうかしたの?」
シャドウという集団のホームページが表示される。そこには、女王の命令で世界終了を目指すと、それだけが記されていた。女王はサリスト・ラージェという人だという。その正体は極秘項目らしい。とある社長の秘書だという噂や銀行員のパートだという噂。主婦だという噂。だが女王、ということもあり、性別だけは確定事項らしい。
とりあえずメモにシャドウ、と書き込む。シャドウについての記述はこれだけではないはずだ。今度はシャドウに絞って調べる。
ただ、シャドウも非力な敵ではないので、「シャドウ」とだけ入力しても、さっきのホームページさえも出なかった。「世界終了」で出たのなら「シャドウ」で出てくれたって構わないじゃないかとおもったが、そちらにも都合があるのだろうな、などと陳腐なことを考えていた。それから、今日見た夢と「世界終了」をどうにか結びつけようとした結果、脱線し、僕はとある過去に想いを馳せていた。


それは、もう戻らないと知った過去。届かないと知った思い。叶わないと知った願い。それでも伸ばした僕の手が、脳裏に焼き付いて。

一言も、何も言えずに。たどり着いた最古の記憶を撫でるように。愛でるように。

そう、全て僕が悪い。僕のせいで。



愛した貴女さえも、失う結果を招いたんだ。

後書き

遅くなり、申し訳ありませんでした。
今回も、少ししかストーリーが進んでおりませんが、すみません。
もしも少しでも楽しみにしていてくれた方がいたなら、嬉しい限りです。

この小説について

タイトル 世界終了チャイム*3*
初版 2016年6月14日
改訂 2016年6月18日
小説ID 4799
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ポンダンの写真
駆け出し
作家名 ★ポンダン
作家ID 1011
投稿数 4
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活動度 441

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