家族の日常

川崎大輝
 僕には妻と二人の子供がいる。出会いは彼女の熱烈なアプローチに僕が折れて、彼女と付き合うことになった。子供は彼女のもとにいた子供だが、その子供も彼女の実の子ではないらしい。
 妻の名前は姫香。子供もは二人とも女性で姉は十九歳で名前は琴美という。妹は八歳で名前は明美という。琴美には仕事を手伝ってもらい、明美は小学校に通わせている。姫香は心霊に関する研究をしているらしい。
 ある朝、明美は玄関前でランドセルを背負って泣いてた。姫香がそれに気付いたので明美の話をしていた。
「学校なんて行きたくない」
「そんなこと言わないで学校に行かなきゃダメよ」
「勉強なんてなんの役にも立たないじゃん」
どんな子供でも言いそうな微笑ましい事である。だが、明美は子供の割に大人びていて、あまりわがままを言わない。きっと他に大きな理由があるとしか思えない。
「無視されてるの?」
姫香も気づいたようで質問をしたようだ。
「うん」
明美は涙を流しながら話し始めた。
「学校で誰も話してくれないの。話してくれる子も人の前では話そうとしてくれないから、さみしい」
僕は彼女に何と言っていいのか分からなかったが姫香は分かっていた。
「みんなにアピールしてみ」
その後もいろいろと説得して学校に行かせた。
 明美が学校に行った後、姫香と話をした。
「姫香、明美のこと、おりがとう」
うまく言葉がです言葉がつまった。
「あなたじゃうまく説得できなかったでしょう」
「本当にありがとう」
「あなたも精一杯やってるんだから気にしないで」
 その日、友達ができたと言って喜んで帰って来た。その子はクラスの人気者らしい。さらに今度家に連れて来る約束をしたようだ。明美が家に連れて来る約束をしたのは初めてなので僕にとっても嬉しいことだ。今日はお祝いしようと思う。
 話が急に変わる。自分で言うのも気恥ずかしいが、僕は愛妻家だ。ただ心残りなのは姫香と結婚していないことだ。厳密には妻ではないが、妻と言っても過言ではない。今はいろいろあり結婚できないが、いつかは結婚したいと思っている。
 僕はサプライズを考えた。それは妻に指輪をプレゼントすることだ。仕事を早めに切り上げて今は琴美と一緒に選んでいる。
「どんな指輪が良いのかな」
「気持ちがこもってればどんなのでも良いんじゃない」
「似合ってるのがいいよ」
一時間くらい考えてやっと決めることができた。
「きっと母さんは喜んでくれるよ」
 夕食を食べ終わって家族でテレビを見ている時、僕は勇気を振り絞って姫香に指輪を渡した。姫香は感動のあまり泣いてしまった。嬉しい涙だ。
 次の日、姫香は姿を消していた。今晩はパーティーを開こうと思う。
 ある日、琴美が男を連れてきた。その男は切実で感じのいい人だ。彼のもとに行って琴美が幸せになるのは間違いない。だが何年も一緒に暮らしてきた娘が他の男の元へ行ってしまうと思うと、どうしても許せなかった。
 今日も琴美と言い合っている最中、急に姫香のことを思い出した。彼女は男と琴美が結婚に反対するようなことするだろうか。そう考えると自分のことが、小さな存在に見えてきた。
 何日か考えた結果、琴美の結婚を認めた。その次の日から彼と琴美は同棲を始めた。連絡などはないがきっと幸せに暮らしているだろう。
 今日は明美とパーティーをした。クラスの友達もいる。パーティーでは楽しい雰囲気にする約束だが、明美は泣くだけでご飯を一切食べなかった。
 それから何日もたった。だが、まだ明美は立ちなをれていない。元気がないのは学校でもらしく友達が何度も訪ねてきた。その度にその子に相談してしまう。今もそのことで相談さしてもらっている。
「どうすれば明美に喜んでもらえるだろう」
「お父さんが一番よくわかってるんじゃないですか」
大人が子供に子育てについて相談とは情けないものだと思う。
 明美に元気になって貰うために私は姫香達と出会った場所に連れて行くことにした。
「懐かしいだろ、お前達と初めて会った所だ」
まだ明美は笑顔にはならない。
「少し歩いてみよう」
明美は小さく頷いた。少し歩くと物陰に男の子を見つけた。見た目は明美と同じくらいだ。
「あの子と話してみたらどうだ」
無言で駆け寄っていく明美を見ながら僕は少し安心した。
 二時間後、明美が僕のもとにやって来た。
「お友達ができたよ。昭彦くんって言うんだって」
「そうか、それは良かったな」
明美の頭を撫でようと思ったが、そこに彼女はいなかった。
 すぐに明美の友達に電話した。
「もしもし、伝えたいことがあるんだ」
「どうしました」
「実は、、、実は明美が成仏したんだ」
姫香達との出会いはこの墓地だった。他の人からは気持ち悪るがられるかもしれないが、僕は三人を本気で愛していた。
「そうですか。それは良かったですね」
「そうなんだ。だから今日はパーティーをしようと思う。来てほしいんだ」
答えはすぐに帰って来た。
「参加さしてもらいます」

この小説について

タイトル 家族の日常
初版 2017年1月7日
改訂 2017年1月7日
小説ID 4863
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