箱庭 - あれ?ここって二次元?

夢国
〜坂本夏実side〜

ある日突然、私は前世を思い出した。

何てことない、、、、、訳では無いが、単純に通り魔に襲われたのだ。

不幸中の幸いか目撃者がおり、私は直ぐに救急車で病院へ連れていかれ、通り魔は捕まったが、私にとってはそこからが山場だった。

何と私を刺したナイフには、毒が塗ってあり、解毒薬を飲んだものの
私は生死の境をさ迷い、奮闘の末生還することができた。

が、助かった後の私には、安堵の心地より、些細な疑問が残った。
何と言うのだろう。この心地に一番近いのが、デジャブ。だろうか。

結局、この疑問のはっきりとした答えを見つけられぬまま、私は退院を
迎えた。

しかし、事態は此処でおきた。
退院祝いの乙女ゲームだ。私の叔父さんは無類のゲームマニアで、よく
私にゲームをくれる。今回も例に漏れず、退院祝いとして初めての
乙女ゲームをくれた。

叔父さんは、「女の子なのだからー」と言って、遠慮する両親を説得
していたのだが、私はそれ所ではなかった。

ゲームの会社名だった。「ドリーム」 ユーザーに夢を見させたい。
そんな思いが込められた、一般的な名前だ。

一言言っておくと、私は坂本夏実としての十六年間の人生で、こんな会社とは、出会ったことはなかった。
だから当然、この知識を知るわけがない。、、、、、、、、、、坂本夏実としては。

では何故こんな事を知っている。答えは簡単、冒頭にある通りだ。
私は前世を思い出した、その世界にもドリームがあった、そして私は
ドリームのファン、通称ドリファンだった。それだけだ。





あれから、無事家に着き、自室でここまで至った経由を思い出し、
纏めたのが上記である。

とりあえず、今のところは現世の記憶と前世の記憶が地味に混じりあい、
頭がマトモではなくなっている。

何とか落ち着こうと、ベッドの上でストレッチやサーキットトレーニングをしたが、一行に静まらず、シーツがこれまた地味に乱れただけだ。



体を動かしても駄目、ならば、紙に書いて纏めよう。
ふと、頭に浮かんだ良案だった。

思い立ったが吉日、直ぐに私は机に向かった。
書くことは、、、、、、、、そうだな、前世だけで良い。

所が、始めは良案だと思ったこの案は、以外と難航した。
簡単な部分は簡単だ。通った学校などは小学校を思い出すなら、二択
だから。大学何て前世しか行ってない。
問題は、地形だったり友人関係だったり。




結果、私は徹夜することになった。こんなの前世でドリームのゲームに
熱中して以来だ。

朝には見事、隈ができていた。学園が休みで良かった。

しかし、徹夜して頑張っただけあって、頭も幾分かは落ち着いた。

そしたら、色々な事が見えてきた。一番嬉しがったのが、この世界にもドリームが有る事だ。

そもそもドリームと言うのは、乙女CD、乙女ゲーム等を売り出す会社で、
シナリオやBGMは好評を得ており、直営ショップも有る。

私が一番好きなのが、「例え、貴方が人ならざる幽霊でも」
このながったらしい題名のものだ。略して例幽。

内容は、ごく普通の女子高生が、ひょんなことから学園に潜む幽霊と
出会い、恋に落ちるストーリーだ。

私は、この例幽のありとあらゆる所が好きだった。
シナリオ、BGMは当然、キャラクターも皆ツンデレだったり腹黒だったり
色気があったりと、様々だった。

攻略対象は五人とドリームにしては少ないものの、十二分に満足できた。

所が! ショッキングなことに、この世界には、例幽が無い。
いくら調べても、出てきやしない。

かなり堪える。だいぶ堪える。

叔父さんにプレゼントされたのは、ドリームの中でもダントツで人気が有るが、かなり過激なものだ。これも好きだからこれで我慢しよう。
そう思うことにした。諦めきれないけれど、諦めるしかない。仕方ない。

「夏実〜、降りてきなさ〜い。」

一階から、何処か抜けたような母さんの声が聞こえてきた。

母さんは、理由は無いけれど、大声を出すとこんな感じのイントネーションになるのだ。



後書き

連載なのでまだまだ続きます。

この小説について

タイトル あれ?ここって二次元?
初版 2018年5月4日
改訂 2018年5月4日
小説ID 5050
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