それっぽい言い方講座<政治家編>

「みなさん、こんにちは。それっぽい言い方講座<政治家編>へようこそ!今回の講座では、たった二つのポイントを押さえるだけで、まともな政治家とは一線を画す<胡散臭い政治家>の話し方をそれっぽく言えるようになります!では、よろしくお願いします」
「・・・あの、先生?」
「はい、何でしょう?」
「この講座って・・・需要あるんですか?」
「何言ってるんですか、あるじゃないですか・・・あなた一人という需要が」
「え・・・自分一人だけ、ですか?」
「何言ってるんですか、当たり前じゃないですか。教室に入ったとき、他に人がいないの見ていたでしょう?」
「え?そういえば、そうだったっけ・・・」
「さて、疑問も解けたようですし、早速本題に入りましょう!」
「(・・・あれ?疑問解けたっけ?)」


「まず、第一のポイント。それは、<確約をしないこと>です」
「確約、ですか?」
「はい。例えば例として、『その件につきましては、目下調査中でして近いうちに結果を出す所存であります』と政治家が言ったとします」
「ああ、そんな感じで言うのよく聞きますね」
「ここでポイントとなるのが、〜中とか、近いうちに、とか、所存であります、といった言葉でのらりくらりと質問に答えてる感を出しつつ、<5日まで>といった<確約>をせずあとで追及されたときも、同じような言い方でまだ調査中です、とかいって言質を取らせず、逃げやすい言い方をしているところです」
「なるほど・・・確かに、都合の悪い話するとき、約束せずにうやむやにすることありますもんね」
「ええ、<それは私の管轄ではありません>とかいって責任逃れや責任転嫁することもありますね。さて、もう一つのポイントは、<具体的な内容を言わない>ことです」
「具体的に言わない、ですか?さっきのポイントと似ていますね」
「はい。胡散臭い言い方というのは、確約せず、具体的な内容を言わないという、一種のごまかし、その場しのぎの発言が多いわけです。この二つ目の具体的に言わない、というのは先ほどの確約しないと似ていますがちょっとだけ違います。例を上げると、『目下検討中であるそれらの諸事情については鋭意解決に向けて全力で取り組む所存であおります。様々な困難を排除し、確実に遂行するため少々時間がかかっておりますが確実に前進しております。国民の皆様にはどうかご理解をいただきたく思います』という発言があったとして、これから何が分かると思いますか?」
「これからわかること、ですか?・・・正直なところ、何も具体的なことを言ってないので判断材料がないのですが・・・」
「いえ、それで正解です。そう、それっぽく頑張ってるよ?と言ってるだけであって、その諸事情とは何なのか、困難ってなに?いつまでかかるの?どのくらい力を入れて取り組んでるの?そもそも解決する見通しはあるの?・・・それらのことを具体的には一切言っていないのです。胡散臭い政治家とは、長々と話しながらも、何一つ建設的なことは言っていないことが多いのです。信頼を得られないのも、何やってるか分からないんだから当たり前ですよね。伝える努力をするどころか、後で追及されないようわざと情報を絞ってるくらいなんだから、全く持って度し難い。中にはまともな政治家もいるんでしょうが、こういった<胡散臭い政治家>が悪い意味で目立ってしまい、政治家は信用できない、政府はちゃんと対策してるのか、という話になるわけですね・・・っと話がずれましたが、こう言った言い方を心がけていれば、胡散臭く思われること請け合いです!」


「・・・一つ質問いいですか、先生?」
「はい、何でしょう?」
「胡散臭く思われていいことってあるんですか?」
「ないですね」
「即答・・・じゃ、ここで学んだことって意味ないんじゃあ・・・」
「いえ、意味はあります・・・多分」
「いや、多分て・・・」
「冗談ですよ、冗談。胡散臭く思われたくないならここで学んだ言い方をしないように注意し、逆の言い方をすればいいんです」
「逆、ですか?」
「はい。例えば、『今皆さんが不安に思われている給料が下がるかもしれない、という疑問にお答えしますと、誠に申し訳ないのですが、月500円がカットされることになります。これは、原料費が1tあたり50円高騰し、商品の値上げや電気代などの節減を行ってまいりましたが、不景気で売り上げも低迷したこと、といったことが原因です。皆さんには苦労を掛けますが、現在新製法によるコスト削減の見通しが立ちまして、3か月後には給料の金額を元に戻せることと思います』といった具合に、今何が起きているのか、どんな不利益があるのか、どうやって解決するつもりなのか、それはいつまでかかるのか、を全部具体的に正直に言うことです。不満は出るでしょうが、後でばれた時よりは傷が浅く済むわけです。まあ、伝えていい情報と悪い情報、企業秘密などもあるでしょうからどこまで伝えるかはその都度判断が必要になりますがね」
「なるほど・・・ダメな例を反面教師とするわけですね」
「ええ、そういうことです。では、時間になりましたので今回の講義は終了します。ご清聴ありがとうございました!」
「お疲れさまでした!」

後書き

まともな政治家って、なかなかスポットライト当たりませんよねえ・・・

この小説について

タイトル それっぽい言い方講座<政治家編>
初版 2017年3月5日
改訂 2017年3月5日
小説ID 4896
閲覧数 59
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teiwazの写真
ぬし
作家名 ★teiwaz
作家ID 1049
投稿数 32
★の数 25
活動度 3247
はじめまして。teiwazといいます。
思いついた作品を思いついたときに投稿しますので、よかったら見てみてください。
これからよろしくお願いします!

尚、小説のタイトルと紹介文は必ずしも小説の内容全てを表しているわけではありませんのでご注意下さい。

コメント (3)

caiyan コメントのみ 2017年4月20日 1時08分46秒
(このコメントは作者によって削除されました)
caiyan コメントのみ 2017年4月20日 1時09分22秒
(このコメントは作者によって削除されました)
★teiwaz コメントのみ 2017年4月22日 22時40分38秒
すみません、なんかよくわからない英語の羅列やサイトへのリンクっぽかったので、感想を二つ消させて頂きました。
感想は日本語でないと作者が分かりませんので、今後は日本語で書いて貰えるとありがたいですm(__)m
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