過ぎ去りし日々の代償

・・・どうして、こんなことに・・・

あんなに楽しかった日々。
朝、日が昇るとともに、仲間とともに、冒険に出かけ、切磋琢磨し、技を競い合い・・・
ただひたすら前を見て、後ろは振り返らず、目標に向かって走り続けた日々。
あの頃は、何もかもが輝いていた。終わりなんて考えられないほどに。

時には衝突もあった。子供じみたつまらないことで言いあい、攻略に行くまで時間がかかることもあった。
しかし、数刻の後には和解し、笑いあい、また共に戦う。
つまらないことは水に流し、雨降って地固まる、という言葉を体現するように、むしろ今までよりも結束は固まっていく。

強い絆で結ばれた俺たちは、破竹の勢いで快進撃を続け、その世界では知らぬものがない有名な冒険者へと昇り詰めていった。
かけがえのない仲間とは、こいつらのことを言うんだな、と。
彼らと出会えた幸運をかみしめ、いつまでもこんな毎日が続くと信じて疑わなかった。
本当に、楽しかった。

時には危ないこともあった。予想だにしない攻撃で大きな傷を負ったり、あと少しでちから尽きるところだったこともあった。
撤退せざるを得ないことも。目的を目の前にし、悔しい思いで引き返したのは一度や二度ではない。

それでも、どんな強敵であれ、何度も挑み、何より、仲間たちと力を合わせることにより、最後には打ち破ってきた。

こいつらと一緒なら、どんな敵も怖くない。
どんな障害も乗り越えられる・・・そう思っていたのに・・・

気がついたらこのざまだ。何もかもが遅すぎた。

何故気づかなかった?何故、もっと早く対策を施せなかった・・・
何度も繰り返される悲劇。そのたびに思う、自分は何をしていたのか、と・・・
そう、俺は・・・











「・・・!現実逃避してないで、さっさと宿題進めろ!」
「算数はお前の担当だろ!!何サボってんだ!!」
「「そうだ、そうだ!!」」

かけがえのない仲間からの、心外な一言。
現実逃避?サボり?・・・そんなことは、ない。断じてない。俺は、ただ原因を究明しようとしているだけだ。
朝日が昇るとともに(朝のラジオ体操に出かけスタンプをもらい)、冒険に出かけ(誰かの家に集まり、ゲームを起動し)、切磋琢磨(キャラのレベル上げを競い合い)し、技(ゲームの技術)を競い合い、ただひたすら前を見て、後ろは振り返らず、目標に向かって走り続けた日々(宿題を意識から追い出し、レベル、アイテム、プレイヤースキル、それぞれの目指すもの、その到達点に向かい過ごした日々)。終わりなんて(夏休み最終日)考えられなかった。

衝突(けんか)をし、すぐに和解(仲直り)し、共に戦って(ゲームの協力プレイで)。その世界(ゲームの中)では知らぬものがない有名な冒険者へと昇り詰めていった(ゲームの進行とともに、ゲーム内での冒険者ランクは上がって行った)。
危ないこと(HPがつきかけたり)があったり、目的(目的のアイテムが眠る場所)から撤退(回復アイテムが切れて補給しに拠点に戻ったり)せざるを得なかったり、強敵(ボスキャラ)に何度も挑み、仲間たちと力を合わせ打ち破った(ステージクリア)。

という夏休みの中でとあるゲームをみんなで攻略していた思い出を振り返り、
その後に訪れた繰り返される悲劇(夏休みの宿題忘れてたこと。それも毎年)について、根本的な解決策を模索しつつ、改善案を組み立てつつ、抜本的な改革をだな・・・

バシッ

「いてっ」
かけがえのない仲間が、俺の頭をはたく。

「だから、さっさと宿題しろって!お前はいつも小難しいこと言って、結局何にもしてねえじゃねえか!!問題解決の方法は、宿題を終わらせる、これだけだ!分かったらさっさと自分の受け持ち終わらせろ!!」
「「「そうだ、そうだ!!」」」
「へいへい」
国語・理科・社会等々他の仲間たちは、自分に割り振られたドリルやら自由研究やら必死に書きなぐり、一分でも早く終わらせようと頑張っている。
仲間たちの鬼気迫る言葉と表情に、仕方なく俺は、算数ドリル23ページを開き・・・
絶望的な戦い(宿題の量)に身を投じるのだった。

今宵も悲劇は繰り返す。
彼らは果たしてその絶望を乗り越えられたのか。
それは夏休み明けに判明するのだった・・・


皆さんも、夏休みの宿題は計画的に終わらせましょう。
彼らのように、過ぎ去りし日々の代償として、悲劇を繰り返すことの無いように・・・

この小説について

タイトル 過ぎ去りし日々の代償
初版 2016年8月27日
改訂 2016年8月27日
小説ID 4809
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teiwazの写真
ぬし
作家名 ★teiwaz
作家ID 1049
投稿数 34
★の数 29
活動度 3463
はじめまして。teiwazといいます。
思いついた作品を思いついたときに投稿しますので、よかったら見てみてください。
これからよろしくお願いします!

尚、小説のタイトルと紹介文は必ずしも小説の内容全てを表しているわけではありませんのでご注意下さい。

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