ドラゴンの流儀 - ドラゴンの流儀その6

第6話 ドラゴンの今

「・・・そんなことがあったのですね・・・」
「ああ」

我はソフィアに、我の過去を話した。
彼女はしばし瞑目し、

「・・・何と言っていいのかわかりませんが・・・」
「いや、構わん。もう終わったことだ」
「そうですか・・・」

我の流儀の一つとして、過去は過去、というものがある。
過去を過度に悔いることなく、今を生きる。
・・・まあ、我の場合、無意識のうちに悔いていたようだがな。
これからは、過去に囚われるのではなく・・・今を生きるとしよう。
無論、忘れる、ということではなく飽くまでそれを受け止めたうえで、だがな。



何か言葉はないかと探したようだが、我の一言で、ソフィアは言えることはないと判断したようだ。

「それにしても、あっさりと解決したな」

我が話題を変えるように呟けば、

「ええ・・・まさかああもあっさりと白状するとは思いませんでした。色々と策を用意していたのですが。フォルツァ様の竜気で心が折れたようですわね。まあ、手間がかからなくて何よりですけど」

そういい、笑みを浮かべるソフィア。

「それで、これからどういたします?」
「そうだな・・・とりあえず、せっかく王都に来たんだ。観光してくかな」
「でしたら、わたくしがご案内しますわ」


―――
「おう、王女様、男連れとは珍しい。恋人かい?」
「違いますわ。王城のご客人をご案内しているのです」
「なるほど、そりゃあ、そうか。王女様と付き合おうなんて奇特な男がそうそう出てくるわけないか、がはは」
「ほっといてくださいまし!!」

ここは王都の屋台街。
行きに見た、様々な種類の食い物屋が並んでいる。
ソフィアは先ほどから屋台の主人たちにかなり親し気に挨拶されている。
中には、先ほどのように仮にも王族相手に、不敬罪で捕まるのでは?という発言も飛び出すが、ソフィア自身は怒ったりするもののそれだけで、特に捕まえたりはしていない。

親しみやすいのか、なめられてるのか・・・
ま、どっちにしろ、かなり気に入られてはいるようである。
他の国ではありえないことだが、この国、この王女に至っては、これが普通らしい。

「フォルツァ様、こちらをどうぞ」
「ん?まんじゅう、か?」

ほかほかと白い湯気をあげる、白い饅頭。
かぶり、と噛みつくと、中からじゅわっと肉汁があふれ出す。

「ふむ、塩気もちょうどいいし、美味いな」
「こちら、ニクマンと言いまして、他にも中にたっぷりとアンコが詰まったアンマン、チーズなどが入ったピザマンというものもありますの」
「ほう、面白いな。少し眠ってる間に、本当に食文化が進化したものだな」

その後も様々な屋台を見て回り、王都を満喫していった。

―――

「ふう、食った食った」
「わたくしも、ちょっと食べ過ぎてしまいました」

ちょっと、か。この細身の体のどこに入るのか、というぐらいの量を食っていた気がするが・・・何であれだけ食って太らんのだろうな?

「?どうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
「?」

さて、食うもんも食ったし・・・あ、そうだ。

「そういえば・・・この王都には、ライトノベルは置いてあるのか?」
「書の賢者様が残したものですね、写本は本屋で売っておりますし、宝物庫には何冊か原本がありますが、御覧になりますか?」
「いいのか?」
「ええ、救国の始祖竜であるフォルツァ様なら簡単に許可が下りると思いますわ」
「そうか、なら、見せてもらおうか」
「お任せください!!」

―――
「へー、いろんな種類があるんだな」

そこには、


料理スキルで異世界夢想

異世界図鑑

グルメな魔獣

経済用語講座?<トレードオフ編>

居酒屋を異世界で開いてみた

とある子供の日記と一般的な(町民とあんまり変わらない)衛兵の独り言

まずは食い物、次に飯

月間 転生者


などなど、色々な本が置かれていた。
ぱらぱらと流し読みしてみる。

面白いものもあれば、なんとなく自分には合わないな、と感じるもの。
続きが気になるものもあれば、ちょっと飽きが来るもの。
作者もジャンルもバラバラであったが、なんとなく、その選び方で人間性が見えてくる気がした。

「何か気にいる物はありましたか?」
「ん?ああ、結構面白いな、ライトノベル。何冊か借りていきたいくらいだ」
「原本は宝物なので無理ですが、写本でしたら差し上げられますよ」
「いいのか?」
「ええ。フォルツァ様には元々この国の成り立ちから大恩をいただいておりますし、先にも宝珠奪還と犯人確保にもご協力いただきましたし」
「ふむ、そもそも我自身のためにしただけだが・・・ま、貰えるものはもらっておこう」

こうして、宝珠に関する一連の事件は、一応の終息をした。
フォルツァは報酬にライトノベルを数冊入手し、しばらくハマって読みまくることになる。

後書き

第一章的なものの終了です。
次は第二章的なものに移ります。

この小説について

タイトル ドラゴンの流儀その6
初版 2016年11月27日
改訂 2016年11月27日
小説ID 4845
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teiwazの写真
ぬし
作家名 ★teiwaz
作家ID 1049
投稿数 29
★の数 22
活動度 2923
はじめまして。teiwazといいます。
思いついた作品を思いついたときに投稿しますので、よかったら見てみてください。
これからよろしくお願いします!

尚、小説のタイトルと紹介文は必ずしも小説の内容全てを表しているわけではありませんのでご注意下さい。

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