【FNAF】貴方に会いに - まだ、ここにいる

すぷとら
ギー・・・ピピッガガ・・・ジャッ・・・ジィー・・・

朝の遊園地の端にある、ヒッソリとしたお化け屋敷は昨日より鳴りを潜めていた。
その頃、町の紙面では、例の火事が新聞を賑わせていた。

【フレディーファズベアーズフライト炎上!配線の老化か】

【呪われたお化け屋敷!開業前に無残な姿に…】

ざわ…ざわ…

「おい、聞いたか?あのお化け屋敷潰れたんだってよ…」

「あぁ…家族食堂時代からのファンだったからなあ…楽しみにしとったんじゃが…」

「でも、あそこって色々ヤバイ噂とか、事故とか事件とか多いだろ…」

「あれだろ?バイトが消えるって奴。生きて戻ってきても、『人形が殺しに来たんだ!』なんて、訳の分からない事を言うらしいし…」

ざわ…ざわ……

放火なのか配線のせいなのかよく分かっていないこの火事で、一応燃え残った部品達は、一部の熱狂的なファンの為に、検事オークションにて売買される事が決定していた。
ある、たった一体の人形を除いて。

(・・・・ここは、どこだ?)
無惨な燃えカスになったお化け屋敷の廊下ー・・・・だった場所で、SpringTrap・・・・通称スプトラは目を覚ました。
いや、元はスプトラではなく、スプボニだった訳だが。
この際それは置いておく。
(何があったんだ…?)
そこで、彼はようやく思い出した。
今週の、夜間警備員の奴が妙に運が良いんだか悪いんだか、仕留めきれず、定時と共に、ここに火を付けて行ったのを。
周りを見ると、あの亡霊も、人形のパーツもほとんど原型を留めて居なかった。
いや、亡霊については、お化け屋敷がなくなった以上、スプトラには確認のしようが無いのだが。
彼ー・・・スプトラは、元人間だった。
誘拐から隠蔽そして殺人まで、会社の黒い仕事をただ淡々とこなしてきていた。
そして、彼は家族食堂の頃から、アクターの指導において、新人育成、夜間警備、エンジニアとしても働いていた。
・・・例えどんなに時給が悪くても。
そんな、彼にも勿論名前がある。
【マイケル・アフトン】
父親からは、マイクと呼ばれて居たが、この際昔人形に自分で付けたあだ名…スプトラで通そうと思っている。

というより、まず、彼の見た目はかなりおぞましいのだ。
片耳が千切れ、足にはほとんど覆いが無く、ほとんどむき出し状態で、生々しい目と飛び出たワイヤーなどが内臓に見えたりもする。
というか、彼自身が中に詰められているので、仕方無いが。
しかし、そんな彼も、火事のせいでより見た目がおぞましく変貌していた。
腹には、より大きな亀裂が入り、片腕の覆いが完全に焼き失せている。
これでは、本当に自身をお化けと言われても仕方ないと改めて思った。

が、起き出して来たのは別に売られるためではない。
むしろ、彼にとって売られる。なんて事は最悪のパターンにしかならない。
父親を探して詰められたり、燃やされたり、ガワにされたり、死んだりしたというのにどこの馬の骨かも分からん奴に愛でられる、なんてシチュエーションだけは避けたいのだ。
元々心根が優しいせいか、どうにも誰かが決めたルールから逃げ出すというのに抵抗がある。
しかし、易々と売られては堪らないと、ヒッソリとその場を離れた。


・・・・どの位、歩いたのか。
人間に見つからない様に下水を歩いているのだが、機械のこの体に、体力なんてのは無いが、前世は人間なので、いつまでも下水を歩いているのは気が滅入る。
すると、2フィート先に身を隠せそうな所を見つけた。
そこを目指し、彼はどんどんと近付いて行った。
しかし、彼にとって、下水にはあまりいい思い出がない。いや、いい思い出があるのもどうかとは思うのだが。
だって、下水は【アイツ】が逃げ込んだー・・・・

「・・・・嘘だろ、おい」

白い仮面に赤い鼻。パーティ帽とイビツな体…
それは、どう見ても彼の天敵でしかない。
「・・・・Ennd」

「やァ」
「こんにちは」
「あ、お兄ちゃん!」
「あら、あなただったのね」
「久しぶりね…」

それぞれ取り込まれた者の中でも、喋れる事のできる、
【ファンタイムフレディ】
【ファンタイムフォクシー】
【リーア・アフトン】
【サーカスベイビー】
【バローラ】
それぞれが話掛けてきた。
こんな事って、あるのだろうか?

思わず、頭を抱える事になってしまったのだった…

この小説について

タイトル まだ、ここにいる
初版 2017年1月15日
改訂 2017年1月15日
小説ID 4869
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